【完結】ちょっと読みたい本があるので後宮に行ってきます

仙桜可律

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陛下にも労られた話

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そのあと、女官たちは喜ぶし陛下からも祝いの品が届くし
実家からも手紙が届くし、

自分も実感が湧いてないけれど、周りの様子からしても異例中の異例なのだと思う。

陛下に謁見したときも、体を労るお茶をくださったり、お茶や女性医師の派遣を約束してくださった。

がんばれ
と口パクでこっそり伝えてくださった。

無理して微笑むと、
横から宮さまにぎゅうぎゅう抱き締められた。

「兄上、話しかけないでください。見ないでください」

「え、私一応玉体なんだけど」

ひええ。不敬!不敬ですってば宮さま。

「私の妻に少しでも変な気を起こしたら義姉さま達に相談させてもらいますからね」


「冗談でもやめなさい。
まあ、無体をせず仲むつまじく息災でな」

そのあと、書庫に遊びに行った。
おじいさん門番と文官の二人が出迎えてくれた。

「本当にお二人が結ばれてよかった」

「よくぞ無事に、合法的に、血も流さず醜聞も流さず、宮さまよく待てましたね。偉いです」

待てのできる犬の褒め方のようでした。

まあ、私は本が読めれば。

あとは好きな人を眺められるし。


後世に名を残す皇弟。国の地方の書物も編纂し、あらゆる書物を集めた図書館を建てたことで知られる。

その奥方は誰も姿を知らず、書妃さまという、愛称で呼ばれていた。

【完】
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