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25甘:夫婦の12の過去その11
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まもなく、エリザータ、アルヴェード、ティコラセーヌがビタル学園の高等部を卒業するという時期だった。アルヴェードは、自宅にティコラセーヌを誘い、また、エリザータを通じてセブレーノを招待した。また、そこにエリザータの同席を求めた。
4人は、客間に続々と集まった。集合した事を確認すると、アルヴェードはこう切り出した。
「本日は、お集まりいただき、ありがとうございます」
エリザータとティコラセーヌは、いつもと違うアルヴェードの言葉に首を傾げたが、セブレーノの同席があった事から、そちらに合わせたのだろうと考えた。そのセブレーノが返した。
「どういたしまして。そして、はじめまして、僕はセブレーノだよ」
そこから全員改めて自己紹介をした。エリザータ、ティコラセーヌ、アルヴェードの順で行われたそれだったが、アルヴェードは自己紹介に続き、こう話した。
「本日は、私の謝罪と感謝を皆さんに聞いてもらいたくて、集まってもらいました」
アルヴェードは、ティコラセーヌに向き合う。
「ティコラセーヌ。いや、ティコラセーヌさん」
「あ、アルヴェード?」
急なアルヴェードの他人行儀にティコラセーヌは、胸騒ぎがする。
「貴女に、まずは謝罪です。これまで、私は貴女を恋人として、そして、結婚した後は、愛人として傍に置きました。しかし、最近わかった事があります。貴女をずっと『自由を与えてくれなかった家への抵抗の象徴』としか見ていなかったと。長い間、貴女には、多大なご負担をかけました。大変申し訳ありません」
深々と頭を下げるアルヴェード。ティコラセーヌは立ち上がり、こう返した。
「アルヴェード、アルヴェード、そんな事言わないで。私、幸せだよ?」
しかし、ティコラセーヌの心にアルヴェードからの最初のアプローチを受けた頃の恐怖がよみがえる。
「で、でも、私、こわかったかもしれない。ううん、こわかった。いつ貴方が財閥の力を振りかざして来るかって。だけど、アルヴェード、私、貴方を嫌いじゃない!エリザータに取られて悔しいの!!」
「嬉しいですね」
「け、けど、疲れちゃってる自分もいる。こわかった頃の気持ちもそうだし、今は、エリザータが嫌って気持ちとずっと戦うのも。だから、もし、いいのならアルヴェードとはここまでにしたい」
「そうですよね?貴女との別れも、覚悟の上でした。今まで、本当に申し訳ありませんでした」
そのやり取りをエリザータは戸惑いながら聞いていた。そして、思わず口を挟んだ。
「な、何で急に別れ話になるのよ?」
アルヴェードは、そんなエリザータに向き合う。そして、こう切り出した。
「それは、エリザータ、貴女が私に本当の恋を教えてくれたからです」
「え?私が?本当の恋?」
「はい。ここ最近、貴女への想いが止まりませんでした。おそらく、私にとっての初恋です。貴女が妻になってよかったと思い始めています」
「勝手だわ!貴方、私を愛してないって前、言ったでしょ?」
「あの時は、そうでした。それは、曲げようもない事実です。しかし、状況は変わりました。エリザータ、貴女は気づいているでしょうか?貴女は、魅力的な女性へと変わった」
「え?」
「少なくとも、私にとっては貴女の魅力は、最上の物です」
エリザータは、言われている事がわからなかった。アルヴェードは、それでも声をかけ続ける。
「貴女の笑顔は、最高だ。それを引き出したのが私ではない事に忸怩たる思いも抱いています」
「笑顔」
短く返したエリザータに一時視線を外し、アルヴェードはセブレーノに向き合う。
「間違いなくセブレーノさん、貴方がエリザータの魅力を引き出した。本当に感謝しています」
「そんな意図はどこにもなかったよ?エリザータの旦那さん?」
「そうですか」
「だいたいね、君がしっかりしてないから彼女は傷ついたんだよ?」
