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ブルーノとアルテ
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久しぶりの夜会にアルテは緊張していた。
ブルーノがエスコートしてくれるから。
先日、二人の婚約を告げられた。
父から聞いたときには信じられなかった。
「だって、ブルーノが納得するわけないわ。私のことなんてずっと不満に思っていた筈だし」
そう言って赤くなったり青くなったりするアルテを家族や使用人たちも宥めた。
「ここまでして、まだお嬢様を泣かせるようならあの坊っちゃんには二度とうちの敷居を跨がせません」
アルテ付きの侍女が物騒なことを言う。
そんな風に使用人も家族もピリピリとして今日を迎えた。
ブルーノが送ったドレスは青色。
ふわりと裾の広がったデザインだ。
ブルーノは光沢のある黒に、衿裏やボタンを青で合わせている。
エントランスで見つめ合った二人がなかなか動かないので、周囲はやきもきしたが。
ブルーノが跪いて、アルテの手を取った。
「アルテ、今まですまなかった。これからは良い婚約者になると誓うから許してくれ」
しおらしい声で言われて、上目遣いで。
普段は見下ろされているからブルーノの表情を知らなかった。弱々しく真摯に言うのを見て、アルテは頷くことしかできなかった。
馬車の中でもブルーノはアルテを、見つめていた。
「そんなに、見ないでください……」
顔をおおってアルテが恥ずかしがるほど。
「嫌だったか?ごめん。アルテの嫌がることは二度としないと思ってたんだけど」
「嫌というわけでは、」
「もうこんな風に会うことがないと思っていたから、目に焼き付けておこうかと思って」
ブルーノが儚く笑うから、父と兄の言ってたことを思い出した。
アルテが嫌ならいつでも婚約解消をする。ブルーノにもそう言ってある
ブルーノは、婚約を解消しないために優しくなったのかもしれない。でも、ブルーノなら令嬢に人気だから次の相手には困らない筈。
じゃあ
本当にこの婚約を望んでくれているということ……
「今日のドレスも似合っていて可愛い」
「えっ」
「変なことは言ってない。なぜ驚く」
「だって、今までそんなこと言わなかった」
「言葉にしないと伝わらないと言われた。
今までも誉めようかと思ったけど、肩が出ていたり寒そうだったり、俺が選んでないドレスが似合いすぎているのが悔しかったから言えなかった」
誰ですか?これ
というくらい素直。
ブルーノがエスコートしてくれるから。
先日、二人の婚約を告げられた。
父から聞いたときには信じられなかった。
「だって、ブルーノが納得するわけないわ。私のことなんてずっと不満に思っていた筈だし」
そう言って赤くなったり青くなったりするアルテを家族や使用人たちも宥めた。
「ここまでして、まだお嬢様を泣かせるようならあの坊っちゃんには二度とうちの敷居を跨がせません」
アルテ付きの侍女が物騒なことを言う。
そんな風に使用人も家族もピリピリとして今日を迎えた。
ブルーノが送ったドレスは青色。
ふわりと裾の広がったデザインだ。
ブルーノは光沢のある黒に、衿裏やボタンを青で合わせている。
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ブルーノが跪いて、アルテの手を取った。
「アルテ、今まですまなかった。これからは良い婚約者になると誓うから許してくれ」
しおらしい声で言われて、上目遣いで。
普段は見下ろされているからブルーノの表情を知らなかった。弱々しく真摯に言うのを見て、アルテは頷くことしかできなかった。
馬車の中でもブルーノはアルテを、見つめていた。
「そんなに、見ないでください……」
顔をおおってアルテが恥ずかしがるほど。
「嫌だったか?ごめん。アルテの嫌がることは二度としないと思ってたんだけど」
「嫌というわけでは、」
「もうこんな風に会うことがないと思っていたから、目に焼き付けておこうかと思って」
ブルーノが儚く笑うから、父と兄の言ってたことを思い出した。
アルテが嫌ならいつでも婚約解消をする。ブルーノにもそう言ってある
ブルーノは、婚約を解消しないために優しくなったのかもしれない。でも、ブルーノなら令嬢に人気だから次の相手には困らない筈。
じゃあ
本当にこの婚約を望んでくれているということ……
「今日のドレスも似合っていて可愛い」
「えっ」
「変なことは言ってない。なぜ驚く」
「だって、今までそんなこと言わなかった」
「言葉にしないと伝わらないと言われた。
今までも誉めようかと思ったけど、肩が出ていたり寒そうだったり、俺が選んでないドレスが似合いすぎているのが悔しかったから言えなかった」
誰ですか?これ
というくらい素直。
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