彼女の周りは敵だらけなので無意味と思われた固有スキルを使い殺していく

絵樹瑠

文字の大きさ
7 / 8

殺戮と救済

しおりを挟む
「ひぃ!?」

 男達が悲鳴を上げる。目の前の少年の雰囲気が変わったのだ。目が赤くなり、纏うオーラが自分達、いや、人間とは別物になったからだ。

(ずっと思っていた。なぜリンクの説明が少ないのかを……)

 レイはそう思考しながらに男達に近づいて行った。髪色も変化して青がかった銀髪になった。
 リンク。繋げることができる。

(何を繋ぐかはかいてなかった。今までは、物を繋げる程度のことしかできないと思っていた。けどそれだけしかできないのならなぜ固有スキルなのか?もっと特別なものじゃないのか?たとえば今みたいにステータスをリンクさせることだってできる)

 レイはリリィの氷魔法を発動する。周りに冷気が漂い、足元が凍っていく。

「な!?氷魔法!?ばかな、何故そんな特殊な魔法が使える!?」

 魔法の属性は4種類ある。火、水、風、土、の四大属性だ。稀に黒炎魔法、氷魔法、雷魔法、金属魔法などの特殊な属性魔法がある。光魔法と闇魔法はまた別の系統だ。

「黙れ。もう生かすつもりはない。楽に死ねると思うなよ」

 レイが手を向けるとそれに従って地面から無数の氷の棘が男達を襲った。

「ぎゃああ!」

 氷の棘は急所を外し、体が動かないよう固定していた。魔法はイメージ力が強くなければならない。逆にいえばイメージ力があれば好きな形で発動できるのだ。だから意図的にそうして、動かないように刺したのだ。

「リリィは返してもらうからな」

 そう言ってリリィを縛ってある縄をほどき、丁寧に持ち上げて部屋から出ようとした。

「待ってくれ!俺たちはどうするんだ!?」

「殺すに決まってるだろ。黙ってもがき苦しみ死ね」

 男達の口を氷で覆い、声を出せなくした。そして体に刺さってある棘から0.5ミリぐらいのヒトデなどに生えてある小さな棘、叉棘が生えた。棘が回転し始め、叉棘が体をえぐり始めた。あまりの痛さに悲鳴を上げようとするが、口が開かないのでもがき苦しんだ。血が大量に出ようとするが、棘の冷気で凍り、止血される。体が少しずつ削られていく。まさに無限地獄である。

「リリィ、大丈夫か?」

 外に出てレイは声をかけた。それだけでは起きなかったので体を揺すり、呼び続けた。一分ほどそうしていると……。

「……?レイ……?」

 どうやら気がついたみたいだ。しかし、リリィはレイを見て驚いていた。なぜなら髪と目の色が自分と同じになっていたからだ。それになにか繋がっている感じがした。

「レイ、髪と目の色が……」

 わからないことだらけだったが、とりあえずそうたずねた。
 
「ん?ああ、まだリンクしたまんまだったな」

「リンク……?それに口調が……」

 レイは男達に向かって思念転送と怨者を発動した。圧倒的な殺意を直接受けた男達は全員恐怖で怯え死んだ。人を殺した罪悪感はなかった。それだけレイの心は歪んでしまったのだろう。殺し終わったので、もう氷魔法を使い続ける意味もない。なのでリンクを解除した。繋がっている感覚もそれできれた。

「あ、戻った……?」

 リリィは困惑するばかりだった。なんでここにいるのか。何故髪と目の色が変わるのか。自分を吸血鬼だと知っているはずなのになにも言わないのか。全てがわからなかった。

「何があったのか全部今から話すよ。」

 困惑するリリィにそうつげた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。

四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」 突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

処理中です...