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第13話 主人公
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教室に生徒たちの話し声が響いていた。
「はあー、今日から授業なんだろーだるいなー」
「ははは!そう言うなよ、終わったら、ゲームセンターでも行こうぜ!」
「いいな!どこのゲームセンター?」
「ねえねえ!ここにさ最近カフェが出来たんだよー、行かない?」
「え!本当?!どんなカフェ?てか、どこどこ?」
「えーっとね…あった!ここ、ここ!」
「ええーめっちゃ可愛い!しかも美味しそう!」
「でしょ!行かない?ねえねえ!」
「行きたい!行こうー!!」
男子も女子も友達が出来たのだろう…楽しそうな姿が俺の目に映っていた。
(はぁー、家でゴロゴロしたいー、外なんて出たくないー暑いしー)
俺は家でダラダラすることを想像しながら、寝ようとしていた。すると…
「神城さん!起きてください!」
誰かに呼ばれた。顔を上げるとそこには、花宮さんが立っていた。
「どうしたの?花宮さん」
「あのね、この写真を神城さんに見せようと思って…」
「ん?」
花宮さんが見せてくれた写真は、猫が畳の上でゴロゴロしている写真だった。
「わぁ!可愛いねーこの子、花宮さんのとこの猫?」
「そうなんです!もう、とーーーーっても可愛くて、いつ見ても癒されるんですよー」
すごく嬉しそうに俺に話してくれる。若干、圧が凄いが、猫が好きなのだと言うことが伝わってくる。ヘニャヘニャな顔で猫の写真を見返していた。
「あはは!その猫が好きなのが分かるよー」
「え!そ、そんなに分かりますか?」
「分かるよー顔に『この猫好きー』って書いてあるもん」
「えええええ!!」
本人は気づいていなかったらしい。自分の頬をフニフニさせながら、顔の表情を確認していた。
俺と花宮さんは入学式以降、話すことが多くて、よく、彼女から話しかけてくれている。俺にとって、友達第1号であり、このゲームの世界のヒロインでもあるため、なるべく仲良くしてもらいたいと思っていた。だから、彼女から話しかけてもらえてることに感動していた。
そして、このクラスには花宮さんのようなヒロインの他に大事な人物がいる。それは…
「うぉぉぉぉぉぉおおああああ!!!まーーーにーーーあっーーーーーえーーーー!!」
凄い叫び声を上げながら誰かが入ってきた。
「はぁーーーあっぶねー!!間に合ったー!」
「ちょっと!!先に走らないでよ!!」
「待ってよーー置いてかないでーー」
男子1名と女子2名が息を切らしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、あんた…は、速すぎよ…全く…はぁ、はぁ…」
「ご、ごめん!急がないとって思って…」
「も、もう…動け…ない……ガクッ」
「「わぁぁぁああああ?!!風香ーー!!」」
これは毎朝の出来事である。
この3人、毎回遅刻しかけている。というか、多分男子が寝坊かなんかして、遅れてしまいそうになっているのだろう。
毎回、男子が女子2人に怒られている。
「あの3人やっと来たねー、毎朝、あんな感じで大丈夫なのかな?」
(花宮さんは優しいなー)
「大丈夫だと思うよー、男子はともかく、女子の2人はしっかり者っぽいし」
俺は、男子をほっといて、女子の2人を褒めた。
「大丈夫?風香」
「うん!ありがとう!梓ちゃん!」
「ごめんなー、風香」
「ううん!大丈夫だよ?翔くん」
なんか、仲良さそうな雰囲気に変わった。
男子の名前は、轟 翔(とどろき かける)、熱血で、元気が取り柄の男子。勝負事が大好きで、よくクラスの人たちに色んなことで勝負している。スポーツが好きで、バスケ部とサッカー部に所属しているらしい。
