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新たな災難の始まり?
裏切られてHされて?
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トランに精神支配され、囚われの身となったエムを救い出すべく、リンナ、ネイル、シノは、トラン邸に乗り込んだ。
そこに立ちはだかったのは、トランの命でエムの世話役になった双子の侍女、『マティ』と『ケティ』、そしてリーダーのシャイアを人質に取られた、徒党ラライラの4人
ネイルとシノはマティと対峙し、圧倒的強さに翻弄されていたが、そこにいきなりエムに襲われて失神したケティがすっ飛んで来て、マティと激突、2人は壁にめり込み戦闘不能に、その後ネイルとシノはどうなったのか現在不明。対してラライラ4人はリンナ1人に制圧された。
そんなリンナの元に現れたエム、しかしエムは、その言動から明らかに操られた状態だった。
リンナはエムを取り押さえ、その隙にシェーダがエムの背中の魔封印に魔力を流し込んだ。
目的は、エムにかけられているエルフの呪いを発動させて、彼女を悶絶させることに成功した。
そのまま空き部屋へ連れ込み、リンナはエルフの呪具を用いて、エムに掛けられた精神支配を解こうとする。
しかし…
リンナはエルフの呪具の凄まじさに悶絶してしまう。それでもなんとか耐え凌ごうとしたのも束の間、逆にリンナはエムに襲われ、呪具を奪われ、そして…
逆に返り討ちにされてしまった。
「いっ!、あっひっ!、んああっ!!、お、お姉さま!、ああ、ひやっ!、あ、ダメェ!、ダメなの!!、こんな、ああっ!!、イクッっお姉さま!、いっちゃう!!」
エムに腰を突き上げられ、リンナは悶えて泣きじゃくる。
リンナは悔しかった、エムを助けられない悔しさ、だけど嬉しくもあった。
繰り返し押し寄せる絶頂、あの夜、エムに呪具で愛された最初の日を思い出していた。
「ダメ…ダメ、もう、私、ああ、お姉さま……」
もう思考もままならない。
「…ごめんなさい…お姉さまぁ…」
……
「これはどういう事なんですか、シェーダ」
縛られたセリンが、シェーダに説明を求めていた。
「エムさんの事?」
「何がどうなっているの!?」
「まあ、コッチが聞きたい所だけどね。あなた達は、エルフに囚われていたんじゃないの?」
「……エルフ?」
セリンがポカンとする。
「ああ、やっぱり違うのね」
「???」
「あなた達を拘束しているのは誰?」
「そ、それは……」
「この屋敷の侍従長じゃなくて?」
セリンや、ほかのメンバーの目が泳ぐ
「シャイアはどこ?」
「………」
「セリン」
「い、言えない……」
シェーダはため息をついた。
「セリン、衛士隊や冒険者組合には、ラライラが禁制品の荷運びをしているのがバレてるわよ」
「なっ!?」
セリンは驚きと困惑に満ちた目で、シェーダを見つめた。
「私はあなた達がそんな馬鹿な真似をすると、思ってないわ、シャイアを人質に取られて、させられてるんじゃないの?」
「……」
セリンは奥歯を噛み締め、目を逸らした。
「……ここまで来て、なんで悪党を庇うのよ」
『悪党とは、人聞が悪い』
シェーダは驚いて声の方に振り返った。近くにいたのにまるで気配を感じなかった。
「本日は来客の予定は無かっと記憶しているのですが……こちらの手違いでしょうか、アルラマージのシェーダ殿」
「私のことを知ってるのね」
「それはまぁ、竜種お倒した冒険者等級Bのアルラマージの長殿はこの街では有名ですからな」
「あなたがこの屋敷の侍従長?」
「ええそうです。トラン様に面会……と言うわけではないようですな?」
「トランなんかどうでもいいわ、シャイアはどこ?」
「ほぅ?」
「だ、だめよシェーダ!、逃げて!!、その男は……」
「黙れ」
侍従長の目つきが変わる、その気配に、セリンは言葉を失い、シェーダは背筋が凍った。
「ラライラよ、冒険者のクセに荷運びもまともにできないのか?、それになんだその様は、それでも冒険者か?、4人がかりで賊の1人も倒せないとは、それじゃあお前達の愛する『お姉さま』とやらも、嘆き悲しむ事だろう」
「やっぱり、シャイアは人質になってるのね」
「人質?、なにを言っている、あの女は人質ではない、私の『性奴隷』だ」
「!?」
「毎晩、私のモノでよがり喘ぎ、「くださいください」と求めてくる、全くけしからんアバズレだよ」
「よくもシャイアを!!」
シェーダが、セリン達の魔法縛鎖を解いた。
「シェーダさん!?」
「私にもわかるわ、コイツはかなりヤバイ奴ね」
シェーダは、タクトを侍従長へと向けた。
対して侍従長は、シェーダの体を舐め回すように見た。
「ふむ、お前も実にけしからん身体をしているな。さぞ感度が良さそうだな」
「な、なにをいってんのよ!?」
「お前にも調教が必要なようだなアルラマージの長よ」
侍従長はニヤリと、いやらしく笑った
シェーダの背筋を悪寒が走る
「俺は強い女が好きだ、そう言った奴を屈服させて、犯すのが好きだ、あのシャイアとか言う女が恥辱に落ちる様はゾクゾクしたぞ?」
「こいつ、なんてゲスな男なの!?、セリン、この男を倒すわよ!」
「シェーダさん…無理よ」
そう言ったのはセリンでは無かった。
「え?」
バシッ!
