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3.翠花

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 膝立ちになったカンにいちゃんの両の腿を手で抱えて、上体を起こし気味にしたわたしは彼のおちんちんをじゅぷじゅぷとしゃぶった。カンにいちゃんは木の壁に両手をついて、腰を揺らしてわたしの口にそれを繰り返し突き込む。老朽化した納屋がぎしぎしと揺れる音がした。

「ああ~っ、スイカちゃんの口、すごくあったかい……、気持ちいい……♡」

 カンにいちゃんの下半身は、肉体労働しているだけあってとてもたくましくてがっしりしている。わたしは彼の雄のたくましさを感じながら、すぼめた頬で締め付けて扱き上げた。

 じゅっぽ♡ じゅっぽ♡ じゅっぽ♡ じゅっぽ♡

「スイカちゃんっ、出すよッ、飲んでッ♡ ううっ♡」
「んんぐっ♡」

 どぷっ♡ びゅるるッ♡ ごくん……♡

「はーッ♡ はーッ♡ はーッ……♡」

 わたしはカンにいちゃんの射精に合わせて、それを口で味わっただけでひとりでにまたイった。頭を壁に押し付けられて、おちんちんで串刺しにされたまま、ガニ股に開いた下半身をぴくぴくと震わせているわたし。見上げると、カンにいちゃんは前髪に隠れた目をぎゅっとつぶって喘ぎながら射精の快感を味わっていた。
 かわいそうなカンにいちゃん。神様の食べ残し。

「ぷは……♡ カンにいちゃん。しよ。ゴム、つけてあげるから……♡」

 わたしはカンにいちゃんのおちんちんを綺麗にぺろぺろ掃除してから、まだ勃ちっぱなしのそれに駄菓子みたいな色のゴムの袋を丁寧に被せた。

「来て、カンにいちゃん。翠花のおまんこ、奥まで割って……♡」
「す、スイカちゃんッッ♡♡」

 どん、と突き飛ばすように私を布団に沈めて、カンにいちゃんが迫ってきた。わたしの両足を掴んでぐいっと広げると、勃ちあがったおちんちんの先をわたしの合わせ目に押し付ける。

「す、好きだッッ、スイカちゃんッッッ♡♡♡」

 ごりゅっ! ずりゅりゅりゅりゅッッ!!!! ばすんッ!!!

「ひゃ……、う、ん゛んんッッッ♡♡♡ はあっ……おっ♡♡」

 ぐずぐずに柔らかくなったわたしのおまんこにカンにいちゃんのおちんちんが奥まで突き込まれて、腰とお尻がぶつかって音を立てる。どちらの何の汁かわからない液体がびちゃっと飛び散る。丸くて大きな塊がわたしのお腹の奥をずんと突き刺して、腰全体にきたじぃんとした痺れが背骨を駆けのぼって、わたしの喉の奥から甘い甘い声になって出て行った。

「ふんっ、んんっ、ふっ、ふっ……♡」
「ほぉっ、お゛♡ オ゛ッ♡ はへっ♡ へぅっ♡」

 ばすん、ばすん、ばすん、ばすんっ!

「スイカちゃん! スイカちゃん! スイカちゃん! スイカちゃんッッッ♡♡♡」
「カンに……ちゃッ♡ あふぅうん♡ にい、ちゃ、はあぁんッッ♡♡」

 納屋の中に湿った空気と、男と女の匂いが充満していく。カンにいちゃんの想いのたけが、わたしの体を違うものに変えていくのを感じる。ねえ神様。山の神様。カンにいちゃんの残りはわたしにください。カンにいちゃんの頭ですいか割りを楽しんだ山の神様。ねえ。いいでしょ。あなたの食べ残し、わたしにください。カンにいちゃんだったら、わたし食べ残しだって全部喜んで食べるから……。

「スイカちゃん!!! おれ、スイカちゃんのことお嫁さんにするッ!!! おれのお嫁さんになってっ!!!! スイカちゃんッ! スイカちゃんッ!! スイカちゃんっ!!!!!」
「ああッ……あっあっ♡ あっ♡ あ゛ッ♡ ああ゛ッ、んっんっ、あ゛はァッッ♡♡♡♡ あ゛ーッ♡」
「返事してッ!!! スイカちゃんおれのお嫁さんになってくれるッ??? あーあーじゃわからないよッッ♡♡」

 バンッバンッバンッバンッ!!! どすどすどすどす!!! ずちゅっ! ずちゅっ! ずちゅッ!!!

