念のために身に付けておいて良かったです

仙桜可律

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シーカー子爵は暗躍したい

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シーカー子爵は普段はポンコツだが、実はちょっとすごい人だった。

アイリスも養女になってから知ったのだが、植物学者の中では知らない人はいない程。

学者としての名声は充分にあるのに童顔で貫禄がないので、講義にいった先でも本人だと信用されない。
知的に見えるようにかけているメガネも愛嬌があって余計に学生のように見えてしまう。

「いやー、せっかく王宮に来たから娘とランチでもしようかなって思って、……アイリス?」

「先生……」

明らかに、泣いたあとのある顔を見て
聞いたほうがいいのか、そっとしておく方がいいのか少し迷ったけれど

「どうしたの?アイリス!誰かに何かされたの?」

言ってしまう。女心がわかるような人ならとっくに恋人ができている。

「なんでもないんですよ
。」

「恋愛の悩みだね?相手は誰?」

聞いてしまう。女心がわかってないのに観察眼はある。学者だから。
「まるで水の足りてないグラジオラスみたいじゃないか。食事に行こう。そろそろ休憩だろう」

「はい」

「で、相手は?噂になってた人なの?」
更に突っ込んで聞いてしまう。
「違いますよ。噂になんてなってません」

「ふーん。まあいいや。僕はね、アイリスが仕事を楽しくできないのなら辞めたっていいと思っているよ。家にいてくれたら安心だから僕はもっと採集の旅に行けるし」

「仕事は、好きです」

「彼のことは?」

「そういう無神経なことを聞くから先生は女性に縁がないんだと思います」

「そうだね。でも家族は守るよ」
アイリスや使用人は僕の家族だから。
そう言って、腕を組んでランチに連れていく。

この人のこういうところに救われてきたと思った。

シーカー子爵は、意外と根に持つ。

アイリスは知らない。



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