「あ、うぁ……」
背中に衝撃を受けたシェーダ、膝から崩れ落ちた。
セリンが振り返ると、杖を掲げだソーニャが悲しい顔で目を逸らしていた。
「ソーニャ…」
それはソーニャがシェーダに放った睡眠魔法
昏倒し倒れ伏すシェーダ
「なんだ、やればできるではないか」
侍従長がニヤリと笑った
「シャ、シャイア姉さまに、これ以上ひ、酷い目にあって欲しくないの、ごめんなさいシェーダさん…ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい……」
魔法使いのソーニャは杖を落とすと、両手で顔を覆い、咽び泣いた。セリンも、ルールーも、ネネも、泣いていた。
それを見た侍従長は、フンと不満顔をする。
「興醒めだな。貴様ら、この女も地下牢に入れておけ、逃すような真似をするなよ……さて、他の連中もいたはずだが……」
ガチャっ
突然、侍従長の目の前の部屋の扉が開き、彼は思わず身構えた。しかしそれがエムだと知り、ため息をついて、構えを解いた。
「こんな所でなにをしている」
侍従長を冷めた目で見つめてくるエムに、彼はゾクリとした。
「…賊を捕らえました、この部屋に1人、2階に2人、侍女の2人は邪魔だったので眠ってもらいました」
「な、なに?、マティとケティをだと?」
「後はお任せします。私はトラン様のために、穢れた身体の禊ぎをして参ります……」
エムはそう言って、軽く会釈するとその場を立ち去って行く
侍従長は、唖然としていたが、ハッとして、部屋の中を慌てて覗く、ソファーの上であられも無い姿の女が1人、小さく喘ぎ倒れていた。
リンナだ
侍従長は慌てて部屋を出て、エムを呼び止めた
「ま、待て」
「何か」
「あ、いや、申し訳ありません。お手を煩わせました、え、エム様」
「気にしないで下さい、トラン様に仇なす者達を成敗したまでです」
侍従長は胸に手を当て深くお辞儀した。
……
街議会所、会議室。
組合庁舎建て替えの件で、熱した議論が繰り広げている最中、トランの席に、組合職員がやって来て、彼の前に折り畳まれた紙を置いた。
トランは訝しげにそれをそれを手に取り、開いて中を見る。
すると、目を散眼させ、突然席を立った。
「すまないが急用が入った、議論の途中で申し訳ないが失礼する」
退室するトランを目で追うスー
トランが一瞬笑ったのを見て、彼女は目を瞑った。
(あちゃー、あの子達、さては失敗したわね)
スーは心の中でそう呟いた。
……
バンっと正面玄関扉を強く開け放ったトラン
「おかえりなさいませ、トラン様」
トランを出迎えた侍従長
「失態だな」
トランは目を細めてそう言った。
「いえ、予想外はありましたが、こちらの思惑通り事は運びました」
「…賊は何人だ」
「4人です、アルラマージの長とその徒党の小娘1人、それからキンダー侯爵家の娘です」
「ネイルだと!?、なんでアイツが!?」
「それだけではありません、『夜のトバリの女店主』が恐らく主犯、こちらも捕らえておきました」
「なんなんだその取り合わせは…」
「私にはなんとも…いずれもエム様が取り押さえましたが」
トランが驚いていた。
「…お前が捕まえたのではないのか、エムに命じたのか?」
「エム様に命じる事ができるのはトラン様だけですが?」
「僕は命じていない」
「では、あれはエム様のご意思なのでは?、トラン様に仇なす者は許さないと申しておりましたが?」
「……そ、そうか、そうなのか?」
一瞬顔を下げて嬉しそうな顔をしたトランは、真顔に戻ると顔を再び上げた。
「エムはどうしている?」
「禊ぎが終わり、私室に戻られております。賊の処遇はいかがしますか?」
「……ネイルは屋敷に帰せ、キンダー家との問題は避けたい。他の奴らの処遇は、侍従長、お前に任せる」
「夜のトバリの女店主は解放した方がよろしいかと」
「なぜだ?」
「あの女は、貴族や、財界などと繋がりがあります。害すると厄介です」
「わかった、解放しろ、他は?」
「……他は、私めにお任せを」
胸に手を当て深くお辞儀をする侍従長、その顔はイヤラシく笑っていた。
………
自室のソファーに座り、目を瞑っているエム
(はてさて、コレはどうしたものかしら)
皆んな捕まっちゃたわ
って言うか、私のせいよね?
私よね
うん
ごめん
え?、ワタシ?、ワタシは並列思考のサブフレーム
メインフレームが、クソボケトランの精神支配下にあるので、意識だけの存在、残念だけど表には出れないわ
あー歯痒い
あーもう、なんであんな奴信じちゃったんだろ、ほんとワタシってば学習能力ないわー
その後 、彼女達がどうなったかと言うと、トランと侍従長の会話から推測するに、次の通り。
ネイルは家に戻されたみたい。ワタシも知らなかったけど、彼女、侯爵の娘だったのね。
トランは辺境地域領主の三男坊ではあるけど伯爵家、どう言うわけかネイルの所より格下なのよね。
あとシノもネイルと一緒に解放された、理由は後で述べるとして、リンナも解放された。
問題は、シェーダ
彼女が侍従長の人質となってしまったようだわ
解放した3人に対する口止め、全部侍従長の差し金、あのおっさん本当卑劣な奴よね。
当のトランは、アイツ任せで、良いように使われてる感じがするし。どうも、ラライラの事も知らないっぽい。
それと、まさかラライラがこの屋敷に居るとは思ってもいなかった。どうやらシャイアを人質に捕られ、侍従長の言いなりになってるみたいだわ。
シェーダも地下牢とやらで、慰み者にされてるみたいだし……
はあ、ほんとひどい世界
この世界の男共は、総じて去勢した方がいいわよね?
ワタシは今日も朝からトランの性欲の吐口にされて、ヤラらて、ヤられて、何故かキレて殴られてる。
これもう典型的なDVよね。
何が不満なんだか…痛いんですけど、お風呂で染みるんですけど。
ケティとマティは、ワタシがあんな酷いことしたのに、何故かさらに優しくなった。
うーん、なんの効果?
でも少し光明が見えて来た、リンナが持ち込んだエルフの呪具”寄生チンP”
フッフッフッ
アレを装備しても、何故かクソエルフのヤラシイ呪いが発動しない。
何か鍵になるのかも?
相変わらず、触手攻撃でお尻の穴がムズムズするけどね。
それも嵌めてる間は、精神支配が少し緩む。リンナとHしてわかったわ、
リンナにワタシのメッセージは伝わったかしら?
……
そこに立ちはだかったのは、トランの命でエムの世話役になった双子の侍女、『マティ』と『ケティ』、そしてリーダーのシャイアを人質に取られた、徒党ラライラの4人
ネイルとシノはマティと対峙し、圧倒的強さに翻弄されていたが、そこにいきなりエムに襲われて失神したケティがすっ飛んで来て、マティと激突、2人は壁にめり込み戦闘不能に、その後ネイルとシノはどうなったのか現在不明。対してラライラ4人はリンナ1人に制圧された。
そんなリンナの元に現れたエム、しかしエムは、その言動から明らかに操られた状態だった。
リンナはエムを取り押さえ、その隙にシェーダがエムの背中の魔封印に魔力を流し込んだ。
目的は、エムにかけられているエルフの呪いを発動させて、彼女を悶絶させることに成功した。
そのまま空き部屋へ連れ込み、リンナはエルフの呪具を用いて、エムに掛けられた精神支配を解こうとする。
しかし…
リンナはエルフの呪具の凄まじさに悶絶してしまう。それでもなんとか耐え凌ごうとしたのも束の間、逆にリンナはエムに襲われ、呪具を奪われ、そして…
逆に返り討ちにされてしまった。
「いっ!、あっひっ!、んああっ!!、お、お姉さま!、ああ、ひやっ!、あ、ダメェ!、ダメなの!!、こんな、ああっ!!、イクッっお姉さま!、いっちゃう!!」
エムに腰を突き上げられ、リンナは悶えて泣きじゃくる。
