23 / 168
第二章 〜水晶使いの成長〜
第22話 レッツ・ショッピング!
しおりを挟むん……。朝か……。
今日はショッピングか。
今は6時……。いつも通り目が覚めたか。
目覚し時計が鳴る直前に目が覚めてしまう。
前世じゃ、目覚し時計が鳴っても気づかなかったのになぁ。さてさて、シャワーを浴びてきますかな。
食堂! 人っ子一人いません!
そらそうだ。みんな寝るわな……。
と、食堂の入り口で突っ立っていたら、
「おはよう、ライン。早いね」
「ロイズか。おはよう。そちらさんも相変わらず早いな」
そう挨拶をしたが、
「私もいますよ~」
と、後ろからもう一つ、声がした。
「あ、ノヨもいたのか。おはよう」
「おはようございます、ラインさん」
ロイズよりも小柄だからわからなかったぜ。
「ミルとゴースはまた来るかな」
「時間までまだありますからね」
「ご飯取っておこう。そろそろ時間だから来るはず……」
時間は……25分か。
ちなみに、今は私服を着ている。
大丈夫か、と心配になったが、全員村出身で似たような服だったから、結果的にいろいろ安心だ。
いや、これがこの世界では普通なんだけど。
けどやっぱり、都市に行けば少しシャレオツなのが売ってあるらしい。
村の服は、完全に動きやすさ重視だからな。
農作業があるからそれでいいんだけど、今は違うからな。
「──おはよう」
「……おはよう」
ミルとゴースが来た。ゴースは相変わらずの寝ぼけ眼だ。起きてんのか?
「「おはよう」」
今日のオレのメニュー。
毎朝お馴染みのパン。いつもより1つ多くして、4つだ! 野菜スープ。以上!! あ、あと牛乳な。
かなり少なめだ。
みんなも同じメニューだった。ただの偶然? そうじゃない。
理由はただ1つ!! 領都の美味いものをたらふく食べるためだ!!
「「いただきます!!」」
ん~!! 今日も美味~~い!
「食べたら出れますか?」
「オレは大丈夫だ」
「僕とゴースも大丈夫だよ」
「うん、大丈夫」
ちゃんと肩掛けバッグ持ってきてるし。財布も入れたし。
暖かくなってきたから、上に羽織るものは持ってこなかったけど。
パーカーとか売ってないかなぁ。
「じゃあ、7時の便に乗れそうですね」
「帰りは何時頃の予定だ?」
「6時頃にはこちらに戻ってきて、晩ごはんにしたいですね」
そこにロイズさらに質問を重ねた。
「どこを見る予定?」
「私は服屋を覗きたいな、と。皆さんはどうですか?」
「オレは、同じく服屋。あと、本屋が見たいかな。三賢者とかについて知りたいし、物語も読んでみたいしな」
「三賢者に関しては、授業でも習うよ? そのあとでもいいんじゃない?」
授業でやるのか。それほど重要なのか。
「そうか。でも、物語もいいのがあれば買いたいから、優先順位は低くて構わない」
三賢者が書いたもの、三賢者に関する記述があれば見たかったが、いいか。
「僕は特に見たいところはないね。ゴースも何も言ってなかったし。だよね、ゴース?」
「……ああ。俺も服買いたい」
「私は特に……。ただ、いろいろ食べたい」
ゴース、まだ目覚めないか。
ロイズは意外と食べることが好きなんだろうな。朝からよく食べるし。
「──あ、オレ、食材を少し買いたかったんだ」
「なんで?」
「なにかしら作ってみたくてな。せっかく部屋にキッチンがあるんだし」
「必要なものはある程度なら、寮の入り口にある紙に書いて出せば、届くよ? まあ、品物は限られているから、そこにないものは買うしかないけど」
ミルがよく知っているのか、オレが知らないだけなのか……。
「あ、でも、作り方わかんねぇや」
「……何を作るつもりだった?」
「間食とかだな」
できれば、ケーキとかプリンとか作ってみたかったんだが。
よくよく考えれば、作り方しらないんだよな。三賢者よ、この世界におやつの作り方を残していてくれ!
朝ごはんを食べ、今は学校の正門を出たところにある、馬車乗り場にいる。
時刻は6時55分。
「たしか、3番の馬車ですから……」
「──あれだな」
目当ての馬車を見つけた。
大抵の馬車は、領都が終点だ。3番の馬車は領都直行便。
領都の他に、いろんな村に行く馬車も多くある。
領都までは徒歩1、2時間だが、馬車に乗ればたったの20分で着く。
馬車を引くのは馬ではない。
馬という名で呼ばれてはいるが、正式名称はアヌース。見た目はほとんど馬だけどな。馬よりも小さい。
でも、馬力は馬以上っぽい。だって、1頭で馬車1つ引けるんだ。
馬車1つで、およそ20人乗れる。
そう考えれば、アヌースという生き物がどれほど凄いのかわかる。徒歩1時間の距離を10分で駆ける。車と同じくらいか?
