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第15話 悩みに悩む乙女
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「ういーおはようさんさんま、玲ー」
「おーっすおはようさん、翔」
朝の挨拶をしながら教室に入ってきたのは、翔だった。そして…
「もう、速いわよ、そんなに急ぐ必要ないでしょ?」
「ふぅふぅー、疲れたよー、翔くん速いよー」
若葉さんと神楽坂さんの2人が入ってきた。
「あ!」
「……」
若葉さんと神楽坂さんの2人と目が合った。
「おはよう…2人とも」
「…おはよう」
「おはよう…ございます…」
あの音楽室の時以来、俺は2人とは話さないようにしていた。気まずいからっていう理由と多分、俺が怖いのだろう。だから、俺も彼女達も挨拶するぐらいだ。
(はぁー、どうしても気まずいなー)
俺は少ししょんぼりしながら過ごしていた。
(ふぅー、今日の授業、終わったー)
背伸びをして、リラックスした俺は、今日起こるイベントを思い出していた。
(今日って確か、花宮さんのイベントが起こるよね?翔…大丈夫かなー?)
俺はまだ教室にいた翔の方を見た。今回のイベントは、花宮さんの大事なものがなくなるって言うハプニングだ。花宮さんは母子家庭で、亡くなったお父さんからもらった形見を無くしてしまう。その形見を探していた花宮さんを翔が見つけて、声をかける。事情を知った翔は一緒に探すことにした。でも、見つからなくて、諦めかけていた時に、俺が登場!!翔と一緒に探すことになるのだが、俺との会話でヒントを得て、翔が形見を見つけるっていうシナリオだ。
(俺が何とかヒントを伝えなくちゃいけないんだよなーできるかな?てか、伝わるのか?)
俺は、ゲームの通りに動くことにした。
「あ、あれ?……うそ…」
花宮さんがあたふたとし出した。
(あ、多分、落としたな)
俺はそれを確認すると、他のところに移動した。
(頼むぞー翔ー、花宮さんを助けろよー)
俺は願いながら、持ち場に向かった。
◾️翔 視点
「はぁー、疲れたーもう、勉強は嫌だー」
俺は、友達に授業の愚痴を言っていた。すると…
「ない……ない…どこ行ったのー?」
女子が廊下で何かを探しているようだった。
俺は気になって声をかけた。
「あのー、なんか探してる?」
「え?」
振り返ってきたその子は、泣きそうな焦ったような表情で俺を見ていた。
「何か探してる?」
「は、はい!私のストラップで…大事なものなんです。」
とても大事なものだってことが伝わってきた。
「どこらへんで落としたか分かる?」
「いえ…」
「分かった、俺も探す!」
「ええ?!で、でも、ご迷惑じゃあ?」
「何言ってんの?1人より2人で探した方が早いじゃん!」
「いいんですか?なら、お願いします…」
「オッケー!あ、俺、轟 翔!そっちは?」
「私は、花宮 桜です。あのー同じクラスですよね?私、1-2です。」
「え!一緒じゃん!俺も1-2!同じクラスだったんだな!なら、これからよろしく!!」
「はい!」
「よし、探すぞー!!」
「お願いします!」
俺は花宮さんと一緒に探した。
「見つからねーなー」
「はい…」
俺たちは校舎のありとあらゆるとこを探した。職員室にも行ったが、なかった。
「見つからないなーどうしようか」
「そうですね…もう、大丈夫です!轟くんは家に帰ってください。あとは、私だけで…」
「いやいや、花宮さんだけ残して帰るわけないでしょ。とりあえず、もう少し探そう!!」
「はい!」
俺と花宮さんは探し続けた。
◾️玲 視点
(あの2人探してるのかな?)
俺は少し不安になったが、とりあえず、待つしかないので、待ち続けた。
原作のゲームの通りならば、旧校舎に続く階段に落ちているってことなんだが…
そのヒントを原作通りに出さないといけない。
(ん?あれか?)
ふと、廊下の先の先の方に2人の姿が見えた。
(来たか!よし、自然に!普通に!原作通りに!)
