無頓着な彼は。

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「きょうちゃんはやくはやく～！」
大智先輩が隣をぽんぽんしながら急かす。

「お待たせしました。」
そう言いながら、トレイに乗っていた大智先輩と夕先輩の分のお茶をそれぞれの前に置き自分の分を大智先輩の横に置いて座った。


「よし！じゃあ食べよ～！いただきま～す！
ねえ！これ食べて！」
いただきますを言いながら手を伸ばし、すぐに1つのチョコを手に取った大智先輩が俺の口の前まで持ってくる。

勢いのまま口を開けるとチョコが入れられる。

ぶわっと甘いチョコが口いっぱいに広がり、思わずうっとりしてしまう。

「これだから餌付けしたくなっちゃうんだよなぁ～ 」
と大智先輩がにっこり笑顔で俺を見つめながらつぶやく。


「めちゃくちゃ美味しいです！」

「ふふふっそうでしょ～もっと食べて～！
そうだなぁ、これもおすすめ！」
そう言いながらまたチョコを口の前に持ってくる大智先輩。

自分で食べられるのに、、と思いながらも我慢出来ず口を開く。

カリッと噛めば中からキャラメルが！
さらにうっとりしてしまう、、

「んん～！キャラメルが出てきました！」

「美味しいでしょ～？
後はね～ 」「「きょうちゃんきょうちゃん！！」」
「これもー！」「これも！」
「「美味しいよー！！」」
大智先輩を空先輩が押しのけつつ、逆側には海先輩が勢いよくやって来た。
2人ともそれぞれ別のチョコを手に持ってきている。


「はいあーん！」
そう言いながら海先輩が口元にチョコを持ってきてくれたので、ぱくっとまた食べた。

今度はストロベリーだ！
しっとりとしたストロベリー味のチョコ、、

「イチゴ味も美味しいです！」

「そうでしょ！そうでしょ！」
キラキラした目で俺を見上げる海先輩。可愛い。


「僕のも！！ほら口開けて！」
大智先輩はどこへやら、いつの間にか隣に座っていた空先輩がチョコを差し出してくる。
言われるがまま口を開きぱくりっ

うわぁ！今度はナッツ！
これはマカダミアかな？

「んー！食べ応えがあっておいしー！」

「マカダミアだよっ僕好きなんだぁ！
美味しいでしょ！」
空先輩もキラキラな目でにっこり笑っている。
嬉しそうだ。


4連続チョコで甘くなった口の中。
苦めの紅茶で潤すのもまた幸せ、、


思わず目を瞑りうっとり余韻を感じる。


そんな俺をまさかみんなが手を止めて優しい目で見つめているなんて知るはずも無かった。