1人の女子の名前は、若葉 風香(わかば ふうか)、人見知りで引っ込み思案、けれど、誰よりも優しくて、ふわふわしている女子。しっかり者だが、ドジっ子でもある。見ているだけで癒されるキャラである。轟とは家が近所で幼馴染らしい。
もう1人の女子の名前は、神楽坂 梓(かぐらざか あずさ)、凛とした立ち振る舞いに、物事をハキハキと話すタイプの女子。曲がったことが嫌いで、嘘をつく人も嫌い。正直者がいいと言うことらしい。轟とは、小学生の時に同じクラスになって、仲良くなってから、一緒に遊ぶ仲らしく、若葉と共に轟を起こすのが日課になっているらしい。起こすために早く家を出ているのは、彼女の隠れた優しさだと、俺は思う。
何でこんなに3人のことを知っているかと言うと、この3人が主人公とメインヒロインで俺はゲームを何周もしていたからだろう、覚えてしまった。
因みに、『きみなつ』はハーレムエンドがなくて、結ばれるのは、1人だけだった。また、付き合っても、次の章までに好感度を上げ続けないと、別れてしまうという、現実に似た仕様になっていた。だから、そのゲームの世界にいる俺は、別れたり、付き合ったりするこいつらを見続けることになる。何が言いたいか分かるかい?こいつらの親友となる俺は、そのいちゃつきを見続けることになるのだ!!ある意味地獄である。
さらには、俺と仲良くしてくれている花宮さんもヒロインの1人だ!つまり、轟と付き合う可能性がある!と言うことだ。別に付き合うことはいいのだが、俺にも春が欲しい…モテないのが悲しい……
ま、そんなことは置いといて、主人公たちが元気に笑顔で生きていけるように、サポートするのが俺の役目。このゲーム、ヒロインたちが危険な目にあったり、悩みがあったりする。
それを解決しないと、バッドエンドにいってしまう。それだけは行かせたくない!
何せここ、現実ですから!
傷ついている姿見たくないんで!
と、まあ、『きみなつ』のガチゲーマーで、ファンだった俺は、みんなを助けるって決めたのだった。
轟と神楽坂さん、若葉さんの3人がやいのやいのと遊んでいるところに、俺は突撃することにした。
「なあ!」
「「「ん?」」」
「俺とも遊んでくれないか?」
「えーっと…」
「あ、わりぃ、名前言ってなかったな、俺は白鳥 玲、よろしく!」
「あ、ああ!俺は轟 翔!よろしくな、白鳥!」
「……神楽坂 梓、まあ、よろしく」
「よ、よろしくお願いします。わ、若葉 風香です……」
「轟達はいつも、遅れそうになってるよなー?大丈夫なのかー?」
「あははは!まあ、何とか?」
「いや、あんたがすぐに起きないからでしょ!!だから!私も風香も走らざるを得ないのよ!!バカ!」
「うぐっ……」
神楽坂さんに正論を言われ、何も言い返せ無さそうな轟。その姿にオロオロとする若葉さん。
見てるとやっぱり、仲がいいんだなーと思った。だから、
「仲良いなー3人とも」
「仲良くなんてしてないわよ!」
神楽坂さんがすぐに反応した。
「あはははは!!くっくっくっ……やっぱり面白いや!あははは」
俺は笑いを堪えきれず、笑い続けていた。
「白鳥くん!笑いすぎよ!!」
「ごめんごめん!いやー、これからの学校生活が楽しみだー!」
「ははは!安心しろ白鳥!俺が退屈なんかなさせねえぜー!楽にだらけて生きるのさー!…いて!」
神楽坂さんに叩かれる轟。痛そうに頭をさすっていた。
(絶対、助けて、みんなを幸せにする!俺以外が幸せにならないなんて絶対にさせるもんか!!)
俺は3人と話しながら、そう決意した。
※あとがき
ゲームの主人公とメインヒロイン達に接触!
ちゃんと友達になれそうです!!