俺は、2人に接触しようと向かった。
「あれあれ?お二人さん何してるのーん?」
「玲!」
「白鳥くん!」
2人とも俺が今、突然出会ったと思っているようだ。待ち伏せしてたなんて知られたら終わりだ。
「俺ら探し物しててさ…なんか知らね?」
「探し物?どんな?」
「ストラップなんだけれど…」
「ふむ…知らないなー」
「そうか…」
「早く帰った方がよさそうだぞー、ほら、雨降りそうだし」
俺がそう言うと、2人とも外を見た。空はどんより曇りだった。雨が降りそうなのは確かだった。
「でも…」
「なら、あと30分ぐらいで切り上げたらどう?それまで探して、見つからなかったら、そこまで、また、明日探そう!それでどう?」
「うん!それでお願い!」
(よし!原作通りだ!)
「じゃあ、俺はこれでー…ぐぇっ!」
「待て待て、玲!お前も一緒に探せー」
「ええ!何で俺までー」
「いいから!3人の方が見落とさないだろ?」
「うう…分かったよー」
「ありがとう!2人とも」
俺たちは旧校舎の方へ向かった。
「よし!探すかー」
「「おーー!!」」
「とりあえず、俺あっち探すから、花宮さんはそっちお願い!で、翔は向こうの方探してなー
階段とかあるから、気をつけて!」
「おう!まかせろー」
「分かった!」
「おい!翔!花宮さん!しっかり探せよー隅々までな!階段の床とか、廊下の端っことかさ!」
「当たり前だ!てか、お前こそちゃんと探せよー」
そう言い合うと、それぞれ持ち場で探し始めた。
(よし!釘を刺せたぞ!多分これで、見つかるはず!あとは、タイミング見て帰ろ)
俺は2人を置いて、旧校舎を抜けた。
◾️翔 視点
「ないなー」
俺は旧校舎の隅々を探していた。
「こっちもないです。どこ行ったんだろう?」
もうすぐ30分経つ。これ以上探すと、暗くなるから、終わらないといけない。
「ふーむ…仕方ない…か」
「ですね…ありがとうございます!探してくれて…もう、大丈夫です。」
「うん…帰ろうか…って玲はどこ行った?」
「あれ?」
玲の姿がなかった。
「あいつ…まさか、帰ったか?」
「ええ!ま、まあ、最後まで助けてくれるって決まってるわけではないですもんね」
少しがっかりしてしまった。あいつがそんな薄情者だったとは。
「ん?」
俺はそこで、1つ思い出した。
「どうかしました?」
「いや、階段とか探してなかったなーって、いや、ほら、玲が探せよーって言ってたから。あと、それだけ見ていいかな?」
「はい!大丈夫です。見に行きましょう!」
俺たちは奥の階段に向かった。
「ふーーーむ……ん?」
何かキラッと光るものが見えた。まさか…
俺は駆け寄ってそれを拾った。それは…
ストラップだった。
「あ!花宮さん!」
「は、はい!」
「これ?花宮さんの大事なストラップ」
「あ!はい!それです!良かったーー」
花宮さんの大事なストラップが見つかった。花宮さんにそれを渡すと、しゃがみ込んで、そして…
「ふぇぇぇえええええええん!!」
泣き出してしまった。
「うぇぇええ?!大丈夫?」
「は、はい……ぐすん、良かったぁぁぁああ」
安心したような表情で俺を見た。良かったって安堵した。
「まさか、こんなとこにあるとは…」
「もしかすると、前にここに先生から頼まれたものを取りに来た時に落としたのかもしれません!本当にありがとうございました。」
「いえいえー、まあ、ある意味さ…」
「はい…」
「玲のおかげだね?」
「!…確かにそうですね!今度お礼言います。」
「うん!よし!帰ろう!」
「はい!」
俺たちは、旧校舎を出て、家に帰った。
◾️桜 視点
(はぁー、良かったー)
何とかストラップを見つけることができて、私は安心していた。
(轟くん優しいなー)
ずっと、私の無くしものを一緒に探してくれた。笑顔が素敵な男の子。
(嬉しかったなー、それに、白鳥くんも手伝ってくれたし、ありがたかったなー)
私は2人に助けてもらって嬉しくなった。
そんなルンルン気分で私は家に帰った。
次の日、学校に着いた私は、教室に向かおうとしていた。その時!
