ネガティブ歌人は相聞歌を夢見る

仙桜可律

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初崎大和が終わった日。


高校二年の冬だった。
受験に向けて机に向かっていた。

詞を書いていた。

頼まれたものだ。
詩を書いている間は、空想の恋人に向けて書くことができた。

でもこれは、軽音楽部の沢井に、訳詞を頼まれたもので。
しかも、元ネタがわからないくらいに変えてくれと。
曲もアレンジするから、と。


それは要するにパクリなんではないかと思った。

元の訳詞は、堅苦しくて。


それでも、切ないというか切迫感があった。




あ、これ七五調なんだ。


ストンと腑におちた。








こどもの頃に、歌をたくさん歌ってもらった。
母は保育士で、叔母が介護士だった。

童謡、唱歌。

文語体に疑問をもたず、そのまま覚えた。



古典で和歌を習った。







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