最低のピカレスク-死刑囚は神を殺す

ねこねこ大好き

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ようやく都市、アルカトラズへ

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 大草原の真っ只中で狂太郎の女たちが全裸で洗濯物を干す。全員動くたびにだらだらとマンコやアナルから精液が漏れるが、気にする女は一人も居ない。そして洗濯物を干し終えると、乾くまで各々好きなように行動する。
「都市まであと十キロくらいだって。明日には着くかな?」
 舞がシートの上で大の字に寝転びながら言う。
「今のペースじゃあと三日はかかるでしょ」
 マリヤが舞の隣に座ると、呆れた笑いを浮かべる。
「まさか百キロの道のりに一か月もかかるなんて。私たちは馬車に乗ってるんだぞ?」
 サテラが頭を抱える。
「仕方ないですわ。洗濯は汚れてすぐにしないといけません」
 ロゼが真っ白に風で揺れる洗濯物を見る。
「毎日毎日セックスしてるから、馬車を走らせるよりも洗濯してる時間が多かったからね」
 静流がお日様を見上げながらくすくす笑う。
「二十人の女を毎日犯す。すっごい体力だ」
 薫がため息を吐く。
「そういえばきょうちゃんは? セックスしようと思ったのに」
 静流はきょろきょろと当たりを見渡す。
「先に都市に向かったよ。すぐ戻るって言ってた」
 サテラは大あくびをする。
「平和だねー」
 舞もつられて大あくびをする。
「そうでもなさそうだ」
 薫が目を細める。視線の先に馬に乗った男たちが居た。皆武器を持っていて、服は血で汚れている。盗賊だ。まっすぐこちらへ向かっている。
「あれま、こっちに来てる」
 静流は慌てた様子もなく、のんびりと言う。
「また死体が増えるのか」
 サテラが頭を抱える。
「血はすぐに洗わないと落ちないんですよね」
 ロゼも頭を抱える。
「絶対にあと一週間はかかる」
 マリヤが疲れた笑いをした。

