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最終章
春風に溶けるふたり
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最終章 春風に溶けるふたり
朝の光は、やわらかな金色を帯び、
新しい暮らしのなかに、静かに降り注いでいた。
カーテン越しに揺れる風の気配。
それに誘われるように、紗月と遥は目を覚ます。
遥が、まだ夢のなかにいるような瞳で、そっと紗月を見上げた。
紗月は、微笑みながら遥の頬に手を添える。
言葉は要らなかった。
ただ、こうしているだけで、
ふたりはもう、すべてを分かち合っていると知っていた。
小さなキッチンから、珈琲の香りが漂いはじめる。
カップを片手に、ふたりはベランダへ出た。
春の風が、花の香りを運んでくる。
どこか遠くから、小鳥のさえずりが聞こえた。
「ねぇ、見て。」
遥が指差す先には、薄紅色の小さな花が、朝の光のなかでそっと揺れていた。
「春が、ちゃんと来たんだね。」
その声は、驚くほど柔らかかった。
遥の笑顔が、光の粒をはらんで、眩しいくらいだった。
紗月は、遥の手をとった。
ふたりの指先が、自然に重なり合う。
これからも、きっと──
小さな不安や、すれ違いに戸惑うこともあるだろう。
けれど、それでも。
ふたりで選んだ未来を、
ふたりの速さで、歩いていけばいい。
春風に髪を揺らしながら、
遥が小さく笑った。
「ねえ、今日もたくさん、うれしいこと見つけようね。」
紗月はそっと頷いた。
心の奥から、溢れるような幸福感が広がっていく。
──そう、今日も。
明日も。
そして、これからもずっと。
ふたりの世界は、光と風に包まれて、
どこまでも、やさしく、続いていく。
──終わりではなく、始まりとして。
朝の光は、やわらかな金色を帯び、
新しい暮らしのなかに、静かに降り注いでいた。
カーテン越しに揺れる風の気配。
それに誘われるように、紗月と遥は目を覚ます。
遥が、まだ夢のなかにいるような瞳で、そっと紗月を見上げた。
紗月は、微笑みながら遥の頬に手を添える。
言葉は要らなかった。
ただ、こうしているだけで、
ふたりはもう、すべてを分かち合っていると知っていた。
小さなキッチンから、珈琲の香りが漂いはじめる。
カップを片手に、ふたりはベランダへ出た。
春の風が、花の香りを運んでくる。
どこか遠くから、小鳥のさえずりが聞こえた。
「ねぇ、見て。」
遥が指差す先には、薄紅色の小さな花が、朝の光のなかでそっと揺れていた。
「春が、ちゃんと来たんだね。」
その声は、驚くほど柔らかかった。
遥の笑顔が、光の粒をはらんで、眩しいくらいだった。
紗月は、遥の手をとった。
ふたりの指先が、自然に重なり合う。
これからも、きっと──
小さな不安や、すれ違いに戸惑うこともあるだろう。
けれど、それでも。
ふたりで選んだ未来を、
ふたりの速さで、歩いていけばいい。
春風に髪を揺らしながら、
遥が小さく笑った。
「ねえ、今日もたくさん、うれしいこと見つけようね。」
紗月はそっと頷いた。
心の奥から、溢れるような幸福感が広がっていく。
──そう、今日も。
明日も。
そして、これからもずっと。
ふたりの世界は、光と風に包まれて、
どこまでも、やさしく、続いていく。
──終わりではなく、始まりとして。
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