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35 私の決意
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『今は引くが、必ずまたここに来るからな!』バーナードはそう言って帰っていった。
ムンババ大使はバーナードが出て行くまでずっと一緒にいて下さった。
ミラは憔悴しきっている。
なんとか彼女をなだめ、私はバーナードから逃げるために王宮へ行くと告げた。
必ず手紙を書くからと言い、困ったことがあれば連絡する、ステラに任せれば私は大丈夫だと説得した。
それからムンババ大使と二人だけで話がしたいからと、彼女に席を外してもらった。
◇
私は大使に、迷惑をかけたことを謝り、助かりましたとお礼を言った。
「ムンババ大使がいて下さったおかげで、彼も無茶をせずに、帰ってくれたのだと思います」
ムンババ様は頷いた。
「彼は自己愛が強いタイプだな」
昔のバーナードは違った。
もっと領主らしく、正義感に溢れ指導力や統率力に長けた、能力のある人だった。
「君がかなり困った様子だったのでここにいたが、彼をこのままにしていると危険だ」
バーナードの憤った姿を目の当たりにした。
「私は彼にとって元妻ではなく、敵になってしまったようです」
「逃げるのが一番だが……やっかいだな」
関わらないようにしたいが、彼が追ってくる。そして話は通じない。
私は正当な方法で離婚していない。それが今、自分自身の首を絞めている。
そしてお腹に彼の子供がいる。自分一人の体ではないから無茶はできない。
だからといって、関係のない皆を巻き込むわけにはいかない。
「ムンババ大使。先程のステラの話ですが、ステラから私のことを、どこまでお聞きになっていますか?」
「王太子妃からは、君が友人で、離婚してこの国に来ていると聞いた。自分は簡単に王宮から外に出られないから、ソフィアの様子を知らせて欲しいと頼まれた」
「そうですか」
お腹の子供のことはステラから聞いていないということだろう。
「面接の時、大使は確か『ご主人はどうしているか』とお尋ねになりました」
彼はフッと苦笑いした。
「すまないな。君にその質問をして、どう答えるかで、訳があるのかどうかを判断した。子供がいるが離婚している。そして私にそのことを正直に話さなかった。確か、この子の父親は外国にいると言っていたな」
「申し訳ありませんでした。正直に話せませんでした」
「つまり話せなかったということは、理由があるということだ」
私は黙ってしまう。全てを彼に話してしまっていいのだろうか。
考え込んでしまい、気まずい沈黙が続く。ムンババ様はその沈黙を埋めようとはしなかった。
時間が過ぎる。
「大丈夫だ。私は待っているから、ゆっくり考えて説明してほしい」
彼は急かさず、そう一声かけてくれた。
ムンババ大使は、感情に振り回されず、周りを思いやることができる大人な男性だ。
私は意を決し、話し始めた。
今までにあったこと、問題や恥ずかしい話も包み隠さず伝えた。
彼はまっすぐ私を見て真剣に話を聞いた。
「……そうか」
彼は相槌を打った。
「ソフィア。君がとった行動は、その時の精一杯だったんだろう。それが間違っていたかどうかを考えるより、この先どうするかを決めるのが先だな」
「はい」
「君は、先程バーナードの目の前で、侍女を祖国へ帰すと言った。わざとあの場で、言ったのではないかと思ったのだが……」
発する言葉の裏側にある本質を、彼は聞き分けていたようだ。
「今回私の居場所が特定された原因は、ミラです。彼女は私を大切に思ってくれています。けれど嘘がつけない。ですから敢えてバーナードの前でミラを国へ帰すと言いました」
「彼女が国へ帰れば、これから先の君の情報が外部に漏れないと考えたんだな」
今後ミラから情報が得られないと思えば、彼女は用済みになるだろう。ミラは彼女の実家へ帰そう。
今まで尽くしてくれた感謝は忘れない。
今後彼女が生活していくのに十分な謝礼を渡そう。
共に過ごしてきた侍女に首宣告をする酷い主人だろう。
けれどミラと一緒に行動するのはハイリスクだ。
「情報が漏れないようにする為と言いますか……」
正しくは情報を錯綜させるつもりだった。漏れても大丈夫な状況にする。
私は話を変えた。
「ムンババ大使が先ほど言われた、ステラが私を王宮に呼んでいるという話は事実ではないでしょう」
大使は、おやっ?という風に少し驚いた顔を見せる。
「すまない。あの場で彼を引き下がらせるいい手段が他に思いつかなかった」
やはりそうかと頷きムンババ大使の説明を待った。
