俺たちの幕間(注:かっこいい人はいません)

仙桜可律

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リュートが戻ってきたらシェリーも戻ってくる、これ必然

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カイ、リュート、ヒューゴは三人で酒場に来ていた。

「久しぶりだね!カイ!ヒューゴ!」

「ああ」

「お久しぶりです、リュートさん」

「なんでお前らテンション低いんだよ!喜べよ!久々の再会を」

「見るたびにお前の若いツラに色々と考えさせられてな」

「ああ!やっぱり若いお嫁さんもらうと外見気になっちゃうよね!」

ギギギギギ、とカイは睨んだ。
「年食ってるのにアンタはそういうとこも気遣いなく若いままかよ……!」

「去年、なぜか俺が一番年長者だと思われてカイもリュートさんも居なくなって、奢るハメになったのを俺は忘れていない」

ヒューゴが低く唸る。

カイ27歳

ヒューゴ25歳



リュート34歳

「見た目が二十歳で止まってるのはどういうことだ」

「そんなの俺のせいじゃないし。」

酒が運ばれてきた。

ビール、ウイスキーのロック
レモンのカクテル

ヒューゴの前にビール
カイの前にロック
リュートの前にカクテルが置かれる。

店員が去ってから取り換える。
料理。
干した魚
辛いソーセージ
チーズ
サラダ

カイはビール
ヒューゴはレモンカクテル

リュートはウイスキー。

「だいたい、イメージなんてものは勝手に作られるものだよね」

リュートは酒に強く、ウイスキーをどんどんおかわりする。
「お前の嫁さん、酒強そうだよな」
(気も強そうだけど)カイがリュートに言う。

「メイさん?強くないよ。ちょっと飲んだらすぐ素直になって可愛くなるよ」

「え、意外」

ヒューゴがカクテルのおかわりを頼む。
「お前それでよく酔えるな」

「普段騎士団の飲み会ではこんなの頼めないからな。リュートさんと一緒の時じゃないと恥ずかしくて頼めない」

「彼女と飲みに行けば良いんじゃないの?マリアちゃんだっけ」

リュートは、シェリーメイとマリアのいるパン屋さんに行ったことがある。

「そんなの無理だ、」

「え?どういうこと。彼女さん飲めない人なの?」


「あー、ヒューはな、健全なお付き合いをしているので、まだ色々我慢してる状態で、酒を飲むなんて襲うから無理ってことだろ」

ヒューゴが、口を覆ってコクンと頷いた。

(コクンじゃねえよ、乙女かよ)

「ふーん、よくわからないけど。一周回って逆にエロいね?」

カイがビールを吹きそうになった。

何言ってんだ、この人

「相思相愛で、いつでも手を出せるのにやらないって、なんかもうそれだけでプレイとして成立してるような」

「ちょっと黙れ、童貞みたいな顔してるくせに!」

「顔は関係ないだろ!誰が童貞だ!既婚者なめんなよ!」

「見えないくせにえらそーに!」

リュートとカイの口喧嘩が始まった。内容は大したことはない。二人とも酒に強いが、何でもいいからじゃれ合いたいだけなんだろう。

「逆にエロい、逆に……」

巻き込まれヒューゴは赤い顔でプルプル震えていた。

「カイのとこはどうなんだよ
、幼妻と酒飲むんだろ」

「その言い方やめろ。少し、年が離れてるだけだ。まあ飲むこともあるが……」

「……え、おい」

「カイ?」


カーッと赤くなった。

「待って、赤くなること言ってないだろ俺。何想像したんだお前」

「いや、ちょっと、すまん。……冷茶ください」

嫁好きが過ぎる。

二人は酒が苦くなった気がした。
 
ーーーーーーー

その頃。
リナとマリアとシェリーメイも一緒にいた。

お酒を飲んでいた。

「それで、リュートさんが助けてくれてかっこよくて」

「ヒューゴさんも!助けてくれてかっこよくて」


「いいなあ、二人とも。やっぱり貴族令嬢を助ける騎士って絵になるよね!素敵~」

「あ、でもカイさんにも助けてもらった、違う、カイさんのサポートで、ヒューゴさんが来てくれて!」

「私も、カイさんがリュートさんを助けてくれたから結婚できたのよ。
だから恩返ししなきゃって思ってたのに自分の恋はさっさと自分で成就させて、

キッパリしててかっこいいわねえ」


リナが照れ隠しにお酒の追加を頼む。

「ですよね!?結婚まであっという間なんて羨ましい」

マリアは落ち込んでしまったのを隠すようにお酒を追加する。

「やだー、マリアちゃん。そんなの人それぞれよ。結婚も恋人期間もそれぞれ楽しめればいいじゃない。」

シェリーメイは二人の肩をバンバン叩いた。

「ヒューゴさんが、手を出してくれないんです……!」

更に飲み続けたあとマリアが、目を潤ませて言った。

「そうなの?」


「そうなんですよ、シェリーさん。なんでですか?」

「よくわからないけれど、男性はデリケートなものだから、気にしない方がいいんじゃないかしら」

年長者は言うことがしっかりしているとリナはお酒を飲んだ。

「でも、イザとなったら私が強制的に発情するクリームを作ってあげるから安心して!」

何言ってんだこの人、

お酒を吹きそうになった。

「前に、シェリーさんのハンドクリームでヒューゴさんにマッサージしてあげたんですよ。とても甘い雰囲気になって、よし!と思ったのに、最近はまた我慢してるみたいで」

「可愛い~!マリアちゃん可愛いわ!お酒に混ぜてもわからない媚薬も作れるわよ!」

あかん、この人酔ってるやん。
リナは少し伝染したイントネーションで思った。

「リナちゃんは必要ないわね?」

少し想像した。酔ったカイさんは、色気ヤバい。髪をおろして、酔った時に重たそうに頭を振るのも色っぽい。掠れた声で甘えてくるのも猫みたいでかわいい。

頬を押さえて、赤くなるリナをみて、

「ギャあああ、新婚さんかわいいいいいいい!カイくん可愛い嫁もらっちゃってーーーー!前世でどんな徳を積んだのよあの男!」

とシェリーメイは思った。

「いえ、シェリーさん全部声に出てます。なんならヨダレも出そうです。」

マリアが、冷静につっこんだ。ついでに酒を追加した。
「あらやだ。私、可愛い生き物に弱いの」

「知ってます。リュートさん可愛いですもんね。自分の可愛さを理解していて前面に押し出してますよね。プロの犯行です。プロあざとい」

「うち、私が十歳以上年上に見られるけど違うからね?」

三人とも、お酒を飲み続けた。







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