涙を照らす者

森田金太郎

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破壊神編

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◆迷いと
姿を消してしまった八大蛇について、命士たちは話し合っていた。
「どうしたものか。」
教宗は、頭を抱えた。
「八大蛇を捜索しないか。」
守常が提案した。
「それは雲を掴むような物。それよりも、再び守護結界を張りに行きませんか。」
忠通が別の提案をする。
「確かに、それはいいと思う。八小蛇に壊されちゃったの、復活させよう!」
朝陽は忠通につく。
「そうは言うけどよ、あんな力持った八大蛇、ほっといていいのか?探してしばらく動けないようにしてやった方がいいんじゃね?」
晃は守常につく。
「どちらも必要だが、平行してやるとなると、天子の負担が大きくなる。どちらかを取りたいが、迷う所ではあるな。光輝、光輝はどう思う。」
教宗は、話をまとめようとするが、光輝はこう答えた。
「僕は、わからない。」
その後の命士の話し合いは、平行線をたどる。すると、そこに亜香里が来た。
「みんな、疲れてない?大丈夫?」
命士たちは、結論が出ない話し合いの内容を亜香里に説明した。
「何で?どっちもやろうよ。結界張りながら八大蛇を探そう。意外と結界のないところを八大蛇は探してるかも。」
命士たちはそれもそうだと納得し、避難所の警戒を一時休止して八大蛇捜索と、守護結界を張る儀式に専念することにした。

◆災い再び
避難所の警戒という使命を放棄しているため、避難所には足を向けられない状況であったことから、一朗太の神社に亜香里たちは集まるようになった。
そんな日々を半月ほど過ごしたが、さすがに、八小蛇のように守護結界を張る気配におびき寄せられることなく、八大蛇は亜香里たちの前に姿を現すことはなかった。
そんな中、再び大地震が起こる。八大蛇の仕業だ。八小蛇を吸収し、凶悪な力を手に入れている八大蛇の災いは、薄くしか張ることができていなかった領域の守護結界を突破し、その領域へも著しい被害をもたらした。
「悔しいよ。」
亜香里は言った。その気持ちは、命士たちも一緒だった。
しかし、これは逆に好機でもあった。災いが起こった際に感じた八大蛇の力の気配をたどると、半月ぶりに八大蛇の顔を見ることが叶った。
「八大蛇!今日こそあなたを討つ!!」
だが、その亜香里の宣言は、裏切られた。

◆力への羨望
亜香里は、強くなることを望んだ。力が欲しいと。近から妃果梨の力を戻すことを提案されたが、妃果梨への影響を心配した亜香里はそれを受け入れなかった。
その上で考えたのは、戦闘訓練。亜香里は肉弾戦の訓練や、破魔の剣の強化を狙って命士たちに自分へ攻撃するように命じた。
「すまない、天子。我々が不甲斐ないばかりに、天子に新たな負担を強いてしまっている。我々も精進させていただく。」
とは、教宗からの心からの謝罪の言葉だった。
「気にしないで。私も、もっと強くなる。強くなって、八大蛇をいつか討つよ。」
亜香里は確固たる意思を示した。それ以降、亜香里たちは、前にも増して忙しい日々を過ごすこととなる。

◆従者の絶望
一方、八大蛇の神気に吹き飛ばされた暁は、眠り続けていた。
誰もがこのままだと思っていたある日、暁は目覚めた。
そこには、八小蛇から受けた体の不調をやっと取り除くことが出来た妃果梨がいた。
「妃果梨様!」
「よかった。暁くんが起きて。」
「俺は、俺は八大蛇様の元に行かなければ!!」
「どうして?やっと解放されたって思って喜んでたのに。」
「俺は、この世界を破壊したいんです!妃果梨様!!」
「そんな。暁くんは、八小蛇とか、八大蛇とかに望んでついて行ったってこと?」
「そうです!」
「そんなことは知らなかった。でも、行ってもきっと、八大蛇は、暁くんを受け入れないよ。」
「どうして?」
「亜香里さんたちから聞いたけど、弱いあなたはもう要らないんだって。」
「え?」
暁は、意気消沈した。
「俺は、もう、『破壊』に関われないのか。」
「そう、だね。」
妃果梨は、今にも泣きそうな暁がかわいそうだと思ってしまい、破壊を望んでいる人物に抱いてはならない同情を抱いてしまった。
「あの、亜香里さんたちは、八大蛇と会うことが多いから、亜香里さんたちといれば八大蛇に会えるし、八大蛇に『自分は強いんだ』ってことを見せてやれば八大蛇は、暁くんを必要って思ってくれるかも。」
暁の目に力が戻る。そして、妃果梨の提案は実行された。
妃果梨はそれとは関係なく亜香里たちへの恩返しをしたいと亜香里たちと共に行動し、やれる事を探す事にした。

