戦闘狂の水晶使い、最強の更に先へ

真輪月

文字の大きさ
36 / 168
第二章 〜水晶使いの成長〜

第35話  水曜日

しおりを挟む

 今日の1時間目はトレーニングか。
 4階のトレーニング教室に移動する。場所は、3階の柔軟の教室の真上だ。

「今日のトレーニングの授業、なにすると思う?」
「柔軟、回避とは別に授業があるってことは、それらとは違うこと……。でも、4組のやつに聞いたんだけど、4組も月曜、火曜で柔軟と回避は終わらせるらしい。だから、軽い模擬戦みたいなやつなんじゃないか?」
「あ~、柔軟と回避の応用みたいな?」
「そうだと思うけどねぇ」

 はっきり言って、わからない。

 4組のやつ、とは、ゴース、ミル、ロイズ、ノヨの4人のことだ。

「ターバは友達からなんか聞いてない?」
「……聞いた」
「で、なんて?」
「え……と……そいつも……4組なんだよな」

 なんやね~~ん! 被ってんのかいな。
 まあいいや。更衣室に向かうとしようか。

 体操服は置きっぱなしの人もいるし、数日に一度持って帰る人もいるし、毎日持って帰る人もいる。
 オレは毎日持って帰る人だ。毎日洗濯してる。

 悪天候で洗濯物が乾かなかったらどうするかって? 生活魔術があるじゃないか。

 生活魔術『水滴ドロップ』。範囲内の水を操作する魔法だ。
 その範囲に洗濯物を入れれば、洗濯物の水分を操作できる。

 まあ、あくまで操作・・なわけで。
 水が移動するだけだから、近くにバケツを置いとく必要があるんだけど。
 ベランダの外に出したら……下に人がいたらアウトか。ご近所トラブルは避けるべし!



 え~と、トレーニング教室は……。

「ここか」

 お邪魔しま~~す。はい。なんにもない!
 もうこれは、機材を全部退かした柔軟の教室だな。
 


「はい、ではトレーニングの授業を始めましょうか。トレーニングの授業では、まず最初に体操、次に軽く筋トレです。筋トレは、腕立て伏せ20、腹筋20、背筋20の順番です。長期休暇が終わる度に、5回ずつ増えていきますからね」

 長期休暇が終わる度に5回ずつ増える……。夏休み明けには25回ずつに、冬休み明けには30回ずつ……って具合か。

 まあ、20回ぐらい余裕だろ。
 前世じゃ、腕立て20回と背筋20回は余裕だったが、腹筋が周りより遅かったな。見た目の筋肉は周りよりついてたんだけど。

 腕立ては周りが20回やってるときに25回はできたな。
 背筋は周りと同じか、1、2回多かったか。

 けど腹筋がなぁ。周りが20回やったとき、オレは15回だっからなぁ。
 こっちじゃ、かなり筋肉ついてるから余裕だろうけど……腹筋はやらなかったんだよな。プランクならやったけど。
 あの、体幹トレーニング。



「──19……20!」

 背筋20回終了っと!
 遠距離型の奴らには少し厳しいのかな? 先生の掛け声はそんなに速いというわけではなかったけど。
 オレには関係ないから知らねっと!

 これからちゃんとやっていけば、楽になるさ。
 ……あ、回数増えてくから、楽にはならねぇか。

 でも、近接型の女子は大半が余裕そうだ。特にヤマル。

「はい、では授業に入っていきましょう。トレーニングの授業は、言ってしまえば筋トレです」

 組手とかはなし、と。
 まあ、筋トレは大事だ。

 でも、実戦で使えないと意味はない。ただそこにあるだけの筋肉は、最悪の足枷だ。
 だから、組手をしながら筋肉をつけるのがいいと思うんだよ。戦いで使う筋肉が育つから。

「ちなみに、遠距離型のみなさんも同じことをやりますよ」

 まあ、1年生でやることなんて、基礎の基礎だろうからな。
 遠距離型もできないとおかしいやつなんだろ。

「とりあえず、二人一組になってください」

 二人一組ってのは、昨日のやつでいいんだよな。

「はい。では、片方の人が足を肩幅ぐらいに開いて立ってください。そしてもう一人は、両足を掴んで、足と足の間に顔を入れて寝転がってください。そこからは簡単です。両足を揃えて上げ、それを立っている人が掴み、倒します。このとき、足が地面につかない、ギリギリの位置に来るようにしてください。そして、倒す向きは、正面、右、左と繰り返してください。とりあえず、これを1セットとして、一人10セットやりましょうか」