「申し開きの言葉もありません」
「そんな君に、僕はエリザータを任せられないと思ってるよ。ここに来て君は妻への愛に目覚めたようだけど、僕は、君にエリザータを渡したくはないね」
「それで、いいのです。セブレーノさん、これからもエリザータを愛し、エリザータに愛されて構いません」
「え?」
セブレーノは、驚愕の表情を浮かべる。
「私は、エリザータに愛されたくなりました。しかし、それを強制する事など出来ません。なので、今まで通り貴方の元へと行くエリザータを止めません。私は、エリザータの夫として、妻の身分を保証する事に専念しようと思います」
「驚いたね。そんな事を考えていたなんて」
「セブレーノさん、これからもエリザータをよろしくお願いいたします」
アルヴェードは再び深々と頭を下げた。しばらくすると、アルヴェードは頭を上げ、エリザータに微笑んだ。
「クルーサム財閥とルルコス銀行の関係性を考えたら、エリザータ、貴女と離婚する事はリスクと考えます。なので、苦しい結婚生活から解放して差し上げる事は出来ません。その代わり、自由な恋愛を私が保証します。だから、これからも妻として私と暮らしてください。お願いいたします」
「アルヴェード」
エリザータの心はアルヴェードの普段見せない態度に揺れた。それ故、アルヴェードの言う事を拒絶出来なかった。
「本当に、セブレーノとこれからも仲良くしていいの?」
「それは、一向に構いません。何故なら、私もずっとティコラセーヌと密会を続けていた身ですから。私がよくて、貴女は駄目と言う事は、筋が違うと考えています。心ゆくまで、セブレーノさんと愛し合ってください」
「わ、わかったわ。そ、その、これからもよろしくお願いいたします」
その後、ティコラセーヌとセブレーノは、アルヴェードとエリザータの自宅を後にした。ティコラセーヌは、気丈に振る舞い、アルヴェードと別れたが、今までの事を思い、次第に涙を流す。傍らにいたセブレーノは、こう声をかける。
「君、ティコラセーヌちゃんって言ったね?ここで出会ったのも何かの縁だ。これから友達にならないかい?」
ティコラセーヌの涙は止まる。そして、こう返した。
「いいんですか?」
「いいよ?」
「なら、お願いします」
「こちらこそ」
4人は、客間に続々と集まった。集合した事を確認すると、アルヴェードはこう切り出した。
「本日は、お集まりいただき、ありがとうございます」
エリザータとティコラセーヌは、いつもと違うアルヴェードの言葉に首を傾げたが、セブレーノの同席があった事から、そちらに合わせたのだろうと考えた。そのセブレーノが返した。
「どういたしまして。そして、はじめまして、僕はセブレーノだよ」
そこから全員改めて自己紹介をした。エリザータ、ティコラセーヌ、アルヴェードの順で行われたそれだったが、アルヴェードは自己紹介に続き、こう話した。
「本日は、私の謝罪と感謝を皆さんに聞いてもらいたくて、集まってもらいました」
アルヴェードは、ティコラセーヌに向き合う。
「ティコラセーヌ。いや、ティコラセーヌさん」
「あ、アルヴェード?」
急なアルヴェードの他人行儀にティコラセーヌは、胸騒ぎがする。
「貴女に、まずは謝罪です。これまで、私は貴女を恋人として、そして、結婚した後は、愛人として傍に置きました。しかし、最近わかった事があります。貴女をずっと『自由を与えてくれなかった家への抵抗の象徴』としか見ていなかったと。長い間、貴女には、多大なご負担をかけました。大変申し訳ありません」
深々と頭を下げるアルヴェード。ティコラセーヌは立ち上がり、こう返した。
「アルヴェード、アルヴェード、そんな事言わないで。私、幸せだよ?」
しかし、ティコラセーヌの心にアルヴェードからの最初のアプローチを受けた頃の恐怖がよみがえる。
「で、でも、私、こわかったかもしれない。ううん、こわかった。いつ貴方が財閥の力を振りかざして来るかって。だけど、アルヴェード、私、貴方を嫌いじゃない!エリザータに取られて悔しいの!!」
「嬉しいですね」