◆戦いの中で
8人態勢で八大蛇と対峙し始めた亜香里たち。そんなある日、交戦中の八大蛇に亜香里は問いを投げかけた。
「八大蛇、何故?何故世界を滅ぼそうとしているの?」
「我が破壊神であること、それをおいて他に理由などない!」
「私には、必要ない!破壊する神は、必要ない!!」
その亜香里の一言に、八大蛇は、激昂した。
「そなた、もう一度申してみろ!!」
「何度だって言うよ!あなたがしている『破壊』は必要ないって!!そんな神様、私たちには必要ないよ!!」

◆八大蛇
亜香里のその言葉は、八大蛇の頭の中で別の女性の声として響いた。
「そなたの『破壊』は、今後必要ない。今日を以て、『破壊神』は廃位とする。八大蛇、そなたの神力は、我に返還し、それを以てそなたは、そなたとして生きろ。」
その声は、天照。八大蛇の頭の中でそれは何度も響いた。その流れで八大蛇の記憶がその言葉の前後の天照と八大蛇の会話を強制的に反芻させた。
「安定した世界が、やっと出来たの。」
再び響く天照の声。そして、八大蛇自身の言葉も鮮明に響く。
「我の力のお陰であろう?敬え。」
「我は、そなたのその態度が気に入らぬのじゃ。だが、確かにそうではあるな。そなたの力なくば、失敗した世界が残り続け、いずれ悪影響を及ぼす物と化したであろうな。それを未然に阻止出来るのは、そなただけだ。」
「そうであろう?」
天照は、その八大蛇の言葉を受け、「しかしだがな」という前置きをし、
「そなたの『破壊』は、今後必要ない。今日を以て、『破壊神』は廃位とする。八大蛇、そなたの神力は、我に返還し、それを以てそなたは、そなたとして生きろ。」
と、命じた。それに、八大蛇は激昂した。
「我は、我として生きろだと?我は破壊神だ!破壊神として生きる道しかなかろう!!」
「申したであろう?『破壊』は、必要ないと。ようやっと出来たこの安定した世界を傷つける存在は、あってはならぬ。そなたは、ここで身を引くべきなのじゃ。そのような事もわからぬ神なのか?そなたは。」
「わからぬ!わからぬ!!神でない我がどう生きろと、そなたは思っておるのだ!!」
「何から何まで言わねばならぬのか!そなたは!!この世界の民として生きる道を我は示しておる。」
「我が送り届ける事になっておる。」
読月がそう言うと、天照はこう続ける。
「そして、我が気に入らぬそなたの『傲慢さ』を滅して来るのじゃ。そうしたら、再びそなたを何かしらの神として迎え入れ、この安定した世界をより良い物にして行こうと思っておる。」
「我が民だと?認めぬ!」
「八大蛇、認めるのだ。そうでなければ、もうひとつの選択肢をとらざるを得ぬ。」
「そうなった場合は、我が手を下す事になっておる。」
佐須がそう言うと、天照はこう続ける。
「そう、そなたをこの場で滅する事を。」
「ははは、温情か!それで温情をかけたつもりか!天照!!」
「それは、否定はせぬ。そなたは、この安定した世界を作り上げた功労者でもあるからな。」
「では、我は『功労者』として敬われるべきだ!我は破壊の神、八大蛇だ!!」
八大蛇は、そう言い残すと、天照の目の前から姿を消した。

◆怒り
「そのような言葉は、天照も言うておった!あの忌々しい女神め!!天子、我にとって悪しき記憶を呼び覚まさせおって、許さぬぞ!」
八大蛇は、頭の中で繰り広げられる記憶の中の天照との会話を、自らにいいようにねじ曲げ叫びながら亜香里を攻撃し始める。
「天照は、傲慢な神であった!最高神である立場を利用し、この世界誕生の功労者である我の地位を弄んだ!存在すら恥ずべき神なのだ!その天照の作りし世界など、無価値!!我は、何としてでもこの世界を無にするため、破壊する!!」
亜香里は、命士たちの尽力もあり、八大蛇を抑えることができた。

