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自己紹介

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「どうだ?この国の兵士として活躍してみないか?」国王は真剣な顔で俺に問いかけた。活躍、一見前向きな言葉だが、兵士の活躍というのは命を懸けるということなんじゃないか?
 俺は考えた。年齢としては23でかなり若い方だが、まだ死にたくはない。ニートである俺にとっては職が見つかるのは嬉しいことだ。よし、決めた。
「やります!この国を脅威から守り抜きます!」俺は大きな声で宣言した。
「そうか!やってくれるか!なら明日から、訓練だ。」

 次の日

 訓練ってまさか筋トレとかなのか?と俺が不安になっていると、入り口まで一緒にいた女、つまり謎の女が来た。
「おはよう、良く眠れた?」女は聞いてきたので、俺は素直に答えた。
「ああ、ベッドは少し固かったが、ぐっすり眠れたよ。」
「それはよかった。今から訓練を行うが、その前に1つ言わしてもらおう。」女は睨んできたので俺は困惑した。
「な、なんだよ。」俺が少し不安になっているのに気づいたようで女は笑顔でこう言った。
「言っておくけど、あたしはあんたの先輩だから!敬語を使いなさい、敬語を!」
「おま、じゃなくてあなたが先輩って言うなら名前、教えて下さいよ。」俺は言い返してやったが、女はピクリとも動かずに、
「アスナだ。お前は?」と聞いてきた。

「俺は亮介!高崎亮介だ!」

「…変な名だな。」と女は苦笑。
「なっ!先輩こそアスナってどっかの漫画のキャラじゃないですか?」俺は今度こそ言い返してやった。

 訓練とは俺が想像していた過酷な修行とは少し違って、初日から実戦練習だった。まあ、受けてんの俺だけだけど。まずは剣の使い方からだった。
「亮介!お前手が震えてるぞ!」と上官が怒鳴る。んなこといっても寒いんだよ。

 1週間ほどで完璧に剣を使えるようになった俺は次に銃の使い方を習った。

「的を良く見て、引き金を引くだけだ!」と上官は言うけど、撃った瞬間吹き飛びそうになる。

 銃は2週間ほどで完璧に使いこなせるようになった。自分は才能があるのかもしれない、俺は本気で思い始めた。
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