「け、けど、疲れちゃってる自分もいる。こわかった頃の気持ちもそうだし、今は、エリザータが嫌って気持ちとずっと戦うのも。だから、もし、いいのならアルヴェードとはここまでにしたい」
「そうですよね?貴女との別れも、覚悟の上でした。今まで、本当に申し訳ありませんでした」
そのやり取りをエリザータは戸惑いながら聞いていた。そして、思わず口を挟んだ。
「な、何で急に別れ話になるのよ?」
アルヴェードは、そんなエリザータに向き合う。そして、こう切り出した。
「それは、エリザータ、貴女が私に本当の恋を教えてくれたからです」
「え?私が?本当の恋?」
「はい。ここ最近、貴女への想いが止まりませんでした。おそらく、私にとっての初恋です。貴女が妻になってよかったと思い始めています」
「勝手だわ!貴方、私を愛してないって前、言ったでしょ?」
「あの時は、そうでした。それは、曲げようもない事実です。しかし、状況は変わりました。エリザータ、貴女は気づいているでしょうか?貴女は、魅力的な女性へと変わった」
「え?」
「少なくとも、私にとっては貴女の魅力は、最上の物です」
エリザータは、言われている事がわからなかった。アルヴェードは、それでも声をかけ続ける。
「貴女の笑顔は、最高だ。それを引き出したのが私ではない事に忸怩たる思いも抱いています」
「笑顔」
短く返したエリザータに一時視線を外し、アルヴェードはセブレーノに向き合う。
「間違いなくセブレーノさん、貴方がエリザータの魅力を引き出した。本当に感謝しています」
「そんな意図はどこにもなかったよ?エリザータの旦那さん?」
「そうですか」
「だいたいね、君がしっかりしてないから彼女は傷ついたんだよ?」
「申し開きの言葉もありません」
「そんな君に、僕はエリザータを任せられないと思ってるよ。ここに来て君は妻への愛に目覚めたようだけど、僕は、君にエリザータを渡したくはないね」
「それで、いいのです。セブレーノさん、これからもエリザータを愛し、エリザータに愛されて構いません」
「え?」
セブレーノは、驚愕の表情を浮かべる。
「私は、エリザータに愛されたくなりました。しかし、それを強制する事など出来ません。なので、今まで通り貴方の元へと行くエリザータを止めません。私は、エリザータの夫として、妻の身分を保証する事に専念しようと思います」
「驚いたね。そんな事を考えていたなんて」
「セブレーノさん、これからもエリザータをよろしくお願いいたします」
アルヴェードは再び深々と頭を下げた。しばらくすると、アルヴェードは頭を上げ、エリザータに微笑んだ。
「クルーサム財閥とルルコス銀行の関係性を考えたら、エリザータ、貴女と離婚する事はリスクと考えます。なので、苦しい結婚生活から解放して差し上げる事は出来ません。その代わり、自由な恋愛を私が保証します。だから、これからも妻として私と暮らしてください。お願いいたします」
「アルヴェード」
エリザータの心はアルヴェードの普段見せない態度に揺れた。それ故、アルヴェードの言う事を拒絶出来なかった。
「本当に、セブレーノとこれからも仲良くしていいの?」
「それは、一向に構いません。何故なら、私もずっとティコラセーヌと密会を続けていた身ですから。私がよくて、貴女は駄目と言う事は、筋が違うと考えています。心ゆくまで、セブレーノさんと愛し合ってください」
「わ、わかったわ。そ、その、これからもよろしくお願いいたします」
その後、ティコラセーヌとセブレーノは、アルヴェードとエリザータの自宅を後にした。ティコラセーヌは、気丈に振る舞い、アルヴェードと別れたが、今までの事を思い、次第に涙を流す。傍らにいたセブレーノは、こう声をかける。
「君、ティコラセーヌちゃんって言ったね?ここで出会ったのも何かの縁だ。これから友達にならないかい?」
ティコラセーヌの涙は止まる。そして、こう返した。
「いいんですか?」
「いいよ?」
「なら、お願いします」
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