アイドルのマネージャーになったら

はぴたん

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ドラマ撮影

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監督の合図で演技が始まる。

俺との練習なんて比べ物にならないほど2人の演技は自然で、2人の空気が出来ている、と感動しながら見つめる。
思わず息を止めてしまうほどだ。

何テイクも撮り、その後はエキストラさんも交えて学内の様子も撮る。

斗哉の出番が一旦終わり、休憩に入る。
お弁当と飲み物をスタッフからもらい、斗哉と共に楽屋へ戻る。

「なぁ、ここのシーンなんだけどさ、」

「え、そんな撮影の事ははるひさんと話しなよ。」

「はぁ?
別に相談くらいいいだろ。
咲夜の意見が聞きたいんだよ。」

「、ごめん。分かった。」

俺に撮影の事なんて、と思ったが外の意見も聞きたいのだろう。
せっかく俺に聞いてくれたんだ。
できる範囲で頑張って応えよう。

そう意気込んで、食事をしながら斗哉の相談に乗った。



「ーーーなるほど。」

コンコンッ

「はるひですっ入っていい?」

食事を終えた後も斗哉と話していると、はるひさんが楽屋をノックし尋ねてきた。
大丈夫かな?と視線で斗哉に訴えると、「大丈夫だ。」と小声で言われたのでドアを開けにいく。

「はい!今お開けしますね。」

ガチャッ

「わー、ありがとうございます!
斗哉!ちょっと話したくて、今大丈夫??」

「あぁ、大丈夫。
どうした?」

いつの間にかタメ口で話す2人。
なかよくなってる、、だんだん翼と優に見えてきた、、
そうなると何だか凄い空間にいる事を実感する。
俺は空気、、もしくは俺は壁の一部、、、
2人が話す間そんな事を考えながら現実逃避していると、

「、咲夜はどう思う?」

突然自分の名前が呼ばれて驚く。

「えっ、、えっと、、?」

「聞いてなかったのか?」

少しムッとした表情をしながら斗哉に咎められる。

「あっ、すみません。」

「ここのシーンなんだけど、、ちょっとここに来て。」

「あ、はい!」

はるひさんを招き入れてからずっと壁になろうと隅に立っていたので、台本を指さされても見えない。
その事にいち早く気づいた斗哉が近くに来るよう言ったので、慌てて従う。

「で、ここ。
ここなんだが、はるひはもっと明るく表現した方が良いと思うそうなんだが、俺は少し暗い部分も垣間見えてた方が良いかと思うんだ。
咲夜はどう思う?」

「そうですね、、確かに今後を考えると暗い部分も、と言いたくなりますけど、ここの部分はまさに青春って感じなので最大限に明るさを出して、この後のここ、ここら辺から徐々に暗さ?を出していくのも良いかと思います。
ってすみません、素人なのに喋り過ぎました、、」

「いや、いいと思うよ!
僕は君に賛成だな。」

「なるほどな。
ありがとう。」

「いえいえそんなっ、恐れ多いです、、」

「助かったんだから素直に礼くらい受け取れ。」

そう言って斗哉にわしゃわしゃ頭を撫でられた。

「ふふっ斗哉って普段そんな感じなんだ。」

「え、、あ。」

そうだ、
爽やかキャラで通してたのにすっかり素に戻っている。

「僕はそっちの方が好きだなぁ。
なんかうさんくさかったもん。」

「、、そうか?」

「うん、ふふっ
あ、他のみんなはそんな事思ってないと思うけど。
僕そう言うの敏感なんだー。
ねぇ、僕の前でも素でいてよ。」

「もう猫被れないだろ。」

「確かにそうだね。」

ふふっと見つめるはるひさんと、照れるようにはにかむ斗哉。
あぁこの雰囲気、、また翼と優だ、、
2人を見つめながらほっこりしていると、目の前にぬんっと顔がでてきた。

「わっ、」

「ふふっねぇ、君は斗哉のマネージャーさん?」

「あ、はい!マネージャーの冴島です!」

「冴島、確か咲夜くん?」

「はいそうです!」

「うん!覚えた。
咲夜くんもこれからもよろしくね?」

にっこり人懐っこい笑顔でそう言われたが、こんな事が松島さんにバレたら、、と内心ヒヤヒヤしながら引きつった笑顔で「はい。」と返事をした。

「大丈夫?顔色悪そうだけど?」

「咲夜、こっち見ろ。」

「え、いや、大丈夫です。」

「水分摂ったか?これ飲んどけ。」

そう言ってペットボトルの水を差し出してくれる斗哉。
実はこれははるひさんのマネージャーの松島さんに怯えているだけです、、なんて言えず、お礼を言って素直に受け取った。


コンコンッ

「東城はるひのマネージャーの松島です。
こちらにはるひがいると伺ってきました。」

噂をすれば、!!
思わず水を吹き出しそうになったのを何とか堪えて飲み込み、ドアを見つめる。

「あー、僕を呼びに来たのかな。
じゃあまた後でね!
咲夜くんも、またね!」

そう言いながらひらひらと手を振りドアへ向かうはるひさん。

ガチャッ

「お待たせー!」

「はるひさん!もう出番きますよっ!」

「ごめんってー、話し込んじゃってさ、」バタンッ

閉まる直前、松島さんと目が合い睨まれた気がするっっ
ブルッ
怖すぎる、、と思わず両腕を摩っていると、「寒いか?」と斗哉に聞かれてしまった。

「いや、寒くは、「こっちに来い。」

寒くは無い。と答えようとしたが遮られて呼ばれた。
もちろんまた素直に従うと、グイッと腰を引き寄せられ、座っていた斗哉の膝に乗ってしまった。

「えっわ!ちょっと離して!
重たいでしょ?」

大事な斗哉の太ももを潰してしまうなんて!と慌てて降りようとするが腰に回った斗哉の腕が阻止してくる。

「寒いんだろ。いいからジッとしろ。」

「寒くない!もう全然寒くない!
む、むしろ暑いくらい、」

斗哉の熱やら恥ずかしさやらで寒さのかけらもなく、むしろ暑い。

「寒くないなら良かった。
でも安心するからしばらくこのままはダメか?」

「ダッ、、メ、じゃないけど、、」

ダメ!と言おうと振り返ったが、子犬みたいな目で見つめられ、そんな事言えなかった。
斗哉、そんな目も出来たのか、、
くぅ、、さすが俳優、、


結局、出番だと呼ばれるまで俺は斗哉の膝を占領してしまった。


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