「王宮だったら、彼は簡単に中には入れない。それに君は慈善事業で母子の為の施設を立ち上げたと聞いている。この国にも今後、必要になる良い施設だと思う。実際ステラ妃も母子施設の建設を考えていらっしゃる」
確かに慈善事業は王室の仕事の一つだ。でも、妊婦で平民で他国の国民だった私を、王宮に住まわせることは難しいだろう。
「ありがとうございます。けれど今、私はそのような大きな仕事ができる体ではありません。ステラが概要を知っているので、本当に必要ならば、彼女が慈善活動の一環としてすると思います」
「そう……なのだろうが。まぁ、そうだな」
「女性のための基金を立ち上げたり、マザーハウスに全面的に協力してくれていたのは、他でもないステラですから」
ムンババ様は眉間にしわを寄せ「王太子殿下がその考えに納得すればいいが」と呟いた。
王太子とステラの夫婦関係に、なにか含むところがありそうだと思った。
けれど王室の詳しい内情を外部に漏らすことはできないだろう。
「ステラにも手紙を書きます。落ち着いたら皆にも連絡します」
「落ち着いたら?」
「私は王宮へは行きません。この国を出ます」
彼は私の言葉にハッとする。
「それは、良い考えではない。まず、ステラ妃に相談すべきだ」
ムンババ大使は早まった行動をとるなと言いたげだった。
「ステラの……王太子妃のお立場を考えてのことです」
彼は険しい表情だったが、しばらく考えている。
「王宮へ行くと言ったのは、ミラとバーナードにステラ様の傍にいると思わせるためか」
「はい。そうです」
「……だが、行く当てはあるのか?」
『行く当ては……ない』
けれど私は「あります」とムンババ大使に頷いた。
私はもう誰にも迷惑をかけず、私一人で行動しようと決意していた。
「大使。お世話になりました。本当にありがとうございました」
そして私は深く頭を下げた。
母親になるということは強くなるということだ。
私は必要最低限の荷物を鞄につめ、ステラから離婚を決意した時に貰った大事な宝石を握りしめる。
これがあれば何とか生きられるだろう。
そして思い切りよく立ち上がった。
私はお腹の子と一緒に絶対に幸せになってみせる。
ミラは嘘がつけない正直者だ。だからもし、国に帰って彼女が私の居場所を聞かれたら王宮だというだろう。
彼女が事実だと思っていることがフェイクなら、きっと相手は混乱する。
余計なことを深読みさせて相手を欺き、絶対バーナードから逃げ切ってみせる。
私は、完全に皆の前から消息を絶つ。
ムンババ大使はバーナードが出て行くまでずっと一緒にいて下さった。
ミラは憔悴しきっている。
なんとか彼女をなだめ、私はバーナードから逃げるために王宮へ行くと告げた。
必ず手紙を書くからと言い、困ったことがあれば連絡する、ステラに任せれば私は大丈夫だと説得した。
それからムンババ大使と二人だけで話がしたいからと、彼女に席を外してもらった。
◇
私は大使に、迷惑をかけたことを謝り、助かりましたとお礼を言った。
「ムンババ大使がいて下さったおかげで、彼も無茶をせずに、帰ってくれたのだと思います」
ムンババ様は頷いた。
「彼は自己愛が強いタイプだな」
昔のバーナードは違った。
もっと領主らしく、正義感に溢れ指導力や統率力に長けた、能力のある人だった。
「君がかなり困った様子だったのでここにいたが、彼をこのままにしていると危険だ」
バーナードの憤った姿を目の当たりにした。
「私は彼にとって元妻ではなく、敵になってしまったようです」
「逃げるのが一番だが……やっかいだな」
関わらないようにしたいが、彼が追ってくる。そして話は通じない。
私は正当な方法で離婚していない。それが今、自分自身の首を絞めている。
そしてお腹に彼の子供がいる。自分一人の体ではないから無茶はできない。
だからといって、関係のない皆を巻き込むわけにはいかない。
「ムンババ大使。先程のステラの話ですが、ステラから私のことを、どこまでお聞きになっていますか?」
「王太子妃からは、君が友人で、離婚してこの国に来ていると聞いた。自分は簡単に王宮から外に出られないから、ソフィアの様子を知らせて欲しいと頼まれた」
「そうですか」
お腹の子供のことはステラから聞いていないということだろう。
「面接の時、大使は確か『ご主人はどうしているか』とお尋ねになりました」
彼はフッと苦笑いした。
「すまないな。君にその質問をして、どう答えるかで、訳があるのかどうかを判断した。子供がいるが離婚している。そして私にそのことを正直に話さなかった。確か、この子の父親は外国にいると言っていたな」
「申し訳ありませんでした。正直に話せませんでした」
「つまり話せなかったということは、理由があるということだ」
私は黙ってしまう。全てを彼に話してしまっていいのだろうか。
考え込んでしまい、気まずい沈黙が続く。ムンババ様はその沈黙を埋めようとはしなかった。
時間が過ぎる。
「大丈夫だ。私は待っているから、ゆっくり考えて説明してほしい」
彼は急かさず、そう一声かけてくれた。
ムンババ大使は、感情に振り回されず、周りを思いやることができる大人な男性だ。
私は意を決し、話し始めた。
今までにあったこと、問題や恥ずかしい話も包み隠さず伝えた。
彼はまっすぐ私を見て真剣に話を聞いた。
「……そうか」
彼は相槌を打った。
「ソフィア。君がとった行動は、その時の精一杯だったんだろう。それが間違っていたかどうかを考えるより、この先どうするかを決めるのが先だな」
「はい」
「君は、先程バーナードの目の前で、侍女を祖国へ帰すと言った。わざとあの場で、言ったのではないかと思ったのだが……」
発する言葉の裏側にある本質を、彼は聞き分けていたようだ。
「今回私の居場所が特定された原因は、ミラです。彼女は私を大切に思ってくれています。けれど嘘がつけない。ですから敢えてバーナードの前でミラを国へ帰すと言いました」
「彼女が国へ帰れば、これから先の君の情報が外部に漏れないと考えたんだな」
今後ミラから情報が得られないと思えば、彼女は用済みになるだろう。ミラは彼女の実家へ帰そう。
今まで尽くしてくれた感謝は忘れない。
今後彼女が生活していくのに十分な謝礼を渡そう。
共に過ごしてきた侍女に首宣告をする酷い主人だろう。
けれどミラと一緒に行動するのはハイリスクだ。
「情報が漏れないようにする為と言いますか……」
正しくは情報を錯綜させるつもりだった。漏れても大丈夫な状況にする。
私は話を変えた。
「ムンババ大使が先ほど言われた、ステラが私を王宮に呼んでいるという話は事実ではないでしょう」
大使は、おやっ?という風に少し驚いた顔を見せる。
「すまない。あの場で彼を引き下がらせるいい手段が他に思いつかなかった」
やはりそうかと頷きムンババ大使の説明を待った。
「王宮だったら、彼は簡単に中には入れない。それに君は慈善事業で母子の為の施設を立ち上げたと聞いている。この国にも今後、必要になる良い施設だと思う。実際ステラ妃も母子施設の建設を考えていらっしゃる」
確かに慈善事業は王室の仕事の一つだ。でも、妊婦で平民で他国の国民だった私を、王宮に住まわせることは難しいだろう。
「ありがとうございます。けれど今、私はそのような大きな仕事ができる体ではありません。ステラが概要を知っているので、本当に必要ならば、彼女が慈善活動の一環としてすると思います」
「そう……なのだろうが。まぁ、そうだな」
「女性のための基金を立ち上げたり、マザーハウスに全面的に協力してくれていたのは、他でもないステラですから」
ムンババ様は眉間にしわを寄せ「王太子殿下がその考えに納得すればいいが」と呟いた。
王太子とステラの夫婦関係に、なにか含むところがありそうだと思った。
けれど王室の詳しい内情を外部に漏らすことはできないだろう。
「ステラにも手紙を書きます。落ち着いたら皆にも連絡します」
「落ち着いたら?」
「私は王宮へは行きません。この国を出ます」
彼は私の言葉にハッとする。
「それは、良い考えではない。まず、ステラ妃に相談すべきだ」
ムンババ大使は早まった行動をとるなと言いたげだった。
「ステラの……王太子妃のお立場を考えてのことです」
彼は険しい表情だったが、しばらく考えている。
「王宮へ行くと言ったのは、ミラとバーナードにステラ様の傍にいると思わせるためか」
「はい。そうです」
「……だが、行く当てはあるのか?」
『行く当ては……ない』
けれど私は「あります」とムンババ大使に頷いた。
私はもう誰にも迷惑をかけず、私一人で行動しようと決意していた。
「大使。お世話になりました。本当にありがとうございました」
そして私は深く頭を下げた。
母親になるということは強くなるということだ。
私は必要最低限の荷物を鞄につめ、ステラから離婚を決意した時に貰った大事な宝石を握りしめる。
これがあれば何とか生きられるだろう。
そして思い切りよく立ち上がった。
私はお腹の子と一緒に絶対に幸せになってみせる。
ミラは嘘がつけない正直者だ。だからもし、国に帰って彼女が私の居場所を聞かれたら王宮だというだろう。
彼女が事実だと思っていることがフェイクなら、きっと相手は混乱する。
余計なことを深読みさせて相手を欺き、絶対バーナードから逃げ切ってみせる。
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