女王陛下

Kira

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紅の華と黒の華

月夜にうかぶのは

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誰かの話声がする

「ほら、起きて。もう朝なのよ。みんな待ってるわ。」

「はやく起きて遊んでよ、お姉様。」

「いつまでも寝ていたらダメだぞ、ほら起きなさい」

「遊んでやるから、起きろって。」

「勉強教えてあげるわ。色々学ばないとね。」

「私の可愛い妹」

懐かしい声

もう会う事さえも出来ない

愛しい愛しい人達



「なんだ、お前生きていたのか」


突然聞こえた憎い声に飛び起きた。
やけに荒い息が聞こえる。手に雫が落ちている。視界が段々とボヤけ身体が冷え始めた。

月明かりが雲の間から覗きぼんやりと部屋を照らしている。

部屋は月明かりにより闇がくっきりと映っていた。

あの日からの私の部屋だった。
まだ慣れていない。
そっと部屋を見渡し、息をつく。
誰も居ない。
と安心したのだ。

もう一度寝ようとしたがやけに目が冴えてしまった。
少し風にあたることにしベランダの方へ行った。

ベランダは広くとってありソファーとちょとした机が置いてあった。

ソファーへ腰掛け、そこから見える景色を眺めた。光のない街、それに比べキラキラと光る星は美しく眩しかった。

風に当たって寒いはずなのに瞼が落ちてきた。

どれくらい経っただろうか、個仕掛けていたはずのソファーで寝ていた。肩まで毛布が掛かっていた。

もう空は白くなり始め、鳥のさえずりまで聞こえる。

「お目覚めですか?」
「ええ」

顔を見なくても分かった。近衛隊長のクルトだ。

「お風邪を召されます。どうか中に。」
「あら、じゃあ何故つれていかなかったの?」

この質問は意地悪だったかもしれない。
案の定、クルトは困った顔をしている。

「冗談よ。私が頼んだものね。ありがとう…。……手を貸してもらえるかしら?」
「喜んで!」

先程の困った顔とは一変して嬉しそうな顔をしている。
サッと出された手を取り立ち上がった。


立ち上がった姿をまだ月は見ている。


消えてはいないのだ。



まだ月は。




しかし、月より明るい光が山の影から射し込むと霞んで見えなくなってしまった。


彼女の目は細められ光の方へ向けられた。
が、すぐに閉じてしまった。

まるで光を見たくないとでも言うように。





そんな彼女を月は見ている。
ただ見ているのだった。


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