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ヒューゴの母は人が大好き兄はお金儲けが大好き
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(ヒューゴの実家と兄嫁(メイク担当)の話)
ヒューゴの実家のグラン商会は多くの品物を扱っている。
物だけではなく人を集めて付加価値をつけるのが上手いので同業者からは
「その手があったか!」
と地団駄を踏まれることも多い。
女性目線の商売が上手い。
ヒューゴの母親が商会を仕切るようになってからの快進撃が素晴らしい。
プロとの取引は倉庫街や市で行う。
それとは別に、一般客に向けて小売りも始めた。
洋服や化粧品のディスプレイや照明にこだわっている。
必要なものを買いにいく場所
から、
何か探しにいく場所、あそこにいけば何か良いものがあるだろうという期待をもっていく場所に変わった。
さらに、美人店員の存在。
彼女らが身に付けるだけでお嬢さんたちが真似をして買っていく。
その商売路線で数年間は成功していた。
しかし。美人に憧れて買っても自分には似合わないこともある。
最近ではコーディネートの相談も受けるし、ウォーキングのレッスンもある。
お客の自己プロデュースを手伝うプロという路線変更をしていた。
「メイクのモデルをやってほしいのよ~。リナちゃんとマリアちゃんに」
兄嫁に頼まれるヒューゴ。
「そんなの、もとから可愛い子より地味な子が派手に可愛くなるほうが良いんじゃないのか?」
義姉さんみたいに、と心の中で付け足す。
「わかってないわね。かわいい子だって、向いてないメイクをすればまずいことになるのよ」
「そんなわけないだろ」
「例えば、マリアちゃんは肌をマットにしてアイメイクをしっかりするとドール感が強すぎて妙な迫力が出るのよ」
「ちょっと呪文みたいで何言ってるかわからない」
「反対にリナちゃんは、ツヤ肌にしてうるうる唇にして髪をウェットにしたら妙に色気が出すぎるの」
「そんなん知るか」
「だから、マリアちゃんは健康的なツヤ肌でナチュラルにして、リナちゃんはマットでレトロ風にしたいの!
どうしてわかってくれないのよー」
「ちっともわからねえよ!」
「まあまあ二人とも」
兄、レオンが間に入る。
「ヒュー、ジーナがごめんね。メイクのこととなると夢中になっちゃってさ。
でも、ヒューの許可が必要じゃないだろ?マリアちゃんがやりたいって言えば反対はしないよね?」
「うっ、まあ、でもそんなマリアが大勢に見られるのは」
「カイくんは良いって言ってたよ」
「嘘だろ」
「リナちゃんに任せるって。でもリナちゃんも一人じゃ心細いよねー。でもマリアちゃんの彼氏が反対なんて、心が狭いって思わないかな。マリアちゃん、理解ある旦那さんを持つリナちゃんのことが羨ましくなったりしないかな。
お兄ちゃん心配で心配で」
「ぐっ、」
「ちなみにイベント当日にマリアちゃんのパン屋さんも屋台だすから、売上げに貢献できてマリアちゃんも嬉しいと思うな」
「……マリアが良いなら、良い」
「え?なんて?聞こえなかった」
「マリアが出るなら良いって言ったんだよ、聞こえてんだろクソ兄貴!」
ーーーーー
「カイ、マリア達のモデルの件、なんで許したんだ?」
苦虫を噛み潰したような顔でカイが答える。
「オレも反対しようとしたけど。オレらの住んでる家のこととか、レオンさんにはお世話になったからな。
あの人、仕事できすぎて怖いんだが」
「うちの兄がすまない」
ヒューゴの実家のグラン商会は多くの品物を扱っている。
物だけではなく人を集めて付加価値をつけるのが上手いので同業者からは
「その手があったか!」
と地団駄を踏まれることも多い。
女性目線の商売が上手い。
ヒューゴの母親が商会を仕切るようになってからの快進撃が素晴らしい。
プロとの取引は倉庫街や市で行う。
それとは別に、一般客に向けて小売りも始めた。
洋服や化粧品のディスプレイや照明にこだわっている。
必要なものを買いにいく場所
から、
何か探しにいく場所、あそこにいけば何か良いものがあるだろうという期待をもっていく場所に変わった。
さらに、美人店員の存在。
彼女らが身に付けるだけでお嬢さんたちが真似をして買っていく。
その商売路線で数年間は成功していた。
しかし。美人に憧れて買っても自分には似合わないこともある。
最近ではコーディネートの相談も受けるし、ウォーキングのレッスンもある。
お客の自己プロデュースを手伝うプロという路線変更をしていた。
「メイクのモデルをやってほしいのよ~。リナちゃんとマリアちゃんに」
兄嫁に頼まれるヒューゴ。
「そんなの、もとから可愛い子より地味な子が派手に可愛くなるほうが良いんじゃないのか?」
義姉さんみたいに、と心の中で付け足す。
「わかってないわね。かわいい子だって、向いてないメイクをすればまずいことになるのよ」
「そんなわけないだろ」
「例えば、マリアちゃんは肌をマットにしてアイメイクをしっかりするとドール感が強すぎて妙な迫力が出るのよ」
「ちょっと呪文みたいで何言ってるかわからない」
「反対にリナちゃんは、ツヤ肌にしてうるうる唇にして髪をウェットにしたら妙に色気が出すぎるの」
「そんなん知るか」
「だから、マリアちゃんは健康的なツヤ肌でナチュラルにして、リナちゃんはマットでレトロ風にしたいの!
どうしてわかってくれないのよー」
「ちっともわからねえよ!」
「まあまあ二人とも」
兄、レオンが間に入る。
「ヒュー、ジーナがごめんね。メイクのこととなると夢中になっちゃってさ。
でも、ヒューの許可が必要じゃないだろ?マリアちゃんがやりたいって言えば反対はしないよね?」
「うっ、まあ、でもそんなマリアが大勢に見られるのは」
「カイくんは良いって言ってたよ」
「嘘だろ」
「リナちゃんに任せるって。でもリナちゃんも一人じゃ心細いよねー。でもマリアちゃんの彼氏が反対なんて、心が狭いって思わないかな。マリアちゃん、理解ある旦那さんを持つリナちゃんのことが羨ましくなったりしないかな。
お兄ちゃん心配で心配で」
「ぐっ、」
「ちなみにイベント当日にマリアちゃんのパン屋さんも屋台だすから、売上げに貢献できてマリアちゃんも嬉しいと思うな」
「……マリアが良いなら、良い」
「え?なんて?聞こえなかった」
「マリアが出るなら良いって言ったんだよ、聞こえてんだろクソ兄貴!」
ーーーーー
「カイ、マリア達のモデルの件、なんで許したんだ?」
苦虫を噛み潰したような顔でカイが答える。
「オレも反対しようとしたけど。オレらの住んでる家のこととか、レオンさんにはお世話になったからな。
あの人、仕事できすぎて怖いんだが」
「うちの兄がすまない」
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