「言いがかりはやめてよ!」
「え?」
私は女の子の怒鳴り声が聞こえた。周りを見渡しても、そんな怒鳴り声をあげている生徒はいなかった。
(ど、どこから?)
もう少し、周りをよく見ると、北校舎の裏で揉めている姿が見えた。
(あそこだ!)
私はその校舎裏に向かった。
「言いがかりやめてくんない?」
「言いがかりじゃないけれど?」
女の子の声と男の子の声が聞こえてきた。
覗くと、そこには…
「!!!」
そこにいたのは、誰か知らない女の子と…
(白鳥くん?!)
男の子は白鳥くんだった。
(な、なんで喧嘩してるの?と、止めた方が…)
そう思ったその時だった…
「花宮さんのストラップ、取ったのお前だろって言ってんだけれど?」
(!!!うそ…)
私はあまりに突然のことで驚いた。
(私のストラップを取ったのが、あの子ってこと?本当に?)
「ふん!私がやったって言う証拠あるのかよ」
「うん、これ」
白鳥くんが何かを見せていた。それを見た女の子の顔が青ざめていった。
「な、なんで…」
「新聞部の人が撮っていた写真にたまたま映ってた。その写真をお借りしただけー」
「なっ…!くっ…」
「観念してくださいねー、言い逃れなんてできないですよー」
「このっ…!何が目的だよ!」
「俺はただ、花宮さんが悲しむようなことしてほしくないだけだよ。もう、2度とやっちゃあいけないよ?」
「……くっ…分かったよ!やらねぇよ!」
そう言って怒りながら、女の子は去っていった。
私はすごくモヤモヤした気持ちで、教室に入った。すると…
「あ!桜ー見つかったん?」
私の親友、真名川 楓 (みながわ かえで)が私に声をかけてきた。
「う、うん!見つかったよ!ほら!」
私はカバンについているストラップを見せた。
「良かったねー白鳥くんに見つけてもらったの?」
「ううん、轟くん」
「そうなんだー、結局、白鳥くん見つからなかったのか」
「ねえ、どうして、白鳥くんなの?」
「ん?だって、昨日、白鳥くんがね聞いてきたんだー」
「何を?」
「『花宮さんのストラップ知らない?』って」
「!!!!それ本当?」
「うん!昨日、真剣な顔でそう聞いてきたよー」
(私のストラップがないのに気づいていたんだ)
「私は知らないって言ったらさ『じゃあ、この人知ってる?』って聞いてきてさ」
そう言って、楓が私に見せてきたのは、朝、白鳥くんと言い合いをしていた女の子だった。
「ああーこの人、目をつけた人をいじめる人だよーって言ったら、『分かった…ありがとう』って言ってた。いつも以上に真剣な顔だったよー」
私は、このストラップを自分の不注意で落としたと思っていた。でも…
(この人が私のストラップをどこかに捨てたんだ!それで、白鳥くん探すために…)
私は、彼がここまでしてくれていたことに驚いた。でも、本当に彼が犯人を探していたのか、決定的なことが分からなかったため、最後に新聞部に聞いた。
「あー白鳥くん?聞いてきたよーこのストラップ知らないかって、それと、この人を教えて欲しいって、それで、私、そのストラップ見たことあるって言って、この写真見せたの」
そう言って見せてくれた写真は、白鳥くんがあの人に見せていた写真だった。
(これで確定した。あの人が私のストラップを取ったんだ。それに気づいた白鳥くんが昨日探し続けてくれてたんだ!だから、旧校舎にいたのかな?あそこって普段行くような場所じゃないし……白鳥くん……)
私の心が温かくなった。
私の中にある心が激しく高鳴り出した。
※あとがき
花宮さんのイベント無事解決!
