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管理者はどこに居る?
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「これも食べ飽きたね」
ホテルのレストランで昼飯を食っていると、舞が文句を言う。
「味付けが濃いっていうか、レパートリーが少ないっていうか。ロゼさんの料理が恋しくなってきた」
静流も詰まらなそうに飯を口に運ぶ。
「二人とも我慢しろ」
サテラは二人を窘めるが、同じような不満を抱いている。グルメな奴らだ。
「今夜は、外で飯を食おう。昨日、いい場所を見つけた」
三人の不満を聞いて、昨日の酒場を思い出す。あそこを馴染みにしても良いだろう。
「本当!」
舞が目を輝かせる。
「本当だ。いい女がたくさん居た」
「ちょっと待って」
サテラが頭を抱える。
「狂、私は夜遅くまで、情報収集を行っていると思っていた。だから朝帰りにも突っ込まなかった。まさか、女を犯していただけじゃないよな?」
「俺が女を犯さないでどうする?」
「私たちがここに来たのは女を犯すためか! 違うだろ!」
サテラに指摘されたので考えるふりをする。
「何だっけ?」
「女を犯しすぎて頭がおかしくなったのか?」
サテラは死んだような目で笑う。
「冗談だ冗談。少しばかり手掛かりを掴んだ」
「どんな!」
サテラが食いつく。
「とにかく飯を食え。話はそれからだ」
言うと三人は急いで飯を食べ始める。
俺は食べ終えていたので煙草を吸う。
「管理者はどこに居る?」
一口吸うと疑問が声に出る。
この街は、おかしい。
「誰もこの街、プリズムの王を知らない? 住民でさえも?」
サテラがコーヒーカップから口を離す。
「それって妙ね。管理者は街を管理するのが仕事。なのに名前はおろか顔も知らないだなんて」
静流がレストランのウェイターやウェイトレスに目をやる。
「不思議だね」
舞は首をひねる。
「軍人ですら知らないらしい。お手上げの状態だ」
煙草の煙を吸う。そうしないとやってられない。
「それでも、誰か知っているはずだ。そうしないと街の管理ができない。ここは無法者の街とはいえ、軍人が居る。必ずそいつらに命令を下す奴がいる」
サテラの意見は最もだ。だからこそ腹が立つ。
「その通りだ。だが末端の軍人は、そもそも上官に会ったことがないらしい。電話、メールのみだ」
「それで良く都市の管理ができるな」
サテラも腹立たし気に腕を組む。
「管理者はここに居ないんじゃない? そう考えると、電話、メールだけで命令するのも納得できるでしょ」
静流が現状の情報から推論する。
「それが濃厚ではある。だが、一つ引っかかる」
「何が? お姉ちゃんの意見は筋が通ってると思うけど?」
舞がカラカラとストローでジュースの氷を弄ぶ。
「管理者が居ない。つまりリーダーが居ない。なのにここの街は秩序がある」
「なるほど」
サテラはすぐに納得する。舞はそうではなかった。
「どういうこと? リーダーは管理者でしょ?」
舞は食べていたスナック菓子をテーブルに置く。
「狂が倒れていた時のことを思い出してくれ。私たちに秩序はあったか?」
「無かったわね。てんぱってた。そこの人! チョコレートパフェ一つ持ってきて!」
静流は注文を終えると難しい顔になる。
「リーダーの顔が見れないと、不安になると思うけど、ここの人たちは平気なのかしら?」
静流は苦々しく呟く。
「何より、秩序がある。無法者の秩序だが、しっかり守られている」
煙草を吸う。どうするべきか。
「ファミリーのおかげ?」
舞が気になることを呟く。
「どういうことだ?」
「ちょっと思ったんだけど、この街ってゴロツキのファミリーが複数あるから、それのおかげで秩序が保たれてるのかなって」
言われれば納得だ。ファミリーはゴロツキの親玉みたいなもんだ。
「そういえば、軍人たちはファミリーの犯行を見過ごしていたな。何かあるのかもしれん」
拳を鳴らす。
「狂、どうするつもりだ?」
サテラが不安げに尋ねる。俺は笑う。
「殴り込みだ!」
「管理者が逃げたらどうする!」
「その管理者の居場所が分からねえ! なら遠慮する必要はねえ!」
「人殺しはダメだぞ! そうなると無関係な人間まで敵に回る!」
「分かってる!」
「本当かよ」
サテラは頭を押さえつつ、俺を見る。
「私も行くぞ!」
「お前が? 大丈夫か?」
「血の雨を降らせないためだ!」
「まあ、来たければ来い。静流と舞はどうする?」
「行く行く!」
「そろそろ暴れたくなったからね!」
静流と舞はVサインした。
「話は決まった!」
サテラを抱き寄せてパンツを脱がす。
「ちょっと待て! 何でこの流れでセックスになるんだ!」
「景気づけだ!」
「もう! 何で私はこんな奴に惚れてしまったんだ!」