「お前ら! 動くな!」
 盗賊たちは女たちを包囲する。そしてボスが女たちの裸体を見ながら舌なめずりする。
「全員裸じゃねえか!」
「いい女たちだ! 犯しがいがある!」
「おい! こいつらすげえ財宝をもってやがる! 一年は遊んで暮らせるぞ!」
「食料もたっぷりだ!」
 盗賊たちは馬車の積み荷や女たちを見て歓喜の声を上げる。
 女たちはそんな男たちに憐みの視線を向ける。
「お前たち、すぐに逃げたほうがいいぞ。というか逃げろ。死ぬぞ」
 サテラがボスに忠告する。ボスは鼻で笑う。
「何言ってんだお前? なんで俺たちが逃げるんだ?」
「私たちは狂の女だ。あいつは男には容赦しない」
「狂? 誰だそれ? お前たちの主人か?」
「今日から俺たちがご主人様だ!」
 男たちは下卑た大笑いをする。女たちはますます同情する。
「バカな奴らだ。すぐにでも逃げれば助かるのに」
「もう遅い。私たちに武器を向けた時点でこいつらの未来は決まってしまった。たとえ逃げても、狂太郎は地の果てまで追いかける」
 サテラが呟くと薫がつぶやき返す。
「さっきから何ぶつぶつ言ってんだ?」
 盗賊の一人が剣を切っ先を女たちに向ける。だが女たちは全く怯えない。それどころか静流と舞はなむなむと手を合わせる。
「あんたらが女だったら私たちとお友達に成れたのに……可哀そう」
 舞が手を合わせながらため息を吐く。
「せめてもの手向けに一発やらせてあげたいけど、そうするともっと可哀そうなことになるから、裸で勘弁してね。その代わり一生分しこっていいから」
 静流は寝転ぶとガバリと股を開き、盗賊たちにマンコとアナルを見せる。
 盗賊たちは舌打ちする。
「こいつら頭おかしいんじゃねえか?」
「関係ねえよ。見てくれはいい女だ」
 盗賊のボスがズボンを脱ぐ。
「最初は俺だ! それが終わったらお前らの好きにしていいぞ」
「ヒャッハー! さすがボス! やっさしー!」
 一人が拍手するが、そのほかは不満そうな表情をする。
「ボス! そのデカいので壊さないでくださいよ!」
「ボスの後だと締りが悪いんだよなー」
 ボスは部下たちの声を聞くと、へっと笑い、女たちに勃起したチンポを向ける。
「デカいだろ。だが怖がらなくていい。すぐに良くなる」
 女たちがボスのチンポを凝視する。
「ちっさ!」
 サテラが大声で驚きの声を上げる。
「あれでデカいって、こいつらどんだけ短小なの?」
 舞が男たちを思いっきり憐れむ。
「皆感覚おかしいよ! きょうちゃんがデカすぎるだけだから! 普通ならあれでも大きいから!」
 静流が必死に男たちのフォローをする。
「しかし、あのサイズだと私たちのおマンコで気持ちよくなれるのかしら?」
「思いっきり絞めてあげないとダメだろうね」
 ロゼとマリヤが明後日な方向の心配をする。
 ボスがぶるぶると震える。
「度胸は認めてやる! だがすぐに後悔するぞ!」
 ボスの手がサテラに伸びる。
 ボスの腕が千切れ、宙を舞った。血しぶきが洗濯物にかかる。
 ボスは何があったのか理解できないという表情だった。
「洗濯物がー! また洗いなおさないとー!」
「これで一週間以上確定」
 ロゼが叫び、マリヤがため息を吐く。
「う、腕が! 俺の腕がねえ!」
 ようやく己の腕が無くなったことに気づき、悲鳴を上げる。
「ぼ、ボス!」
「な、なにがあった!」
「お前ら何しやがった!」
 盗賊たちは混乱し、武器を一斉に女たちに向ける。
 サテラはため息を吐き、盗賊たちの背後に目を向ける。
「何って、狂が戻ってきたんだ。お前たちはもうおしまいだ」
 盗賊たちはいっせいに振り返る。そこには、不機嫌な顔をした狂太郎が立っていた。
「お前ら、俺の女を取り囲んで何してんだ?」
 狂太郎が盗賊たちに怒りの視線を向ける。盗賊たちは武器を狂太郎に向ける。
「これはお前がやったのか!」
「俺以外誰が居る?」
 盗賊たちは目線で会話を始める。
「攻撃系の能力を持ってる」
「多分かまいたちだ。空気の斬撃を放ったんだ」
「俺の能力なら奴の攻撃に耐えられる。その隙にお前らがあいつを殺せ」
 盗賊たちは目線での会話を終えると、狂太郎を見据える。
 盗賊たち全員、腕が無くなっていた。
「は?」
 盗賊の一人が間抜けな声を出す。これから攻撃しようと思ったところで腕が無くなれば当然だ。
「狂、私たちは馬車に戻る。あと、できれば、見逃してやってくれ」
 サテラが狂太郎に一声かけると、全員馬車へ避難する。
 皆、虐殺を楽しむような神経を持っていなかった。
「何じゃこりゃーーーーー!」
「何で腕が! 腕が!」
 盗賊たちは混乱と恐怖で狂乱する。
「俺特製の、極細の糸鋸だ。すでにお前たちの体に絡みついている」
 狂太郎は摘まんだ糸鋸を盗賊たちに見せる。
 狂太郎がくりくりと糸鋸を弄ると、盗賊たちの肌が一斉に切れ、血しぶきが飛び散る。
「あああああああーーーーーー!」
「う、うごけねええーーー!」
「たすけてくれ! おねがいだーーー!」
 ようやく事態を把握した盗賊たちは悲鳴を上げる。
 狂太郎は鼻で笑う。
「お前ら全員死ね」
 狂太郎が腕を引くと、盗賊たちの体はバラバラになった。
「残りはお前だけだ」
 腕を無くし、腰を抜かし、ガタガタと小便を漏らす盗賊たちのボス。彼は狂太郎に睨まれると涙を流した。
「ゆ、ゆるしてくれ! もうわるいことはしない!」
 狂太郎はため息を吐く。
「今の俺は滅茶苦茶機嫌が悪い」
 ボスの首が落ちる。
 盗賊たちは狂太郎に全員虐殺された。
「まったく、後片付けが大変だぜ」
 狂太郎は死臭と血の臭いが漂う中、一人でため息を吐いた。
「お前ら! すぐにアルカトラズへ向かうぞ! こんな汚いところには一秒も居たくねえ!」
 
 狂太郎たちはアルカトラズへ馬車を飛ばす。
 残ったのは山盛りの死体だけであった。
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