【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音

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「前妻のメレーヌ様は北棟でお過ごしだったと聞きましたが、今、北棟はどうなっているんですか?」

家令に辺境伯夫人の仕事を習う中、わたしは思い出したかの様に《それ》を聞いてみた。

「北棟はメレーヌ様が亡くなられて直ぐに取り壊されました」

鍵を管理する金庫の中に北棟の物は無かったので、あまり期待はしていなかったが、それでもガッカリした。
まぁ、あんな惨劇が起こった場所をわざわざ保管しておく人はいないわよね…
ある意味、カルヴァンがサイコパスでは無いと分かって良かったじゃない!と自分を立ち直らせた。

「研究をされていたとか…貴重な資料もあったのではないかと思いますが、全て処分なさったんですか?」
「はい、全て焼き払っております、奥様はご興味がおありですか?」
「いいえ!全然!」
「安心致しました、旦那様は酷く憎んでおりますので、例え奥様でも、お許しにはなられないでしょう…
どうか旦那様の前では口を滑らせませんように、お願い致します」

年老いた家令が深々と頭を下げる。
彼は主人を敬愛しているのだ。わたしが調べていると知れば、追い出そうとするかもしれない。
慎重にいかないといけないわね…


わたしは空いた時間で【古の術書】を読んでいた。
それは古代文字を翻訳しているのだが、意味が分かり難い為、難解であり、時間が掛かった。
だが、わたしは遂に、役に立ちそうな記述を見付けた。

それは、『聖なる石を使えば、魔物を封じる事が出来る』というものだ。
尤も、確かな検証は無く、『嘗て魔物の苗床になった者がおった。ある時、賢者が現れ、聖なる石を使い魔物を封じ込めた…』という創作とも取れる、信憑性の無い伝承に過ぎなかった。
それでも、シリルに巣食う魔物を取り出し、他の場所に封印出来れば、シリルは普通の人生を歩めるのだ!
シリルの未来は明るく開けるだろう!

シリルの継母となり、一緒にいる内に、本当の息子の様に思えていた。
この世界で一番、大切で、愛おしい子…
だからこそ、この可能性をわたしは諦めたく無かった。

「他の本にも何か書かれているかも!」

わたしは手掛かりを求め、本を読み漁った。


◇◇


「旦那様から、シリル様と奥様に招待状が届いております」

家令から渡されたのは、騎士団の拠点で行われる、騎士団員で行われる剣術試合の観覧招待だった。
カルヴァンがシリルの為に招待してくれたのだと直ぐに分かった。

「シリル!騎士団の剣術試合を観に行く?お父様から招待を頂いたわよ!」
「行く!行きます!!」

シリルは目をキラキラとさせて喜んだ。

剣術試合の日、わたしたちはカルヴァンが恥を掻かない様、辺境伯子息、夫人らしい装いに着替え、騎士団の拠点に向かった。
シリルは勿論だが、わたしも初めての場所で緊張していた。
拠点に着けばカルヴァンが案内をしてくれると思っていたのだが、現れたのはセザールだった。

「セザール、旦那様は?」
「カルヴァン様はどうしても抜けられない仕事がありまして、お二人に申し訳ないと言われておりました」

カルヴァンは団長だし、仕方ないわね…

「お席に案内致します、カルヴァン様はシリル様の為に良く観える席をご用意なさっていますよ」

セザールは口が上手く、シリルを良い気持ちにさせ、スムーズに席に案内した。
流石、カルヴァンの側近ね!有能だこと!
だけどセザールって、何処か底が見えないのよね…油断出来ないというか…
まぁ、側近がそうであれば、カルヴァンも安心だろう。

「どうかなさいましたか?」

セザールがわたしの視線に気付き、細い目を更に細くした。
この人はわたしに好感を持っている訳ではない、だけど、嫌っている訳でも無さそう…
観察されている気になる。正に、番犬という感じだ。

「いいえ、セザールは試合に出ないの?」
「はい、あくまで入団一、二年の新人の為の試合ですから、自分の腕をアピールする場です」
「そう、良い催しね、旦那様の入団した頃はどんな風だったの?」
「さぁ、私は同窓ではありますが、騎士団員ではありませんので存じ上げません」
「同窓…王立貴族学園よね?」
「ええ、そうですよ」

それは、『あなたには縁が無いでしょうけど』というニュアンスに聞こえた。
馬鹿にしてる?まぁ、実際、わたし…アマンディーヌは領地の貴族学園に二年通っただけで、勉強なんてそっちのけ、興味のある淑女教育しか学ばなかった。そして、卒業後は社交三昧、遊び惚けていた。
馬鹿にされても仕方ないかも…とはいえ、少々ぎゃふんと言わせたくなった。

「わたし、勉強は苦手ですが、誰にも真似出来ない特技があるのよ?」
「ほう、何でしょうか?もしかすると、絵を描かれる事ですか?」

カルヴァンが話したのね!案外お喋りなんだから!

「カルヴァン様は非常に褒めていましたよ、痘痕も靨ですかねー」

喜ばせたいの?馬鹿にしたいの??

「絵も特技だけど、それよりも特出したものよ、実はわたし、《先読み》が出来るの」
「先読み?」

スッと、セザールの周りの空気が冷たくなった気がした。

「ええ、わたしが見た未来では、シリルは王立貴族学園に通っています」

暫しの沈黙の後、セザールは「はぁ、それだけですか?」と零した。それはあまり見ない間の抜けた表情で、わたしは満足した。

「ええ、わたしにははっきりと見えますの!八年後をお楽しみになさってね、セザール」

わたしがニコリと笑うと、セザールは鼻で笑った。
彼は馬鹿馬鹿しいと思っただろう、真実はわたしが知っていれば良い。


わたしとシリルは剣術試合を大いに楽しみ、騎士団の要人たちと挨拶を交わし、陽が暮れる頃、辺境伯邸に戻って来た。
「お疲れでしょう、晩食はお部屋に届けさせましょう」
家令の言葉を有難く受ける事にし、シリルを部屋に送り、自分の部屋に向かった。
楽しい気分で部屋に入ったが、それは一瞬で消え去った。

「カルヴァン!?」

いない筈のカルヴァンが、窓を背に腕組をして立っていた。側の机の上には積み上げられた本があり、状況を察したわたしはサッと青くなった。

魔術、呪術の本を、よりにもよって、カルヴァンに見られてしまった!
不測の事態に茫然となったが、直ぐに打ち消した。
いいえ、違うわ!誰にも見られない様に、わたしはいつも片付けている。部屋に入った位では分からない筈…
もしかして、剣術試合の観戦自体が《餌》だったの?
わたしの部屋を漁る為に、わたしとシリルを館から出す為の…

「酷いわ!」

わたしだけでなく、シリルまで利用したのだ!
シリルの喜びようを思い出して責める様に言ったが、カルヴァンは冷やかな表情を崩さなかった。

「それはこちらの台詞だ、シャルリーヌ」

わたしは状況を思い出し、息を詰めた。

「先日、家令から君に北棟の事を聞かれたと報告を受けた。君が何やらおかしな行動をしていると察していた」
「誤解よ、おかしな行動なんてしていないわ、ただ、あなたは嫌がると思って内緒にしたの…」
「嫌がる?ああ、その通りだ、私は最初に言った筈だ、呪術が嫌いだと!」

そうだ、契約の時に聞いている。カルヴァンは誠実な人だ。いけないのは、わたしよ…

「わたしも関わる気は無かったわ、だけど、シリルと過ごす内に黙っていられなくなったの。あんなに可愛くて良い子はいないわ」

いつの間にか、誰よりも愛おしい存在になっていた。
わたしはシリルを息子として愛している___

「シリルには幸せになって欲しいの、わたしはシリルを助けたいのよ!」

カルヴァンの顔が一層険しくなり、わたしは恐怖で震えそうになった。
ギュっと両手を握りしめて耐えた。

「シリルを助ける?馬鹿な世迷言を、シリルは《まとも》だ、君の助けなど必要ではない!」

「あなたにも思い当たる節はあるでしょう?
メレーヌ様と侍女は何故死んだの?わたしとシリルを襲った荒くれ者はどうなったの?
シリルの左目の黒いものを見た事があるでしょう?」

時々、カルヴァンが《見えている》様に感じる事があった。
彼の目の動きや、察した様に、シリルを宥め様とする事があったから…

「シリルの左目は《魔眼》です、シリルは魔物に苗床にされているんです!
だけど、助けられるかもしれない、本に書いてあったのよ、魔物を石に移す事が出来るって…」

「もう、沢山だ!この本は私が処分する」

カルヴァンが本を抱えて出て行こうとするのを、わたしは腕を掴んで止めようとした。体格差もあり、引き摺られるだけだったが…

「お願い、この本が頼りなの!カルヴァン、目を反らさないで!
シリルに義務があるというなら、シリルを救う事こそがあなたの義務よ!」

「私の義務はシリルを護る事だ、君は契約違反を犯したんだぞ、シャルリーヌ!
実家に送り返されたくなければ、今後は余計な真似をするな!
魔眼だの、苗床など…シリルを貶める事は私が許さない!」

カルヴァンが部屋を出て行き、わたしはその場に崩れ落ちた。
カルヴァンは気付いている筈だ、それなのに頑なに見ようとしない!わたしは酷く苛立った。
メレーヌを恨んでいるからか、メレーヌが行った呪術を憎んでいるからかは分からないけど…

「シリルは関係無いのに」

シリルはメレーヌの被害者だ!
このままで良いなんて思えない、シリルを助けたい、あんな悲しい未来にはしたくない!

「シリルはわたしが助ければいいんでしょう!」

カルヴァンなんて、もう、当てにはしない!
父親が腑抜けなら、継母であるわたしが動かなくては!!


わたしは宝飾品、目ぼしいドレス等を鞄に詰め込み、カルヴァンとシリルに手紙を書き、翌早朝に館を出る事にした。

「奥様、どちらへ?」

玄関前で抜け目のない家令に呼び止められたが、これも計画の内だ。

「実家から母が病に倒れたと連絡がありましたの、急ぎ見舞いに向かいます。
カルヴァン様とシリルには手紙を書きましたので渡して下さい。
それから、馬車と路銀を少々用意して頂ける?」

「私がお話した事で旦那様から咎められたのでしょうか?それでしたら、奥様が出て行かれる事はありません。
奥様は前妻メレーヌ様とは違います、その事は旦那様も良くお分かりになられています。
ですが、旦那様は辛い経験から、頑なになられているのです…」

分かっているわ。
詳細は知らなくても、カルヴァンが辛い思いをした事は、彼を見ていれば分かる。
だけど、同情して終わりでは、誰も救われない___

「あなたの所為ではないわ、ただのお見舞いよ、ちゃんと帰って来るわ、それまで館と皆をお願いね、ブレソール」

「承知致しました、直ぐにご用意致します」

家令が動いてくれ、カルヴァンやシリルが起きて来る前に館を出る事が出来た。
勿論、わたしは帰って来る。
シリルを助ける為に行くのだから、帰って来なくては助けられない。

わたしが居ない間に、カルヴァンが頭を冷やしてくれる事を願うわ___


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