次回、友達大事!
お楽しみに!
「はあー、今日から授業なんだろーだるいなー」
「ははは!そう言うなよ、終わったら、ゲームセンターでも行こうぜ!」
「いいな!どこのゲームセンター?」
「ねえねえ!ここにさ最近カフェが出来たんだよー、行かない?」
「え!本当?!どんなカフェ?てか、どこどこ?」
「えーっとね…あった!ここ、ここ!」
「ええーめっちゃ可愛い!しかも美味しそう!」
「でしょ!行かない?ねえねえ!」
「行きたい!行こうー!!」
男子も女子も友達が出来たのだろう…楽しそうな姿が俺の目に映っていた。
(はぁー、家でゴロゴロしたいー、外なんて出たくないー暑いしー)
俺は家でダラダラすることを想像しながら、寝ようとしていた。すると…
「神城さん!起きてください!」
誰かに呼ばれた。顔を上げるとそこには、花宮さんが立っていた。
「どうしたの?花宮さん」
「あのね、この写真を神城さんに見せようと思って…」
「ん?」
花宮さんが見せてくれた写真は、猫が畳の上でゴロゴロしている写真だった。
「わぁ!可愛いねーこの子、花宮さんのとこの猫?」
「そうなんです!もう、とーーーーっても可愛くて、いつ見ても癒されるんですよー」
すごく嬉しそうに俺に話してくれる。若干、圧が凄いが、猫が好きなのだと言うことが伝わってくる。ヘニャヘニャな顔で猫の写真を見返していた。
「あはは!その猫が好きなのが分かるよー」
「え!そ、そんなに分かりますか?」
「分かるよー顔に『この猫好きー』って書いてあるもん」
「えええええ!!」
本人は気づいていなかったらしい。自分の頬をフニフニさせながら、顔の表情を確認していた。
俺と花宮さんは入学式以降、話すことが多くて、よく、彼女から話しかけてくれている。俺にとって、友達第1号であり、このゲームの世界のヒロインでもあるため、なるべく仲良くしてもらいたいと思っていた。だから、彼女から話しかけてもらえてることに感動していた。
そして、このクラスには花宮さんのようなヒロインの他に大事な人物がいる。それは…
「うぉぉぉぉぉぉおおああああ!!!まーーーにーーーあっーーーーーえーーーー!!」
凄い叫び声を上げながら誰かが入ってきた。
「はぁーーーあっぶねー!!間に合ったー!」
「ちょっと!!先に走らないでよ!!」
「待ってよーー置いてかないでーー」
男子1名と女子2名が息を切らしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、あんた…は、速すぎよ…全く…はぁ、はぁ…」
「ご、ごめん!急がないとって思って…」
「も、もう…動け…ない……ガクッ」
「「わぁぁぁああああ?!!風香ーー!!」」
これは毎朝の出来事である。
この3人、毎回遅刻しかけている。というか、多分男子が寝坊かなんかして、遅れてしまいそうになっているのだろう。
毎回、男子が女子2人に怒られている。
「あの3人やっと来たねー、毎朝、あんな感じで大丈夫なのかな?」
(花宮さんは優しいなー)
「大丈夫だと思うよー、男子はともかく、女子の2人はしっかり者っぽいし」
俺は、男子をほっといて、女子の2人を褒めた。
「大丈夫?風香」
「うん!ありがとう!梓ちゃん!」
「ごめんなー、風香」
「ううん!大丈夫だよ?翔くん」
なんか、仲良さそうな雰囲気に変わった。
男子の名前は、轟 翔(とどろき かける)、熱血で、元気が取り柄の男子。勝負事が大好きで、よくクラスの人たちに色んなことで勝負している。スポーツが好きで、バスケ部とサッカー部に所属しているらしい。