とはいえ、なんか白鳥くんの暗躍バレてますねー、彼、結構隠れたところで頑張ってたんですね?ついでに、これ、原作では何も書かれてなかったんです。まあ、つまり、彼の独断の判断でやっちゃったんですねー
さて、原作とちょっと違う行動を隠れてやっちゃった白鳥くん。一体この後の物語にどう影響するのかー
次回、 家族会議
お楽しみにー
「おーっすおはようさん、翔」
朝の挨拶をしながら教室に入ってきたのは、翔だった。そして…
「もう、速いわよ、そんなに急ぐ必要ないでしょ?」
「ふぅふぅー、疲れたよー、翔くん速いよー」
若葉さんと神楽坂さんの2人が入ってきた。
「あ!」
「……」
若葉さんと神楽坂さんの2人と目が合った。
「おはよう…2人とも」
「…おはよう」
「おはよう…ございます…」
あの音楽室の時以来、俺は2人とは話さないようにしていた。気まずいからっていう理由と多分、俺が怖いのだろう。だから、俺も彼女達も挨拶するぐらいだ。
(はぁー、どうしても気まずいなー)
俺は少ししょんぼりしながら過ごしていた。
(ふぅー、今日の授業、終わったー)
背伸びをして、リラックスした俺は、今日起こるイベントを思い出していた。
(今日って確か、花宮さんのイベントが起こるよね?翔…大丈夫かなー?)
俺はまだ教室にいた翔の方を見た。今回のイベントは、花宮さんの大事なものがなくなるって言うハプニングだ。花宮さんは母子家庭で、亡くなったお父さんからもらった形見を無くしてしまう。その形見を探していた花宮さんを翔が見つけて、声をかける。事情を知った翔は一緒に探すことにした。でも、見つからなくて、諦めかけていた時に、俺が登場!!翔と一緒に探すことになるのだが、俺との会話でヒントを得て、翔が形見を見つけるっていうシナリオだ。
(俺が何とかヒントを伝えなくちゃいけないんだよなーできるかな?てか、伝わるのか?)
俺は、ゲームの通りに動くことにした。
「あ、あれ?……うそ…」
花宮さんがあたふたとし出した。
(あ、多分、落としたな)
俺はそれを確認すると、他のところに移動した。
(頼むぞー翔ー、花宮さんを助けろよー)
俺は願いながら、持ち場に向かった。
◾️翔 視点
「はぁー、疲れたーもう、勉強は嫌だー」
俺は、友達に授業の愚痴を言っていた。すると…
「ない……ない…どこ行ったのー?」
女子が廊下で何かを探しているようだった。
俺は気になって声をかけた。
「あのー、なんか探してる?」
「え?」
振り返ってきたその子は、泣きそうな焦ったような表情で俺を見ていた。
「何か探してる?」
「は、はい!私のストラップで…大事なものなんです。」
とても大事なものだってことが伝わってきた。
「どこらへんで落としたか分かる?」
「いえ…」
「分かった、俺も探す!」
「ええ?!で、でも、ご迷惑じゃあ?」
「何言ってんの?1人より2人で探した方が早いじゃん!」
「いいんですか?なら、お願いします…」
「オッケー!あ、俺、轟 翔!そっちは?」
「私は、花宮 桜です。あのー同じクラスですよね?私、1-2です。」
「え!一緒じゃん!俺も1-2!同じクラスだったんだな!なら、これからよろしく!!」
「はい!」
「よし、探すぞー!!」
「お願いします!」
俺は花宮さんと一緒に探した。
「見つからねーなー」
「はい…」
俺たちは校舎のありとあらゆるとこを探した。職員室にも行ったが、なかった。
「見つからないなーどうしようか」
「そうですね…もう、大丈夫です!轟くんは家に帰ってください。あとは、私だけで…」
「いやいや、花宮さんだけ残して帰るわけないでしょ。とりあえず、もう少し探そう!!」
「はい!」
俺と花宮さんは探し続けた。
◾️玲 視点
(あの2人探してるのかな?)
俺は少し不安になったが、とりあえず、待つしかないので、待ち続けた。
原作のゲームの通りならば、旧校舎に続く階段に落ちているってことなんだが…
そのヒントを原作通りに出さないといけない。
(ん?あれか?)
ふと、廊下の先の先の方に2人の姿が見えた。
(来たか!よし、自然に!普通に!原作通りに!)
