アイドルのマネージャーになったら

はぴたん

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ドラマ撮影

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それから毎日ドラマの撮影が行われた。

撮影のない時間などは違うメンバーの仕事について行く事もあるがほぼ佐々木さんにお願いし、俺は斗哉の撮影メインで動くことになった。

今日も今日とて撮影だ。
今は学生から社会人に変わり、撮影場所も変わった。


「ふぅ疲れたー。
ねぇ、今日ごはん食べに行かない?
咲夜くーん!」

はるひさんと斗哉が話しているのを離れたところでぼーっと見つめていると、突然はるひさんに呼ばれた。
あの日から名前を覚えられた俺はちょくちょくはるひさんに呼ばれる。
その度に松島さんから冷たい視線が飛んでくるので、嬉しいような、控えてほしいような、、

「はい!」

とりあえず待たせてはいけないので、松島さんの視線は無視して駆け寄る。

「ねぇ、この後ごはん食べに行きたいんだけどダメかな?制約とかあったりする?一応アイドルだし。」

「一応って何だよ。」

「特に無いですよ!
プライベートな事はそれぞれに任せてあるので。」

「やったぁ!
行きつけのお店ならすぐ行けると思うから予約してくるね!」

「おい、別に行くって言ってない、」

斗哉の言葉は颯爽と立ち去るはるひさんに届かず、、

「優馬に連絡しておきますね。」

「はぁ、、」

盛大にため息をつく斗哉。
でもこれぐらい強引じゃないとめったに自分から交流しようとしないので、正直はるひさんには感謝している。
しかもメンバー以外で居ないのでは?と思う程数少ない素を出せる相手でもある。このままぜひ仲を深めてほしい。うん。

1人心の中で感謝していると、予約を終えたはるひさんが帰ってきた。

「予約取れたよー!
完全個室だから安心してね!
ばっちり4人で取ったから。」

ん?4人?
2人じゃないんだ、、あと誰が行くんだろう?
監督とか?

「4人って、」

斗哉も疑問に思ったみたいだ。

「んー?
僕たちと咲夜くんと、葵!」

「えっ私もですか?」

急に俺の名前が呼ばれて驚く。

「え?当たり前でしょ。
咲夜くん、来ないつもりだったの?
寂しい事言うねー。」

茶化すように肩をツンツンつついてくる。

「すみません。
でもまさかマネージャーの私が同席する事になるとは思わなくて、」

「何言ってんの!僕たちの仲でしょ?
それに葵もいるし。」

そうだ、先程から呼んでいるその"葵"って誰なんだろう。

「葵さんってどなたでしょうか?
斗哉は知ってますか?」

「いや知らない。」

「ふふっ、葵ーー!!」

大声で急に名前を叫び出すはるひさん。

「もう!大声で下の名前で呼ばないでください!
現場では松島と呼んでくださいと何度言えば分かるんですか!」

顔を真っ赤にした松島さんがはるひさんの元へいそいそと急いで近づいてきてそう言った。

松島さんの名前だったんだ、、
葵って可愛い名前、、

「ちょっと、何?
どうせ似合わないとか思ってるんでしょ!?」

微笑ましく思っただけだが癇に障ったのか、俺の顔を見て松島さんが突っかかってきた。

「いえ、ただ可愛い名前だなぁと思っていただけですよ。」

///「うるさいなぁ!名前負けしてる事くらい知ってるよ!」

誰もそんなこと言ってないでしょ、、
まだ顔の赤みは引かず、真っ赤な顔でキッと睨んでくる松島さんは何だかチワワみたいで少し、ほんの少しだけ可愛いと思った。

「はいはい。葵は可愛いから似合ってるよ?」

はるひさんが宥めるように松島さんの頭を撫でてそう言うとさらに顔が真っ赤になった。
耳まで真っ赤だ。まだ赤くなれたんだ、、

「はぁ。
つまりこの4人で飯って事か。」

「え!?」

「そうそう。」

「そういう事ですか。」

「え!?ちょっと、何の話?」

「斗哉さんとはるひさん、ちょっとよろしいですか?」

松島さんが話についていけず混乱し始めたタイミングで2人が呼ばれてしまい、俺は松島さんと2人取り残されてしまった。

「ねぇ、説明してもらっていい?」

そうなるよね、、うぅお願いだから怒らないでよ、、
内心ビクビクしながら、先程の事を話す。

「ーーなるほど。
分かった。」

それだけ言って去っていった松島さん。
意外と騒ぎ立てることなく納得してくれた。
もっとマネージャーが行くなんて!と言われるかと思った、、




無事撮影が終わり、溝口さんの運転する車にみんなで乗り込みお店まで送ってもらった。

「溝口さん、ありがとうございました!」

「いえいえ。またお迎えの時間が分かったら連絡下さい。」

そう言って優しく微笑んでくれる溝口さん。
ほっこりしながら再度お礼を伝えて、はるひさんを先頭にお店へ入っていく。

「お待ちしておりました!ご案内いたしますね!」

はるひさんに気づくとすぐに店員さんが駆け寄ってきてくれて、席へ案内してくれた。
さすが常連。
メガネと帽子を深く被っていたが、すぐ気づいたようだ。

「こちらになります。」

襖を開けて案内された席は掘りごたつになっていた。
襖を閉めると個室になる仕様だ。

「あの、すみません。
僕たちは別の席が空いていたらそちらに行きたいのですが空いていますか?
全然カウンターでもどこでも大丈夫なのですが、」

はるひさん、斗哉が席に着いたところで急に店員さんにそう告げる松島さん。
僕たちってもしかして俺も入ってる?
聞いてないんですけど、、

「空いておりますよ。カウンターでも、個室ではないですが2人席もございます。」

「では2人席でお願いします。
すみません、ありがとうございます。」

「いえいえ。
かしこまりました。ご案内いたしますね。」

店員さんはそう言って襖を閉めて俺たちを案内してくれた。

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