無頓着な彼は。

はぴたん

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「そろそろ休憩行くか?」
夕先輩と透先輩が帰ったタイミングで要がそう言いに来た。

「大丈夫かな?」

「大丈夫だろ。
先に行ってたやつらも帰ってきたし。」

「そっか、じゃあ「お、似合ってんじゃねぇか。」
また遮られた、、と思いながら声のするドアの方を見ると傑先輩がいた。

そのままどんどん歩いて近づき、気づけば目の前に。

いつもよりなんだかキラキラ、いやギラギラしている、、

「、、、ホスト?」

「せーかい。」
俺の耳前の髪の毛を耳にかけながらそう言った傑先輩。
ま、まさにホスト。手馴れた感じが凄い。


「ち、近いです。」

「ん?席、案内してくれねぇの?」
聞こえなかったのか余計に近づいてくる傑先輩。

「あ、すみません。ご案内いたします。」


奥の空いた席に案内していると、

「後ろもちゃんとしてんだ。」

「あ、ちょっと!触らないで下さい!」
背中に付いたリボンを引っ張り解き出す傑先輩。
油断も隙もない。

「ごめんって、結んでやるから。」

ぎゅっ「んっ」

「ふっごめん。」
腰元でぎゅっと結ばれた勢いで思わず声が出たのを笑われてしまった。
恥ずかしい。


ささっと結んでもらい、席へ座ってもらった。


「傑先輩のクラスはホストなんですか?」

「あぁ、結構似合ってるだろ?」

「、、、似合いすぎです。」

「ふっ惚れた?」

「惚れてないです!
、、、かっこいいですけど。」
認めたくないけど。

「ふーん。」
ニヤニヤし出す傑先輩。

「あの!何にします?
選んでください。」
メニューを指さし訴える。

「メイドのくせにふてぶてしいな。」

「傑先輩のせいです。」

「どれがおすすめ?」

「、、、これです。」

「じゃ、それ。」

「かしこまりました。」


おすすめしたオムライスを持っていく。

テーブルに置き席を離れようとしたら、

「待て。口開けろ。」
腕を引かれ傑先輩のそばに倒れるようにしゃがんだ俺にそう言ってきた。

「え、なんで、、」

「早く。」
そう言いながらスプーンでオムライスを掬う傑先輩。

急かされるので言われるがまま口を開けると、スプーンを入れられた。

「んんっ!!
あつっっんま!」
熱々で火傷しそうになったが、やっぱり美味しい。

俺の顔を見ながら傑先輩も一口食べた。

その後もまた口を開けさせられ、結局交互に食べた。
お腹すいてたからいいけど、、いや仕事中にこんなにたべて大丈夫かな、、?


誰にも注意されなかったけど、、


「ご馳走様でした。
なんか半分くらい食べちゃったんですけど良かったんですか?」

「あ?なんかくれんの?」
そう言って立ち上がった俺の太ももに手を伸ばしさわさわ触る傑先輩。

このエロじじい!

「ちょっと!やめてください!」
慌てて後ろに離れると、

「目の前にあったら触るだろ。」

「いや!触らないでください!」

「そんな格好で、触るなって方が無理だろ。」


「当店はスタッフへの接触は禁止しています。
破られた場合は即刻退室してもらう事になっていますので、今すぐ出ていって下さい。」

 いつの間にか隣にいた要が冷ややかな顔でそう伝える。

傑先輩が要を睨み、一触即発の雰囲気が。
不安になり2人を見つめていたが、


「はいはい、出ればいいんだろ。
おい、恭。俺のクラスにも絶対来いよ。」

立ち上がった傑先輩がお金を机に置き、振り返りながらそう言った。


「はい。」
元々先輩達のクラスはチェックするつもりだったので返事をすると、満足そうに笑って去っていった。


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