◆避難所での羨望
「父は、母に虐げられておったようじゃの。」
亜香里の脳内で近が呟く。
「あの話が本当にならば、そうかも知れないけど。」
「我は、間違うておったのかも知れぬ。」
「え?」
「母が父に討たれたのだから、父が悪しき存在だと思ったが、そうなったのも、父を越える悪しき存在であった母がこの事態の元凶。あの時、討たれて存在を滅したのは正しかったのかも知れぬ。」
「近ちゃん、考えすぎだよ。」
そんな亜香里の言葉を聞きつつ、近は亜香里の目を通して避難所を見渡した。
避難所では、様々な人々が暮らしている。家族ぐるみで避難している人々も当然いた。
その中で、近は幼い子供を連れた夫婦を見た。そして、呟きの内容を変化させた。
「よいな、親子と言うものは。」
「そうだね。」
「我は、親からの愛を知りたいとも思っておるのじゃ。だが、母はもう亡い。だから、父に愛されるしかないのじゃ。」
「八大蛇は、あなたを道具にしか思ってなかったじゃん。近づいたら、また傷つくよ、近ちゃん。」
「最初は、道具だってよいのだ。むしろ、道具として我が父に寄り添うべきなのじゃ。そうしたら、我を愛してくれるかも知れぬ。」
「それって、どう言うこと?」
「我も、父と共にこの世を破壊すればいいのじゃ。そのような事をする娘であれば、父は我を愛してくれるであろう。」
「待ってよ!近ちゃん!!そんな事は駄目だよ。」
亜香里はこうは言ったが、八大蛇への思いを募らせる近は、亜香里の言うことを無視した。

◆抵抗
その後、亜香里は命士たちに近の思いを伝え、それを阻止しようと相談した。
途中、近に自らの口が支配されそうになりながらも、亜香里は必死に命士たちに用件を伝えた。
命士たちの答えは、近が八大蛇に会うことは危険との判断だった。それにより、亜香里は戦いに出ない日を過ごすことになった。
それからというものの、命士たちや妃果梨、暁に戦いを任せる日々。
妃果梨は、亜香里の代理としては力不足で、暁は、八大蛇に攻撃することを度々躊躇する。そんな戦いの中、命士たちは、傷つき帰って来る。だが、状況からこれが最適解と思い、亜香里は心を痛めながらも命士たちを戦いに送り出す。それに対して、命士たちもその強靭な精神力でこの件に対応した。

◆神へ
遂に、近は亜香里の体を操り始めてしまう。八大蛇に会いたいがために戦いに出た命士たちを追いかける。
「やめて、近ちゃん。」
頭の中で亜香里は近に呼び掛けるが、返答はなかった。
そして、八大蛇と命士たちが戦っている場所にたどり着く。命士たちは、亜香里の姿を見て慌てた。
亜香里は必死に八大蛇から距離を置こうと後ずさりしようとするが、前進しようとする近の力と拮抗し、その場で立ち尽くしている格好になった。そんな中、亜香里の頭の中での近との会話が始まる。
「亜香里、我に抵抗するでない!我は神の子ぞ!!抵抗は、許されざる事じゃ!」
「それでも、八大蛇と近ちゃんは一緒にいちゃ駄目だよ!」
「我に口答えか!間違いであったな、我の思いを邪魔し、あまつさえ口答えするそなたの内に我が入ったことは!!もうよい!我からのそなたへの罰じゃ!そなたの意志を滅し、その体を我の物とする!!」
「近ちゃん!!」
魂が痛む亜香里。それでも、最後の望みを懸け、声を大にして亜香里は叫んだ。
「駄目、近ちゃん、駄目ー!!」
それが、日下部亜香里の最期の言葉だった。
「我は近!父である破壊神、八大蛇と共にこの世を破壊する!!」
亜香里の顔だった近の顔には、禍々しい模様が刻まれた。
「おお、近よ我につくか。」
「この近、父上に忠誠を誓う!」
「ならば、共に世界を破壊しようぞ!!」
「御意!!」
遺された命士らに近はこう言った。
「命士らよ!我の手下となるのだ!!」
「この暁!お供します!!」
暁は、近につくことを誓ったが、命士や妃果梨は到底承服できず首を縦に振らなかった。
「拒否するとな?では、ここで死ぬのだ!!」
命士には、亜香里と繋がった補戦玉を経由し、妃果梨には亜香里が注いだ天子の力を目印に強力な破壊の力をその身体の内から展開させた。その力は朝陽、教宗、守常、晃、忠通、光輝、妃果梨の身体、魂、意思、全てを消滅させた。
「馬鹿な奴ども。八大蛇様、近様、破壊行為に参りましょう!」
暁がそう言うと、八大蛇と近は世界を飛び回り、その思いのまま破壊行為を開始した。

◆そして
世界破壊完了につき、これ以降の記述不可。繰り返す。世界破壊完了につき、これ以降の記述不可。
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