俺は、2人に接触しようと向かった。
「あれあれ?お二人さん何してるのーん?」
「玲!」
「白鳥くん!」
2人とも俺が今、突然出会ったと思っているようだ。待ち伏せしてたなんて知られたら終わりだ。
「俺ら探し物しててさ…なんか知らね?」
「探し物?どんな?」
「ストラップなんだけれど…」
「ふむ…知らないなー」
「そうか…」
「早く帰った方がよさそうだぞー、ほら、雨降りそうだし」
俺がそう言うと、2人とも外を見た。空はどんより曇りだった。雨が降りそうなのは確かだった。
「でも…」
「なら、あと30分ぐらいで切り上げたらどう?それまで探して、見つからなかったら、そこまで、また、明日探そう!それでどう?」
「うん!それでお願い!」
(よし!原作通りだ!)
「じゃあ、俺はこれでー…ぐぇっ!」
「待て待て、玲!お前も一緒に探せー」
「ええ!何で俺までー」
「いいから!3人の方が見落とさないだろ?」
「うう…分かったよー」
「ありがとう!2人とも」
俺たちは旧校舎の方へ向かった。
「よし!探すかー」
「「おーー!!」」
「とりあえず、俺あっち探すから、花宮さんはそっちお願い!で、翔は向こうの方探してなー
階段とかあるから、気をつけて!」
「おう!まかせろー」
「分かった!」
「おい!翔!花宮さん!しっかり探せよー隅々までな!階段の床とか、廊下の端っことかさ!」
「当たり前だ!てか、お前こそちゃんと探せよー」
そう言い合うと、それぞれ持ち場で探し始めた。
(よし!釘を刺せたぞ!多分これで、見つかるはず!あとは、タイミング見て帰ろ)
俺は2人を置いて、旧校舎を抜けた。
◾️翔 視点
「ないなー」
俺は旧校舎の隅々を探していた。
「こっちもないです。どこ行ったんだろう?」
もうすぐ30分経つ。これ以上探すと、暗くなるから、終わらないといけない。
「ふーむ…仕方ない…か」
「ですね…ありがとうございます!探してくれて…もう、大丈夫です。」
「うん…帰ろうか…って玲はどこ行った?」
「あれ?」
玲の姿がなかった。
「あいつ…まさか、帰ったか?」
「ええ!ま、まあ、最後まで助けてくれるって決まってるわけではないですもんね」
少しがっかりしてしまった。あいつがそんな薄情者だったとは。
「ん?」
俺はそこで、1つ思い出した。
「どうかしました?」
「いや、階段とか探してなかったなーって、いや、ほら、玲が探せよーって言ってたから。あと、それだけ見ていいかな?」
「はい!大丈夫です。見に行きましょう!」
俺たちは奥の階段に向かった。
「ふーーーむ……ん?」
何かキラッと光るものが見えた。まさか…
俺は駆け寄ってそれを拾った。それは…
ストラップだった。
「あ!花宮さん!」
「は、はい!」
「これ?花宮さんの大事なストラップ」
「あ!はい!それです!良かったーー」
花宮さんの大事なストラップが見つかった。花宮さんにそれを渡すと、しゃがみ込んで、そして…
「ふぇぇぇえええええええん!!」
泣き出してしまった。
「うぇぇええ?!大丈夫?」
「は、はい……ぐすん、良かったぁぁぁああ」
安心したような表情で俺を見た。良かったって安堵した。
「まさか、こんなとこにあるとは…」
「もしかすると、前にここに先生から頼まれたものを取りに来た時に落としたのかもしれません!本当にありがとうございました。」
「いえいえー、まあ、ある意味さ…」
「はい…」
「玲のおかげだね?」
「!…確かにそうですね!今度お礼言います。」
「うん!よし!帰ろう!」
「はい!」
俺たちは、旧校舎を出て、家に帰った。
◾️桜 視点
(はぁー、良かったー)
何とかストラップを見つけることができて、私は安心していた。
(轟くん優しいなー)
ずっと、私の無くしものを一緒に探してくれた。笑顔が素敵な男の子。
(嬉しかったなー、それに、白鳥くんも手伝ってくれたし、ありがたかったなー)
私は2人に助けてもらって嬉しくなった。
そんなルンルン気分で私は家に帰った。
次の日、学校に着いた私は、教室に向かおうとしていた。その時!
