無頓着な彼は。

はぴたん

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「おいしかったー!」

「オムライスにして正解だったね!」
海先輩と空先輩が嬉しそうにそう言ってくれる。

「良かったです!」
事前に全て試食させてもらったので、美味しさは俺も知っている。
分かってもらえてとても嬉しい。


「ねぇねぇ、じゃあデザートは?
どれがおすすめ?」
大智先輩が身を乗り出しながらそう聞いてきた。

「デザートですか、うーん。
パフェもおすすめですし、プリンも硬めで美味しいんです。でもやっぱりパンケーキ、、んー、、」

「ほんと好きだねぇ、甘いもの。
悩んでるきょうちゃんが1番可愛くて美味しそう。」

「え?今なんて、「あ!いた!おいお前らこんなとこで何やってんだよ!」

急に叫び声が聞こえ、ドカドカと教室に入ってくる。

「何ってごはんと~きょうちゃん愛でに来たの!
ね~?」

「「そうそう!」」

「そうそうじゃねぇよ、あとお前らだけだぞ!早く来い!」
3人に物怖じせずに迫っている。

「え~出番まだじゃん。」

「そーだそーだ!」

「あとデザート食べなきゃなの!」

「あぁ?
出番前にリハするって言っただろ!
みんな待ってるから!行くぞ!」

「「「えぇ~!」」」
嫌そうな3人だが腕を引っ張り無理やり立たせている。
多分クラスメイトの人なのかな。

そう言えば先輩達のクラスは劇をやるから観に行く約束をしていたので、そのリハーサルがあるのかな。

「あの!先輩、」
頑張ってください。と言おうとしたが、

「あぁ、もしかしてこいつらのお会計まだだっ、、天使。」

「え、あの、、??」
さっきまでの威勢はどこへやら、急に固まってしまった先輩に戸惑う。

「あっごめんね!
ここで払ってもいい?」
大智先輩が固まってしまった先輩を押しのけてささっと支払ってくれた。

「あ、あの!俺観に行くので頑張ってください!」
先程伝えたかった事を伝えると、

「可愛すぎるよきょうちゃん!うん!頑張る!」
がばっと抱きついてきた大智先輩が嬉しそうにそう言った。

「ちょっと大智ずるいー!」
「どいてどいてー!」
2人がかりで大智先輩を引き剥がすと、

ぎゅーーっっ

前と後ろから海先輩と空先輩に抱きつかれる。
いつかのサンドイッチを思い出し、少し恥ずかしくなる。

「ぼくたちもがんばるー!」
「絶対来てね!」

「は、はい。」

「はっ!お、おい!お前ら行くぞ!」
我に返った固まっていた先輩がそう急かし、名残惜しそうに俺から離れていく先輩達。


「悪かったな、騒がしくして。」
真っ赤な顔でそう謝ってくれた先輩。

「いえ!頑張ってくださいね!」
そう伝えるとさらに真っ赤になってしまった。
大丈夫かな、、?

「は~い!行きますよ~!」
真っ赤な先輩を大智先輩が引きずり、みんなで手を振りながら教室を出ていった。


なんだか嵐が過ぎ去ったみたいだ、、


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