チンポをサテラのマンコに突き刺す。
気持ちいい。
「ハハハハ! 久しぶりに皆殺しにしてやる!」
「するな!」
ホテルのレストランで昼飯を食っていると、舞が文句を言う。
「味付けが濃いっていうか、レパートリーが少ないっていうか。ロゼさんの料理が恋しくなってきた」
静流も詰まらなそうに飯を口に運ぶ。
「二人とも我慢しろ」
サテラは二人を窘めるが、同じような不満を抱いている。グルメな奴らだ。
「今夜は、外で飯を食おう。昨日、いい場所を見つけた」
三人の不満を聞いて、昨日の酒場を思い出す。あそこを馴染みにしても良いだろう。
「本当!」
舞が目を輝かせる。
「本当だ。いい女がたくさん居た」
「ちょっと待って」
サテラが頭を抱える。
「狂、私は夜遅くまで、情報収集を行っていると思っていた。だから朝帰りにも突っ込まなかった。まさか、女を犯していただけじゃないよな?」
「俺が女を犯さないでどうする?」
「私たちがここに来たのは女を犯すためか! 違うだろ!」
サテラに指摘されたので考えるふりをする。
「何だっけ?」
「女を犯しすぎて頭がおかしくなったのか?」
サテラは死んだような目で笑う。
「冗談だ冗談。少しばかり手掛かりを掴んだ」
「どんな!」
サテラが食いつく。
「とにかく飯を食え。話はそれからだ」
言うと三人は急いで飯を食べ始める。
俺は食べ終えていたので煙草を吸う。
「管理者はどこに居る?」
一口吸うと疑問が声に出る。
この街は、おかしい。
「誰もこの街、プリズムの王を知らない? 住民でさえも?」
サテラがコーヒーカップから口を離す。
「それって妙ね。管理者は街を管理するのが仕事。なのに名前はおろか顔も知らないだなんて」
静流がレストランのウェイターやウェイトレスに目をやる。
「不思議だね」
舞は首をひねる。
「軍人ですら知らないらしい。お手上げの状態だ」
煙草の煙を吸う。そうしないとやってられない。
「それでも、誰か知っているはずだ。そうしないと街の管理ができない。ここは無法者の街とはいえ、軍人が居る。必ずそいつらに命令を下す奴がいる」
サテラの意見は最もだ。だからこそ腹が立つ。
「その通りだ。だが末端の軍人は、そもそも上官に会ったことがないらしい。電話、メールのみだ」
「それで良く都市の管理ができるな」
サテラも腹立たし気に腕を組む。
「管理者はここに居ないんじゃない? そう考えると、電話、メールだけで命令するのも納得できるでしょ」
静流が現状の情報から推論する。
「それが濃厚ではある。だが、一つ引っかかる」
「何が? お姉ちゃんの意見は筋が通ってると思うけど?」
舞がカラカラとストローでジュースの氷を弄ぶ。
「管理者が居ない。つまりリーダーが居ない。なのにここの街は秩序がある」
「なるほど」
サテラはすぐに納得する。舞はそうではなかった。
「どういうこと? リーダーは管理者でしょ?」
舞は食べていたスナック菓子をテーブルに置く。
「狂が倒れていた時のことを思い出してくれ。私たちに秩序はあったか?」
「無かったわね。てんぱってた。そこの人! チョコレートパフェ一つ持ってきて!」
静流は注文を終えると難しい顔になる。
「リーダーの顔が見れないと、不安になると思うけど、ここの人たちは平気なのかしら?」
静流は苦々しく呟く。
「何より、秩序がある。無法者の秩序だが、しっかり守られている」
煙草を吸う。どうするべきか。
「ファミリーのおかげ?」
舞が気になることを呟く。
「どういうことだ?」
「ちょっと思ったんだけど、この街ってゴロツキのファミリーが複数あるから、それのおかげで秩序が保たれてるのかなって」
言われれば納得だ。ファミリーはゴロツキの親玉みたいなもんだ。
「そういえば、軍人たちはファミリーの犯行を見過ごしていたな。何かあるのかもしれん」
拳を鳴らす。
「狂、どうするつもりだ?」
サテラが不安げに尋ねる。俺は笑う。
「殴り込みだ!」
「管理者が逃げたらどうする!」
「その管理者の居場所が分からねえ! なら遠慮する必要はねえ!」
「人殺しはダメだぞ! そうなると無関係な人間まで敵に回る!」
「分かってる!」
「本当かよ」
サテラは頭を押さえつつ、俺を見る。
「私も行くぞ!」
「お前が? 大丈夫か?」
「血の雨を降らせないためだ!」
「まあ、来たければ来い。静流と舞はどうする?」
「行く行く!」
「そろそろ暴れたくなったからね!」
静流と舞はVサインした。
「話は決まった!」
サテラを抱き寄せてパンツを脱がす。
「ちょっと待て! 何でこの流れでセックスになるんだ!」
「景気づけだ!」
「もう! 何で私はこんな奴に惚れてしまったんだ!」
チンポをサテラのマンコに突き刺す。
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