「言いがかりはやめてよ!」
「え?」
私は女の子の怒鳴り声が聞こえた。周りを見渡しても、そんな怒鳴り声をあげている生徒はいなかった。
(ど、どこから?)
もう少し、周りをよく見ると、北校舎の裏で揉めている姿が見えた。
(あそこだ!)
私はその校舎裏に向かった。
「言いがかりやめてくんない?」
「言いがかりじゃないけれど?」
女の子の声と男の子の声が聞こえてきた。
覗くと、そこには…
「!!!」
そこにいたのは、誰か知らない女の子と…
(白鳥くん?!)
男の子は白鳥くんだった。
(な、なんで喧嘩してるの?と、止めた方が…)
そう思ったその時だった…
「花宮さんのストラップ、取ったのお前だろって言ってんだけれど?」
(!!!うそ…)
私はあまりに突然のことで驚いた。
(私のストラップを取ったのが、あの子ってこと?本当に?)
「ふん!私がやったって言う証拠あるのかよ」
「うん、これ」
白鳥くんが何かを見せていた。それを見た女の子の顔が青ざめていった。
「な、なんで…」
「新聞部の人が撮っていた写真にたまたま映ってた。その写真をお借りしただけー」
「なっ…!くっ…」
「観念してくださいねー、言い逃れなんてできないですよー」
「このっ…!何が目的だよ!」
「俺はただ、花宮さんが悲しむようなことしてほしくないだけだよ。もう、2度とやっちゃあいけないよ?」
「……くっ…分かったよ!やらねぇよ!」
そう言って怒りながら、女の子は去っていった。
私はすごくモヤモヤした気持ちで、教室に入った。すると…
「あ!桜ー見つかったん?」
私の親友、真名川 楓 (みながわ かえで)が私に声をかけてきた。
「う、うん!見つかったよ!ほら!」
私はカバンについているストラップを見せた。
「良かったねー白鳥くんに見つけてもらったの?」
「ううん、轟くん」
「そうなんだー、結局、白鳥くん見つからなかったのか」
「ねえ、どうして、白鳥くんなの?」
「ん?だって、昨日、白鳥くんがね聞いてきたんだー」
「何を?」
「『花宮さんのストラップ知らない?』って」
「!!!!それ本当?」
「うん!昨日、真剣な顔でそう聞いてきたよー」
(私のストラップがないのに気づいていたんだ)
「私は知らないって言ったらさ『じゃあ、この人知ってる?』って聞いてきてさ」
そう言って、楓が私に見せてきたのは、朝、白鳥くんと言い合いをしていた女の子だった。
「ああーこの人、目をつけた人をいじめる人だよーって言ったら、『分かった…ありがとう』って言ってた。いつも以上に真剣な顔だったよー」
私は、このストラップを自分の不注意で落としたと思っていた。でも…
(この人が私のストラップをどこかに捨てたんだ!それで、白鳥くん探すために…)
私は、彼がここまでしてくれていたことに驚いた。でも、本当に彼が犯人を探していたのか、決定的なことが分からなかったため、最後に新聞部に聞いた。
「あー白鳥くん?聞いてきたよーこのストラップ知らないかって、それと、この人を教えて欲しいって、それで、私、そのストラップ見たことあるって言って、この写真見せたの」
そう言って見せてくれた写真は、白鳥くんがあの人に見せていた写真だった。
(これで確定した。あの人が私のストラップを取ったんだ。それに気づいた白鳥くんが昨日探し続けてくれてたんだ!だから、旧校舎にいたのかな?あそこって普段行くような場所じゃないし……白鳥くん……)
私の心が温かくなった。
私の中にある心が激しく高鳴り出した。
※あとがき
花宮さんのイベント無事解決!
とはいえ、なんか白鳥くんの暗躍バレてますねー、彼、結構隠れたところで頑張ってたんですね?ついでに、これ、原作では何も書かれてなかったんです。まあ、つまり、彼の独断の判断でやっちゃったんですねー
さて、原作とちょっと違う行動を隠れてやっちゃった白鳥くん。一体この後の物語にどう影響するのかー
次回、 家族会議
お楽しみにー
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