リンナは悔しかった、エムを助けられない悔しさ、だけど嬉しくもあった。
繰り返し押し寄せる絶頂、あの夜、エムに呪具で愛された最初の日を思い出していた。
「ダメ…ダメ、もう、私、ああ、お姉さま……」
もう思考もままならない。
「…ごめんなさい…お姉さまぁ…」
……
「これはどういう事なんですか、シェーダ」
縛られたセリンが、シェーダに説明を求めていた。
「エムさんの事?」
「何がどうなっているの!?」
「まあ、コッチが聞きたい所だけどね。あなた達は、エルフに囚われていたんじゃないの?」
「……エルフ?」
セリンがポカンとする。
「ああ、やっぱり違うのね」
「???」
「あなた達を拘束しているのは誰?」
「そ、それは……」
「この屋敷の侍従長じゃなくて?」
セリンや、ほかのメンバーの目が泳ぐ
「シャイアはどこ?」
「………」
「セリン」
「い、言えない……」
シェーダはため息をついた。
「セリン、衛士隊や冒険者組合には、ラライラが禁制品の荷運びをしているのがバレてるわよ」
「なっ!?」
セリンは驚きと困惑に満ちた目で、シェーダを見つめた。
「私はあなた達がそんな馬鹿な真似をすると、思ってないわ、シャイアを人質に取られて、させられてるんじゃないの?」
「……」
セリンは奥歯を噛み締め、目を逸らした。
「……ここまで来て、なんで悪党を庇うのよ」
『悪党とは、人聞が悪い』
シェーダは驚いて声の方に振り返った。近くにいたのにまるで気配を感じなかった。
「本日は来客の予定は無かっと記憶しているのですが……こちらの手違いでしょうか、アルラマージのシェーダ殿」
「私のことを知ってるのね」
「それはまぁ、竜種お倒した冒険者等級Bのアルラマージの長殿はこの街では有名ですからな」
「あなたがこの屋敷の侍従長?」
「ええそうです。トラン様に面会……と言うわけではないようですな?」
「トランなんかどうでもいいわ、シャイアはどこ?」
「ほぅ?」
「だ、だめよシェーダ!、逃げて!!、その男は……」
「黙れ」
侍従長の目つきが変わる、その気配に、セリンは言葉を失い、シェーダは背筋が凍った。
「ラライラよ、冒険者のクセに荷運びもまともにできないのか?、それになんだその様は、それでも冒険者か?、4人がかりで賊の1人も倒せないとは、それじゃあお前達の愛する『お姉さま』とやらも、嘆き悲しむ事だろう」
「やっぱり、シャイアは人質になってるのね」
「人質?、なにを言っている、あの女は人質ではない、私の『性奴隷』だ」
「!?」
「毎晩、私のモノでよがり喘ぎ、「くださいください」と求めてくる、全くけしからんアバズレだよ」
「よくもシャイアを!!」
シェーダが、セリン達の魔法縛鎖を解いた。
「シェーダさん!?」
「私にもわかるわ、コイツはかなりヤバイ奴ね」
シェーダは、タクトを侍従長へと向けた。
対して侍従長は、シェーダの体を舐め回すように見た。
「ふむ、お前も実にけしからん身体をしているな。さぞ感度が良さそうだな」
「な、なにをいってんのよ!?」
「お前にも調教が必要なようだなアルラマージの長よ」
侍従長はニヤリと、いやらしく笑った
シェーダの背筋を悪寒が走る
「俺は強い女が好きだ、そう言った奴を屈服させて、犯すのが好きだ、あのシャイアとか言う女が恥辱に落ちる様はゾクゾクしたぞ?」
「こいつ、なんてゲスな男なの!?、セリン、この男を倒すわよ!」
「シェーダさん…無理よ」
そう言ったのはセリンでは無かった。
「え?」
バシッ!