1人の女子の名前は、若葉 風香(わかば ふうか)、人見知りで引っ込み思案、けれど、誰よりも優しくて、ふわふわしている女子。しっかり者だが、ドジっ子でもある。見ているだけで癒されるキャラである。轟とは家が近所で幼馴染らしい。
もう1人の女子の名前は、神楽坂 梓(かぐらざか あずさ)、凛とした立ち振る舞いに、物事をハキハキと話すタイプの女子。曲がったことが嫌いで、嘘をつく人も嫌い。正直者がいいと言うことらしい。轟とは、小学生の時に同じクラスになって、仲良くなってから、一緒に遊ぶ仲らしく、若葉と共に轟を起こすのが日課になっているらしい。起こすために早く家を出ているのは、彼女の隠れた優しさだと、俺は思う。
何でこんなに3人のことを知っているかと言うと、この3人が主人公とメインヒロインで俺はゲームを何周もしていたからだろう、覚えてしまった。
因みに、『きみなつ』はハーレムエンドがなくて、結ばれるのは、1人だけだった。また、付き合っても、次の章までに好感度を上げ続けないと、別れてしまうという、現実に似た仕様になっていた。だから、そのゲームの世界にいる俺は、別れたり、付き合ったりするこいつらを見続けることになる。何が言いたいか分かるかい?こいつらの親友となる俺は、そのいちゃつきを見続けることになるのだ!!ある意味地獄である。
さらには、俺と仲良くしてくれている花宮さんもヒロインの1人だ!つまり、轟と付き合う可能性がある!と言うことだ。別に付き合うことはいいのだが、俺にも春が欲しい…モテないのが悲しい……
ま、そんなことは置いといて、主人公たちが元気に笑顔で生きていけるように、サポートするのが俺の役目。このゲーム、ヒロインたちが危険な目にあったり、悩みがあったりする。
それを解決しないと、バッドエンドにいってしまう。それだけは行かせたくない!
何せここ、現実ですから!
傷ついている姿見たくないんで!
と、まあ、『きみなつ』のガチゲーマーで、ファンだった俺は、みんなを助けるって決めたのだった。
轟と神楽坂さん、若葉さんの3人がやいのやいのと遊んでいるところに、俺は突撃することにした。
「なあ!」
「「「ん?」」」
「俺とも遊んでくれないか?」
「えーっと…」
「あ、わりぃ、名前言ってなかったな、俺は白鳥 玲、よろしく!」
「あ、ああ!俺は轟 翔!よろしくな、白鳥!」
「……神楽坂 梓、まあ、よろしく」
「よ、よろしくお願いします。わ、若葉 風香です……」
「轟達はいつも、遅れそうになってるよなー?大丈夫なのかー?」
「あははは!まあ、何とか?」
「いや、あんたがすぐに起きないからでしょ!!だから!私も風香も走らざるを得ないのよ!!バカ!」
「うぐっ……」
神楽坂さんに正論を言われ、何も言い返せ無さそうな轟。その姿にオロオロとする若葉さん。
見てるとやっぱり、仲がいいんだなーと思った。だから、
「仲良いなー3人とも」
「仲良くなんてしてないわよ!」
神楽坂さんがすぐに反応した。
「あはははは!!くっくっくっ……やっぱり面白いや!あははは」
俺は笑いを堪えきれず、笑い続けていた。
「白鳥くん!笑いすぎよ!!」
「ごめんごめん!いやー、これからの学校生活が楽しみだー!」
「ははは!安心しろ白鳥!俺が退屈なんかなさせねえぜー!楽にだらけて生きるのさー!…いて!」
神楽坂さんに叩かれる轟。痛そうに頭をさすっていた。
(絶対、助けて、みんなを幸せにする!俺以外が幸せにならないなんて絶対にさせるもんか!!)
俺は3人と話しながら、そう決意した。
※あとがき
ゲームの主人公とメインヒロイン達に接触!
ちゃんと友達になれそうです!!
次回、友達大事!
お楽しみに!
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