無頓着な彼は。

はぴたん

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ぐいぐい引っ張られ気づくとグラウンドを出てどこかの空き教室に連れてこられた。


バン!


いつものごとくドアに押し付けられた。


「何勝手に脱がされてんだよ。
勝手に脱いだらどうなるか、、言ったよな?」

「いや、チャックを開けられただけで、脱がされた訳では、、んん、、」
話している途中なのに唇を押し付けられて何も言えなくなる。


息継ぎのタイミングで舌も入ってきた。


「や、、んん、、やぁ、、、ん、ふぁ」

ビクッ
腰がゾワゾワっとする。


チラッと下を見ると、いつの間にやらチャックは開けられ傑先輩の大きな手が腰に直に触れている。


舌の動きと共に、手もさわさわと動く。


パサッ


腰の手は動いたまま、反対の手で器用に俺のジャージを脱がし床に捨てた。


立っていられなくなりそうで、思わず傑先輩のシャツを掴む。

すると空いた手を後頭部に入れ、さらに密着する。


息ができない、、
涙も溢れそうになりながら訴える。


チュッと音を立てながら、やっと離れた。


「はぁ、はぁ、、」
何とか息を整えていると、

「鼻で息しろ。」
そう言いながら腰に手を回し抱きしめながら、下唇をはむはむしてくる。

あまい雰囲気に顔が赤くなる。



「ひゃ、やぁんん、、ちょっと!腰触るのやめてください。」
急に腰の愛撫が再開する。

「あ?感じてんだろ。」
ニヤッと笑いながらさわさわ触るのをやめない傑先輩。

「や、、んん、やぁ、、、やめてってば!」


「やめてほしいなら、お前からキスしろよ。」

「え、、やだ。」


「、、、やだ、、いいな。」
ボソボソ呟いていてよく聞こえない。


「やだならやめない。」

そう言ってまた触ってくる。

ツツーッと下から上に撫でられる。

「ふぁ、、ひゃん、、んん。
うう、、分かったから、、。」

我慢できずにそう言ってしまった。


嬉しそうに手の動きを止め、
目をつぶり、ん。と顔を寄せる傑先輩。

意外と可愛い。


俺の前で無防備にする傑先輩を見たのが初めてで新鮮で嬉しい。

思わずじっと見つめていると、


バタバタバタッ


「恭!!どこだ!?
おい!!」

要の叫び声が聞こえてきた。
要の大きな声を聞くのは初めてだったので、ドキッとする。


「チッ
続きはまた今度な。」

頭をぽんと撫でて、窓から颯爽と出ていく傑先輩。

ぼーっと見送っていると、


バン!!!


俺がいる方とは逆側のドアが力任せに開いた。


「恭!!
、、、お前、なんでジャージ脱いでんだよ。」


拾って渡される。


「それは、、///」

脱がされた事を思い出し、顔が赤くなる。


「なんだよその顔。
あいつに引っ張られてったけど、もしかしてなんかされたか?」

「え!、いや別に何もされてないよ。」
いかにも何かされたって顔をしている事に俺は気づかない。


「、、ほんとに?」

「うん、、ん。」

頷き顔を見上げると同時にキスされた。

驚いて目を見開き見つめる。

すぐ唇は離れ、「こんな事も?」と聞かれる。

あまりに熱の篭った瞳なので嘘をつくのはなんだか申し訳ないきもちになるが、

「うん。」と頷いた。


「はぁ、そうか。分かった。
急にごめんな、とりあえず着替えろ。」

そう言って紙袋を渡してくる。


中を見ると俺がずっと着たかった、最初に着ていた体操服とジャージだ。


「え、これ!ありがと、要。」

「もらってきた。早く着替えろ。」

「うん。」

そう言ったがじーっと要が見つめてくるので着替えにくい。

「ほら、早く。」

急かしてくるし、男同士だからな、と思い直し着ている衣装を脱いでいく。

全て着終えるまで、なんだか緊張して最後はジャージのチャックを上まで閉めた。


「よし、行くぞ。」

そう言って今度は要に腕を引かれながら教室を後にする。


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