3 / 6
紅の華と黒の華
月夜にうかぶのは
しおりを挟む
誰かの話声がする
「ほら、起きて。もう朝なのよ。みんな待ってるわ。」
「はやく起きて遊んでよ、お姉様。」
「いつまでも寝ていたらダメだぞ、ほら起きなさい」
「遊んでやるから、起きろって。」
「勉強教えてあげるわ。色々学ばないとね。」
「私の可愛い妹」
懐かしい声
もう会う事さえも出来ない
愛しい愛しい人達
「なんだ、お前生きていたのか」
突然聞こえた憎い声に飛び起きた。
やけに荒い息が聞こえる。手に雫が落ちている。視界が段々とボヤけ身体が冷え始めた。
月明かりが雲の間から覗きぼんやりと部屋を照らしている。
部屋は月明かりにより闇がくっきりと映っていた。
あの日からの私の部屋だった。
まだ慣れていない。
そっと部屋を見渡し、息をつく。
誰も居ない。
と安心したのだ。
もう一度寝ようとしたがやけに目が冴えてしまった。
少し風にあたることにしベランダの方へ行った。
ベランダは広くとってありソファーとちょとした机が置いてあった。
ソファーへ腰掛け、そこから見える景色を眺めた。光のない街、それに比べキラキラと光る星は美しく眩しかった。
風に当たって寒いはずなのに瞼が落ちてきた。
どれくらい経っただろうか、個仕掛けていたはずのソファーで寝ていた。肩まで毛布が掛かっていた。
もう空は白くなり始め、鳥のさえずりまで聞こえる。
「お目覚めですか?」
「ええ」
顔を見なくても分かった。近衛隊長のクルトだ。
「お風邪を召されます。どうか中に。」
「あら、じゃあ何故つれていかなかったの?」
この質問は意地悪だったかもしれない。
案の定、クルトは困った顔をしている。
「冗談よ。私が頼んだものね。ありがとう…。……手を貸してもらえるかしら?」
「喜んで!」
先程の困った顔とは一変して嬉しそうな顔をしている。
サッと出された手を取り立ち上がった。
立ち上がった姿をまだ月は見ている。
消えてはいないのだ。
まだ月は。
しかし、月より明るい光が山の影から射し込むと霞んで見えなくなってしまった。
彼女の目は細められ光の方へ向けられた。
が、すぐに閉じてしまった。
まるで光を見たくないとでも言うように。
そんな彼女を月は見ている。
ただ見ているのだった。
「ほら、起きて。もう朝なのよ。みんな待ってるわ。」
「はやく起きて遊んでよ、お姉様。」
「いつまでも寝ていたらダメだぞ、ほら起きなさい」
「遊んでやるから、起きろって。」
「勉強教えてあげるわ。色々学ばないとね。」
「私の可愛い妹」
懐かしい声
もう会う事さえも出来ない
愛しい愛しい人達
「なんだ、お前生きていたのか」
突然聞こえた憎い声に飛び起きた。
やけに荒い息が聞こえる。手に雫が落ちている。視界が段々とボヤけ身体が冷え始めた。
月明かりが雲の間から覗きぼんやりと部屋を照らしている。
部屋は月明かりにより闇がくっきりと映っていた。
あの日からの私の部屋だった。
まだ慣れていない。
そっと部屋を見渡し、息をつく。
誰も居ない。
と安心したのだ。
もう一度寝ようとしたがやけに目が冴えてしまった。
少し風にあたることにしベランダの方へ行った。
ベランダは広くとってありソファーとちょとした机が置いてあった。
ソファーへ腰掛け、そこから見える景色を眺めた。光のない街、それに比べキラキラと光る星は美しく眩しかった。
風に当たって寒いはずなのに瞼が落ちてきた。
どれくらい経っただろうか、個仕掛けていたはずのソファーで寝ていた。肩まで毛布が掛かっていた。
もう空は白くなり始め、鳥のさえずりまで聞こえる。
「お目覚めですか?」
「ええ」
顔を見なくても分かった。近衛隊長のクルトだ。
「お風邪を召されます。どうか中に。」
「あら、じゃあ何故つれていかなかったの?」
この質問は意地悪だったかもしれない。
案の定、クルトは困った顔をしている。
「冗談よ。私が頼んだものね。ありがとう…。……手を貸してもらえるかしら?」
「喜んで!」
先程の困った顔とは一変して嬉しそうな顔をしている。
サッと出された手を取り立ち上がった。
立ち上がった姿をまだ月は見ている。
消えてはいないのだ。
まだ月は。
しかし、月より明るい光が山の影から射し込むと霞んで見えなくなってしまった。
彼女の目は細められ光の方へ向けられた。
が、すぐに閉じてしまった。
まるで光を見たくないとでも言うように。
そんな彼女を月は見ている。
ただ見ているのだった。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる