【完結】竜神も願う夜だから

仙冬可律

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よっつ夜毎のよいのくち

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「とりあえず雨は小降りになったし、反対側の沢に流れるようにしたから川の氾濫は心配ない」

村の上空を一周してから湯の里へ向かった。
温水が湧いていて湯気が立ちこめている。

春の花が年中咲いていて極楽郷とも呼ばれている。 

「ここは、都の偉い方がいらっしゃるから通行止めになってると聞きました」

「空からは関係ないだろ。
それに、俺たちが行くところは人間は入れない。あ、お前は多分大丈夫。ただ、気を付けろ。神も、神以外も湯は好きだからな」

黒竜は林をいくつか抜けて岩の影の温泉についた。
そして、ミヤを湯の中に放り込んだ。

「きゃーっ!」

「どうだ?気持ちいいだろう」

「待って、いきなり何するのよ」

「あれ?ここ深いのか」

人の形になった黒竜がざぶんと飛び込んだ。

「あー、ちょっと熱いな」

「触らないでっ!」

「お前もっと食べないと抱き心地が悪い」

「なっ、」

黒竜が足を絡めて抱きついてくるので逃げられない。
ポカポカと背中を叩く。

「でも顔は気に入った。」

頬を舐められた。

「やめてってば。着物が濡れちゃった、どうしよう」

「俺の服貸してやる。待ってろ」

黒竜は飛んでいった。
黒竜が着ていたのはこの国の衣服ではないようなものだったけど、着られるんだろうか。

ぶくぶく、と顔まで湯に浸かる。
「確かに痩せてるけど、顔は気に入ったって、そんなこと言われても」

黒竜は世辞も言わないだろうから、少しくすぐったい気持ちになった。

「おや、珍しい。人の子か」

ビリビリと空気を震わせる声がした。




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