無頓着な彼は。

はぴたん

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「恭!!」

「、、敦くん?久しぶり!」
勢いよくドアが開き、見ると敦くんがいた。

「うわ!超かわいーー!!
似合ってんじゃん!!」

「わっ、ありがとう。」

「おい、怖がらせるなよ。」

「怖がらせてないし、ねー?」

「ふふっ、うん。
あ!そうだ、これから休憩で回ろうと思うんだけど敦くんも一緒に行かない?」

「行く!もちろん行く!」

「よかった!
葵と光にも声掛けてくるね!」


2人に声をかけて要を含めた4人と敦くんで教室を出た。


「着替えたい、、」

「仕方ないでしょ!午後もまた働かなきゃなんだから、着替える時間もったいないし!」

「そうだけど、恥ずかしい、、」

「恥じらう恭もかわいいっ」
敦くんが俺の顔を覗きながら言った。

「ねえ、てか敦くん?だっけ?
要の弟かなんか知らないけど、きょうちゃんの事なに呼び捨てしてんの?」
俺の腕にしがみつきながら葵がそう言った。
なんだかトゲトゲしい。

「恭が許してくれたんで。ね?」

「うん、要の弟だし。ね?なかよくしようよ。
敦くんいい子だよ?」

「むぅーっきょうちゃんがいいならいいけどー。」

「恭は本当に誰でも引き寄せるな。」

「どうゆう意味?」
光の言葉に聞き捨てならない。と聞いた。

「そのままの意味っ
引き寄せ過ぎてちょっと心配なんだよ。」

「えー?そんなに引き寄せてないよ。
それになかよくしてくれてる人達はみんないい人だから大丈夫だよ。」
自信を持ってそう言ったが、

「そうゆう疑わない所がいい所だけど心配なんだよなぁ。」
なんだかまだ腑に落ちないみたいだ。


そんな話をしている内に、お目当ての場所に着いた。


「いらっしゃいま、、」
ドアを開けると傍にいた人がすぐに対応してくれたのだが急に固まってしまった。

「あのっ?」

声をかけると真っ赤になり、慌てた様子で離れて行ってしまった。
どうしたんだろう、、


「恭。来てくれたのか。」

奥からひょっこり顔を出した夕先輩。
もしかして夕先輩を呼びに行ってくれたのかな?


、、、それにしても、



「か、可愛すぎます!夕先輩!」



もさもさの髪の上に垂れた耳が覗いている。
わんこな先輩に似合いすぎだ。

「?恭の方が可愛いだろ。」

「いやっ、先輩の方が断然!
耳が!似合いすぎてます!」
興奮気味に伝えると、

「あぁ、俺達のクラスわんにゃんカフェだから。」
思い出したかのように耳を触りながらそう答える夕先輩。
ふと周りを見渡すと、確かにみんな犬耳か猫耳がついてる。
でも圧倒的に夕先輩が似合ってる。


「あ、とりあえず席座るか?」
そう言って案内してくれた。


丸テーブルにみんなで座る。
メニューを覗くと、"撫でられ鯛のポワレ"が目についた。
ポワレ?オシャレすぎるダジャレだけど、、

「あの、これって、、?」

「あぁ、それ注文したらスタッフの誰か撫でれるやつ。
俺以外しかダメだけど、恭ならいいよ。」

「え?いいんですか?」

「いいよ、それにする?」

「じゃあ、はい!」

「他は?」
みんなは普通の食事メニューを注文していた。

「じゃあちょっと待ってて。」
そう言って夕先輩が離れていった。


「きょうちゃん本当にあれでいいの?」
葵が訝しげに聞いてくる。

「いいも何も逆に俺の方がいいの?って感じだよ。
あのふわふわの頭をしかも耳付き!撫でれるなんて、、」

「そんなに撫でたいならいつでも僕の撫でていいよ!」

「何それー。」
と言いながらも葵の頭を撫でる。
ふわふわで気持ちいい。

「葵の頭も撫でたいけど、夕先輩の頭も撫でたいの。」

「きょうちゃんの浮気性!」

「えぇ、、機嫌直してよー。」

口をふくらませてぷんぷんしている葵の頬をつんつんしながら料理が来るのを待った。


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