馬車に乗り、20分後。オレたちはようやく領都に入った。
領都は城壁に囲まれていた。冒険者学校みたいに、山や森に面している場所だけ……ではなく、全方位が囲まれていた。
門の前で馬車を降り、検問を突破して、ようやく領都に入ることができた。
検問は、武器の類がないか調べられただけだった。
「ここが領都かぁ」
「人が多いですね」
「こんなたくさんの人、初めて見た」
見渡す限り、人……人……人!
そう言えば、村の冒険者たちのホームがここだったな。今日は日曜だから、ここにはいないか。
にしても、こんなに人がいるとは。
開店、新装直後の大型ショッピングモールぐらいかな?
「まずは、服を見に行くか?」
「そうだね」
「服屋は、おすすめの店を冒険者の人に教えてもらいました。そこでいいですか?」
「問題ない。」
「俺もそれで構わない」
ノヨに案内された店は、とても大きかった。
2階建てと低めだが、使用している土地が多い。冒険者学校の体育館ぐらいか? いや、それより広そうだ。
「でかいなぁ」
「体育館の半分ほどの面積があるそうですよ。はい、地図です」
この店が1番大きい。けど、それ以前に領都が広すぎる!
……いや、領主の館が1番大きい。この服屋も大概だけどさ。
「領都広!」
「村いくつ入るんでしょうか?」
「王都はもっと大きいと聞く」
領都何ヘクタールあるんだよ? いや、キロヘクタールか?
それより広い王都って……。まるで想像がつかない。
「この服屋は、王国最大の服屋で、各地に支部を出店しているんです!」
瞳が……輝きすぎている! 服大好きなんだろうなぁ。女の子らしい……のか? 女の子らしさがわからない。
「では、早速入りましょうか」
本屋の18禁コーナーを思わせるような布の扉をくぐり、中に入った。
入ってすぐに目に入ったのは、大量の服。
この街の人口より多いんじゃないか、と思える。それぐらい大量の服がそこにあった。
「いらっしゃいませ。初めてのご来店ですか?」
「はい」
「では、こちらをどうぞ」
そう言って、一人一人に紙が渡された。案内図だった。
ショッピングモールかっての。
「それでは、ごゆっくりどうぞ。何かありましたら、近くの店員に、お気軽にお尋ねください」
えーと……メンズ、レディースで別れてる。
「じゃあ、ここで別れようか」
「それがいい」
「終わったら、『通話』で連絡を取ればいいね」
「目安は、昼前にしておきましょうか」
さてさて、メンズは2階か。
ゴース、ミルと一緒に2階へ行き、服を見ることにした。
向かって左側に靴のコーナー、正面が服(上着)、右側にズボンか。で、斜め右方向に下着コーナーか。
やっぱ、まずは右側でしょ。決めにくいズボンから選ぶ。
「ここからは別々で行動するか?」
「俺はミルといる。こいつ、結構おしゃれだからな。ラインも、自身なければ見てもらったほうがいいんじゃないか?」
「そうなのか!? じゃあ、自分で決めたあとで見てもらうよ」
「ハハ。感覚的に選んでるだけなんだけどなぁ」
ミルよ……。お前、すげぇな。
──と思ったら突然『通話』がかかってきた。
『どうした、ターバ?』
誰からの連絡なのかわかるから、便利だよな。
『ライン、俺今、先生と一緒なんだけどさ』
『うん。それで?』
『明日、貸出用の武器を使うらしいんだけど、ラインの武器は弓と棍でいいかってさ』
『ああ、それでいい。ただ、矢はいらないって伝えてくれ』
『わかった』
矢は自分で作ればいい。
というより、自分で作った、水晶の矢の方が威力が高いし、硬いし。
細工もできるしな。
『それと、これは別件なんだけどさ。明日、参加する5人で朝飯を食べようと思うんだけど』
『もちろん、構わない。それより、そうしようと思って、夕方にでも提案しようと思ってた』
『時間は、6時でいいか? 時間の変更があって、集合は第一体育館前に、7時になったから』
『わかった、ありがとな』
プツッと、『通話』が切れた。
時間の変更……か。まあ、明日は1日いないって、4人には伝えたから別にいいんだが。
時間を前日に変更……それも早めるって、どうなんだ?
少々思うところがないこともない。
「終わったか?」
「ああ、待たせたな。明日の事で、ちょっとな」
「そうか。さて、それじゃあズボンコーナーを見に行こうぜ!」
0
あなたにおすすめの小説
《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる