どうせ政略結婚だから、と言われた話

仙桜可律

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セイン24歳

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仕事ばかりしていたら自分の年齢を忘れていた。
20代、仕事が面白くなっていた。アルテのエスコートをしたときに
(おお、すっかり令嬢らしくなって)
と親戚のおじさんのようなことを思ってしまった。小さい頃から可愛いとは思っていたけれどひねくれたりすれることもなく、すくすくと育ってくれて嬉しい。
そしてそんなに睨むな弟よ。

このひねくれた弟は昔からアルテのことが好きなのに素直になれずに無愛想だ。
それでもエスコートをするために予定を空けている。私はどうしてもブルーノやアルテの兄のクリスが無理なときだけ一緒に参加している。

そういうときに限ってアルテが大人っぽく可愛く露出の多いドレスだったりするから、後でブルーノが悔しがっている。
毎回エスコートをすればいいのに。
他の令嬢と親しくするのをやめればいいのに。
一度なんて、他の令嬢と話しているところに私とアルテが出会ってしまって、ブルーノはわかりやすく青ざめていた。
アルテがなんの反応もしなかったことが余計にショックだったようだ。

というかもう、求婚すればいいのに。

アルテにヤキモチを焼いてほしくてチラチラ見ながら他の令嬢を話題にだしているのなんて、
もうお兄ちゃん見てられないよ。

アルテはアルテで、婚約自体をどう思ってるのか。

この婚約話がもともと無くなってアルテに誰でも求婚できるなんてことになったらブルーノは発狂しそうだ。

可愛いし、アルテ。
良い子だし。
大人っぽくなろうとしてるのも、ブルーノがアルテのことを子供っぽいと言ったからだ。

僕がわかっていて、
『今日は大人っぽいね、アイツもきっと驚くよ』と誉めると顔を赤らめてはにかむ。

それなのにブルーノには睨まれる。

アルテは可愛いし弟も可愛いので、当て馬になってやろうと思う


仕事がもう少し落ち着いたら……。
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