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第三章 レンタル道具を指導するおっさん
第35話 アルゾス大統領との面会
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「むぅっ――! で、でかい国だな……」
氷の壁の手前でS級の女性冒険者たちと戦いになりそうだった俺たちだが、聖女に対し怖じ気づかない俺が格上に見えたのか、リーダーの女性が俺に忠誠を誓い、仲間の女性たちも俺に膝をついた。
特に何もしてないのだが、またしても強い味方を得てしまったので、そのまま大所帯でアルゾス共和国へと入国した。
そんな俺たちを出迎えたのは、共和国の補佐官と呼ばれる側近の男たちだ。
「王都からようこそおいでくださいました。アクセル様と御一行さま」
低姿勢で挨拶をされたが、
「……この先で大統領がお待ちです。ですが、面会が許されているのはアクセル様と共和国の聖女、そして賢者でございます」
などと、丁重な案内をしてきたのだが、どういうわけか俺と聖女と猫賢者だけが面会することを許され、残りの彼女たちは補佐官たちによって分けられてしまった。
「……彼女たちも俺の仲間なんだが?」
シャンテとクレアが文句を言い出す間もなく締め出しているが、
「敵意が分かりやすい者がおりましたので、別室で待機して頂きます」
と言って、容赦なく扉を閉められた。
分かりやすい敵意と言われると何とも言えないが、ダークエルフと王女、それとS級冒険者たちとなれば、そう取られても仕方ないか。
そうして俺とアルマ、リミアの三人で共和国の一番偉い人に会うことになったわけだが――
「――アクセルは畏まらず、そのままでいいぜ? 極力失礼のないようにな!」
「アルマはその言葉遣いが失礼じゃないのか?」
「あたしはいいんだよ!」
……などと、相変わらず聖女っぽさを感じずにいる。
「にぁ? どうしてボクも呼ばれているのにぁ?」
寝ぼけているリミアはなぜ自分が呼ばれたのか分かっていないようで、俺に不安そうな顔を見せている。
おそらく賢者というだけだと思うのだがどうだろうか。何度か大層な扉を通り、通されたのは大統領室と書かれた部屋。
そこに座っていたのは意外にも女性の大統領で、しかもどう見ても幼齢な感じの女性だった。
「よく来てくれたのじゃ!」
幼齢というか幼女なのでは?
「むっ? 失礼な! 余はれっきとした淑女なのだぞ! 全く、これだからおっさんは……」
「へ? まさかと思いますが、心の内を読まれたので?」
「そうじゃが?」
「あ、あ~……それは失礼しました」
聖女を輩出してる国だし、特別な力を有してる大統領がいても何らおかしくはないか。
それはそれとして。
「失礼ながら、大統領が俺をこの国に招待したのは何か理由があるからでは?」
「うむ。実はそなたをアルゾスに招いたのは、確認したいことがあるからなのだ」
「何を確かめたいので?」
他を差し置いて俺を呼び出すくらいだ。何か重そうな理由があってのことだと思うが。
「……ここにたどり着くまで、各地の冒険者や旅人がこぞってそなたが扱っている道具で悪さをしている――という話が聞き広がっているのじゃが、それはまことか?」
悪さという程でもなかったが、調子に乗っているのは確かだな。どこかで聞いていた極悪冒険者パーティーには全く遭遇してないが。
「数組ほどは出遭っていますよ。ただ、広がっている話ほど大変な事態になっているわけではないと思いましたがね」
「それはそなたが対処出来る程度のものだったからか?」
「まぁ、そうですねぇ」
聞いていたような冒険者がいたかと思ったら、単なるアライアンスパーティーだったわけだしな。
明らかに強いS級のパーティーに遭遇したが、それもすぐに俺の配下のようなものになってしまったし噂に聞いていた奴らはいなかったに等しい。
よく分からんが、アルゾスの大統領が目の前にいる以上笑っていればいいだけだ。
「……聖女よ。こやつは常にこういう物言いか?」
「いんや? そいつの本性は口の悪いおっさんだぜ? なぁ、アクセル!」
「なっ!? アルマ、お前……大統領に向かって何という口の利き方を!」
こいつ、相手が誰であっても変えられない性格の持ち主か?
「よい。余は堅苦しいのは嫌いじゃ。余も気楽に話す。そうじゃないと、こやつも腹を割って話そうとしないみたいじゃからな。そうじゃろ? リミア」
「そうにぁ。アクセルに遠慮は無用だと思いますにぁ!」
む? リミアといやに親しげだな。
「一応訊くが、大統領とリミアは知り合いか?」
「アルゾスはボクのお友達なのにぁ。この国に助けられたこともあるにぅ」
「ん? なんじゃ? リミアは何も話しておらんのか?」
「ずっと寝てたから話す機会がなかったにぅ」
あまり細かい素性までは気にしてなかったが、リミアは賢者だもんな。聖女の国に出入りしていてもおかしくはない話だ。
大統領と知り合いなら、くだらない噂の真相も含めてさっさと王都に帰りたいものだな。
「そうかそうか。まぁ、そういうことじゃ。リミアとは旧友になるのじゃ。アクセル、お前ともマブダチになってもよいぞ」
「それは遠慮しておく。で、俺のレンタル道具を借りて悪さしてる連中は他にいるのか? あんたがこの国を統べる者なら知ってるはずだ」
実は噂の出所はアルゾス共和国だったり――しないよな?
氷の壁の手前でS級の女性冒険者たちと戦いになりそうだった俺たちだが、聖女に対し怖じ気づかない俺が格上に見えたのか、リーダーの女性が俺に忠誠を誓い、仲間の女性たちも俺に膝をついた。
特に何もしてないのだが、またしても強い味方を得てしまったので、そのまま大所帯でアルゾス共和国へと入国した。
そんな俺たちを出迎えたのは、共和国の補佐官と呼ばれる側近の男たちだ。
「王都からようこそおいでくださいました。アクセル様と御一行さま」
低姿勢で挨拶をされたが、
「……この先で大統領がお待ちです。ですが、面会が許されているのはアクセル様と共和国の聖女、そして賢者でございます」
などと、丁重な案内をしてきたのだが、どういうわけか俺と聖女と猫賢者だけが面会することを許され、残りの彼女たちは補佐官たちによって分けられてしまった。
「……彼女たちも俺の仲間なんだが?」
シャンテとクレアが文句を言い出す間もなく締め出しているが、
「敵意が分かりやすい者がおりましたので、別室で待機して頂きます」
と言って、容赦なく扉を閉められた。
分かりやすい敵意と言われると何とも言えないが、ダークエルフと王女、それとS級冒険者たちとなれば、そう取られても仕方ないか。
そうして俺とアルマ、リミアの三人で共和国の一番偉い人に会うことになったわけだが――
「――アクセルは畏まらず、そのままでいいぜ? 極力失礼のないようにな!」
「アルマはその言葉遣いが失礼じゃないのか?」
「あたしはいいんだよ!」
……などと、相変わらず聖女っぽさを感じずにいる。
「にぁ? どうしてボクも呼ばれているのにぁ?」
寝ぼけているリミアはなぜ自分が呼ばれたのか分かっていないようで、俺に不安そうな顔を見せている。
おそらく賢者というだけだと思うのだがどうだろうか。何度か大層な扉を通り、通されたのは大統領室と書かれた部屋。
そこに座っていたのは意外にも女性の大統領で、しかもどう見ても幼齢な感じの女性だった。
「よく来てくれたのじゃ!」
幼齢というか幼女なのでは?
「むっ? 失礼な! 余はれっきとした淑女なのだぞ! 全く、これだからおっさんは……」
「へ? まさかと思いますが、心の内を読まれたので?」
「そうじゃが?」
「あ、あ~……それは失礼しました」
聖女を輩出してる国だし、特別な力を有してる大統領がいても何らおかしくはないか。
それはそれとして。
「失礼ながら、大統領が俺をこの国に招待したのは何か理由があるからでは?」
「うむ。実はそなたをアルゾスに招いたのは、確認したいことがあるからなのだ」
「何を確かめたいので?」
他を差し置いて俺を呼び出すくらいだ。何か重そうな理由があってのことだと思うが。
「……ここにたどり着くまで、各地の冒険者や旅人がこぞってそなたが扱っている道具で悪さをしている――という話が聞き広がっているのじゃが、それはまことか?」
悪さという程でもなかったが、調子に乗っているのは確かだな。どこかで聞いていた極悪冒険者パーティーには全く遭遇してないが。
「数組ほどは出遭っていますよ。ただ、広がっている話ほど大変な事態になっているわけではないと思いましたがね」
「それはそなたが対処出来る程度のものだったからか?」
「まぁ、そうですねぇ」
聞いていたような冒険者がいたかと思ったら、単なるアライアンスパーティーだったわけだしな。
明らかに強いS級のパーティーに遭遇したが、それもすぐに俺の配下のようなものになってしまったし噂に聞いていた奴らはいなかったに等しい。
よく分からんが、アルゾスの大統領が目の前にいる以上笑っていればいいだけだ。
「……聖女よ。こやつは常にこういう物言いか?」
「いんや? そいつの本性は口の悪いおっさんだぜ? なぁ、アクセル!」
「なっ!? アルマ、お前……大統領に向かって何という口の利き方を!」
こいつ、相手が誰であっても変えられない性格の持ち主か?
「よい。余は堅苦しいのは嫌いじゃ。余も気楽に話す。そうじゃないと、こやつも腹を割って話そうとしないみたいじゃからな。そうじゃろ? リミア」
「そうにぁ。アクセルに遠慮は無用だと思いますにぁ!」
む? リミアといやに親しげだな。
「一応訊くが、大統領とリミアは知り合いか?」
「アルゾスはボクのお友達なのにぁ。この国に助けられたこともあるにぅ」
「ん? なんじゃ? リミアは何も話しておらんのか?」
「ずっと寝てたから話す機会がなかったにぅ」
あまり細かい素性までは気にしてなかったが、リミアは賢者だもんな。聖女の国に出入りしていてもおかしくはない話だ。
大統領と知り合いなら、くだらない噂の真相も含めてさっさと王都に帰りたいものだな。
「そうかそうか。まぁ、そういうことじゃ。リミアとは旧友になるのじゃ。アクセル、お前ともマブダチになってもよいぞ」
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