 ちょっと待て。情報が少し多いな。手本見せてくれや手本をよ。

「……ターバ、わかったか?」
「ん? なんとなく」
「じゃ、ターバが最初やってくれや」
「おお、いいよ。合ってるか知らんけど」

 ほうほう。ほうほう。なるほどなるほど……。

「お、ターバくん、ラインくん。正解です」

 他の奴らはわかっていなかった、と。
 理解できてたのはターバだけか。うんうん。とりあえずさ。みんな、こっちを見るのはやめようか。

 そんな思いが伝わったのか、各自筋トレに戻った。



「よし、次のセットで終わり! 頑張れライン!」
「おう! 余裕だ! 倍はいけるな」

 事実、余裕だった。
 にしても、こんな筋トレ初めてだ。この世界独自の筋トレ方法か?

 この方法だと合法的に他人のパンツ見れるな。
 きっと、どこかの変態が生み出したに違いない。



 それから数分後。
 ほとんどのペアが規定のセット数を終わらせ、休んでいた。

 全員が最後までやり終えないと、次に進まないらしい。
 あと少しかな? これでまだ1セット目です、とか言われたらさすがに次に進むだろうけど。
 ……あ、終わったらしい。



 少し休憩時間があり、ようやく次の段階に進みそうだ。もう1時間目の3分の1が過ぎた。





 ふ~~。やっと午前の授業が終わった。

 2時間目の最後30分で、手押し車のリレーをしたのは楽しかったなぁ。
 オレ、優勝。  
 前世でも、手押し車はメチャメチャ得意だったからな。感覚なんとなく残ってるからな。
 その感覚と、今世の筋肉。この2つが組み合わさり、クラス最高速度の手押し車が完成したのだった。
 まあ、手押し車がいくら速くても何かあるわけではない。

 柔軟の授業では、開脚は150度までいけた。重力のサポートがあって、だけどな。
 片足を地面に着け、もう片方を上げる場合、最高で110度だった。

 なあ……。ターバは何度までいったと思う?

 ……なんと、あの器具を使った状態で180度近く、片足上げでおよそ140度。
 ちなみに、ヤマルもそんぐらいだった。いや、オレも柔らかい方だったんだけどさ。



 今日の弁当は……おむすび弁当か。美味しくいただきましょう。
 おむすびでっか!! おかず少ね!!

 と、思ったけど、食べてみるとその感想は適当ではないとわかった。
 なぜなら、おむすびの中に具材がたくさん入っていたからだ。
 きゅうりや唐揚げマヨまであった。おかずには、卵焼きとかいろいろ。





 次は武術学習か。
 3階の武術学習教室に移動し、指定された席に着いた。

「この授業は、やることはいたって単純です。明日、武術基礎がありますよね? そして、魔術学習もあります。そしてその次の日には、魔術基礎があります。つまり……わかりますね?」

 なるほどな。
 理論で学び、実践する。そうすることで、より一層理解できる。体でも、頭でも理解するということか。
 まあ、体で理解と言っても、結局頭が瞬時に命令を下しているだけなんだけど。
 条件反射に似てるものか。



 この授業では教科書がある。
 いろいろな武器防具の構え方、簡単な使い方が載せられている。
 もちろん、素手での状態のものもあれば、かなり特殊な武器の使い方まで、幅広く載っている。
 攻撃方法だけではなく、防御方法まで。

 ただ、細かく分類されてはいない。
 例えば、ひとえに剣と言っても、両手剣、片手剣、両刃剣、片刃剣、重さに長さなど、細かい違いがある。
 両手剣と片手剣は別々だが、そこからは別れていない。だが、その理由はすぐにわかった。

「……2番目以降の動作が記されていないな」

 通常、攻撃は一撃だけで終わることはない。
 一撃目は寧ろ、避けられる可能性が高いから。
 そのため、一撃目は大抵、ニ撃目に繋がりやすいものとなる。ターバが模範的だな。

 この教科書に書かれているのは基本の動作だからいいんだけど。
 連撃ができても、斬れなきゃ意味ないしな。
 ここに書かれていることを組み合わせて連撃を編み出す。

「はい、今日は基本中の基本、武器を持っていない状態での戦い方を学びます。夏休みに入るまではこの単元です」

 う~ん。魔術師にとって、どう意味があるのか、少し考えた。
 考えた結果、2つの答えを導き出した。

 近接型の相手と戦うとき、相手がどう動くか予想を立てる、という点。
 あれはフェイントだな、とか。

 それと、防御方法もやるらしいし、ダメージの軽減を図る、という点。 



 魔術学習、魔術基礎では、立場が逆転するな。
 オレはどっちもできるから関係ない。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

処理中です...