「ひゃ、め、らぁ……んちゃ……、な……ゆうぅ……♡♡♡」
「わかんないッ!! ちゃんと教えて!!! スイカちゃんは、おれのお嫁さんになるのッッ!!!?」

 腰を打ち付けられるたびに頭の中で火花が舞って、自分がどんな声を出しているのかすらわからなくなっていた。答えは決まっている。あの時だってこうなったのだ。カンにいちゃんとの『すいか割り』が気持ちよすぎて、あいつとのセックスなんかおままごとみたいで、カンにいちゃんのことは忘れたふりしてても、これが忘れられなくって、わたしは……。

「な、りゅう……♡ わらひ……、か……に、ちゃ、の、およめひゃ……な、りゅのぉ……♡ おッ♡ お、んお゛ぉ……♡ はへっ♡ はへッ♡ ひぅ……♡♡」
「やっっっっ………………たぁッッッッ!!!!!!!!!!!」

 ずりゅりゅりゅりゅりゅッッ!!! パァン!!!!!!

「ん゛お゛おぉおおお゛ッッッッ♡♡♡♡ ……おっ……♡♡ ォ……♡♡♡」

 ギュギュっと収縮したわたしの内壁をずるずると抉りながら抜かれたおちんちんが再び思い切り撃ち込まれて、目の前が真っ白になった。再び近視でぼやけた視界が戻ってきたとき、わたしはまだおちんちんを出し入れされながらゆさゆさと揺さぶられていた。

「スイカちゃんスイカちゃんスイカちゃんうれしいうれしいうれしいうれしい、大事にする大事にする一生大事にする……」

 カンにいちゃんはうわごとみたいに繰り返しながらぺちぺちと腰を打ち付けて、わたしのおっぱいをぐにぐにと揉んでいた。もう何をされても気持ちいいだけなので、言葉を手放して、わたしは子宮の入り口をノックされるに任せた。
 わたし、国語の先生になるはずなんだけどなあ……。口から出る声は日本語どころか人間の声ですらない嗚咽で、わたしはその日声が出なくなるまでずっとカンにいちゃんにお嫁にされ続けた。

「暗くなっちゃったね……」

 コホッと咳き込んで呟いた声は、かすれて酷いものだった。腰が抜けて歩けなくなったわたしをおぶって、カンにいちゃんは暗い山道を歩いていた。

「おじいちゃん、心配してるかも……帰ったら怒られちゃうなあ……」
「だいじょうぶ。おれがちゃんとおうちまで送るから」
「ほんとう? 大丈夫? こんなに暗いのに」
「暗くたって大丈夫。おれの足が道を覚えてる……星だって見える。それに、おれはもうスイカちゃんの旦那になるんだから、ちゃんと守る。やくそくするよ」
「そっか……」

 頬を寄せた背中はとても大きい。なんだかとても安心して、わたしは目を閉じる。

「わたしね。教員免許取れたら、こっちで先生になる。それで、カンにいちゃんと一緒に住むね」
「そっか。そしたら毎日すいか割りできるね!!」
「毎日すいか割り? それってどっちのすいか割りのこと?」
「どっちも! 夏は普通のすいか割り、それ以外は内緒のすいか割り! 夏にも内緒のすいか割りする!!」

 嬉しくなってしまったらしいカンにいちゃんは少し早足になる。子供が背負ってるランドセルみたいにわたしはカンにいちゃんの背中で跳ねる。

「もっと優しくしてくれないと、わたし、壊れちゃうよカンにいちゃん……」
「寛」
「え?」
「おれ、寛。もともと年下だし、もう夫婦になる。だからにいちゃんって言わないで、寛って呼んでほしい。……翠花」

 スイカ、すいか、翠花。彼の口から何度も出た三音節だけど、今のそれは特別だった。

「わかった、カン……、寛!」
「翠花! 寛と翠花!! 結婚する!! 夫婦になる!!」
「寛!」
「翠花!」
「寛!」
「翠花! わああああああ!!!! 翠花! おれのお嫁さん!! 翠花ああああ!!!!!!」

 わたしを背中に乗せたまま、カンにいちゃん……寛はその場でぐるぐると回った。

「ちょっと、寛、目が回っちゃう、落ち着いて、もう、寛ったら」

 翠花ちゃあん。遠くで、おじいちゃんの声がする。わたしたちは、まずおじいちゃんに報告するために、夏の夜道を駆けだした。
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