「あ、うぁ……」
背中に衝撃を受けたシェーダ、膝から崩れ落ちた。
セリンが振り返ると、杖を掲げだソーニャが悲しい顔で目を逸らしていた。
「ソーニャ…」
それはソーニャがシェーダに放った睡眠魔法
昏倒し倒れ伏すシェーダ
「なんだ、やればできるではないか」
侍従長がニヤリと笑った
「シャ、シャイア姉さまに、これ以上ひ、酷い目にあって欲しくないの、ごめんなさいシェーダさん…ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい……」
魔法使いのソーニャは杖を落とすと、両手で顔を覆い、咽び泣いた。セリンも、ルールーも、ネネも、泣いていた。
それを見た侍従長は、フンと不満顔をする。
「興醒めだな。貴様ら、この女も地下牢に入れておけ、逃すような真似をするなよ……さて、他の連中もいたはずだが……」
ガチャっ
突然、侍従長の目の前の部屋の扉が開き、彼は思わず身構えた。しかしそれがエムだと知り、ため息をついて、構えを解いた。
「こんな所でなにをしている」
侍従長を冷めた目で見つめてくるエムに、彼はゾクリとした。
「…賊を捕らえました、この部屋に1人、2階に2人、侍女の2人は邪魔だったので眠ってもらいました」
「な、なに?、マティとケティをだと?」
「後はお任せします。私はトラン様のために、穢れた身体の禊ぎをして参ります……」
エムはそう言って、軽く会釈するとその場を立ち去って行く
侍従長は、唖然としていたが、ハッとして、部屋の中を慌てて覗く、ソファーの上であられも無い姿の女が1人、小さく喘ぎ倒れていた。
リンナだ
侍従長は慌てて部屋を出て、エムを呼び止めた
「ま、待て」
「何か」
「あ、いや、申し訳ありません。お手を煩わせました、え、エム様」
「気にしないで下さい、トラン様に仇なす者達を成敗したまでです」
侍従長は胸に手を当て深くお辞儀した。
……
街議会所、会議室。
組合庁舎建て替えの件で、熱した議論が繰り広げている最中、トランの席に、組合職員がやって来て、彼の前に折り畳まれた紙を置いた。
トランは訝しげにそれをそれを手に取り、開いて中を見る。
すると、目を散眼させ、突然席を立った。
「すまないが急用が入った、議論の途中で申し訳ないが失礼する」
退室するトランを目で追うスー
トランが一瞬笑ったのを見て、彼女は目を瞑った。
(あちゃー、あの子達、さては失敗したわね)
スーは心の中でそう呟いた。
……
バンっと正面玄関扉を強く開け放ったトラン
「おかえりなさいませ、トラン様」
トランを出迎えた侍従長
「失態だな」
トランは目を細めてそう言った。
「いえ、予想外はありましたが、こちらの思惑通り事は運びました」
「…賊は何人だ」
「4人です、アルラマージの長とその徒党の小娘1人、それからキンダー侯爵家の娘です」
「ネイルだと!?、なんでアイツが!?」
「それだけではありません、『夜のトバリの女店主』が恐らく主犯、こちらも捕らえておきました」
「なんなんだその取り合わせは…」
「私にはなんとも…いずれもエム様が取り押さえましたが」
トランが驚いていた。
「…お前が捕まえたのではないのか、エムに命じたのか?」
「エム様に命じる事ができるのはトラン様だけですが?」
「僕は命じていない」
「では、あれはエム様のご意思なのでは?、トラン様に仇なす者は許さないと申しておりましたが?」
「……そ、そうか、そうなのか?」
一瞬顔を下げて嬉しそうな顔をしたトランは、真顔に戻ると顔を再び上げた。
「エムはどうしている?」
「禊ぎが終わり、私室に戻られております。賊の処遇はいかがしますか?」
「……ネイルは屋敷に帰せ、キンダー家との問題は避けたい。他の奴らの処遇は、侍従長、お前に任せる」
「夜のトバリの女店主は解放した方がよろしいかと」
「なぜだ?」
「あの女は、貴族や、財界などと繋がりがあります。害すると厄介です」
「わかった、解放しろ、他は?」
「……他は、私めにお任せを」
胸に手を当て深くお辞儀をする侍従長、その顔はイヤラシく笑っていた。
………
自室のソファーに座り、目を瞑っているエム
(はてさて、コレはどうしたものかしら)
皆んな捕まっちゃたわ
って言うか、私のせいよね?
私よね
うん
ごめん
え?、ワタシ?、ワタシは並列思考のサブフレーム
メインフレームが、クソボケトランの精神支配下にあるので、意識だけの存在、残念だけど表には出れないわ
あー歯痒い
あーもう、なんであんな奴信じちゃったんだろ、ほんとワタシってば学習能力ないわー
その後 、彼女達がどうなったかと言うと、トランと侍従長の会話から推測するに、次の通り。
ネイルは家に戻されたみたい。ワタシも知らなかったけど、彼女、侯爵の娘だったのね。
トランは辺境地域領主の三男坊ではあるけど伯爵家、どう言うわけかネイルの所より格下なのよね。
あとシノもネイルと一緒に解放された、理由は後で述べるとして、リンナも解放された。
問題は、シェーダ
彼女が侍従長の人質となってしまったようだわ
解放した3人に対する口止め、全部侍従長の差し金、あのおっさん本当卑劣な奴よね。
当のトランは、アイツ任せで、良いように使われてる感じがするし。どうも、ラライラの事も知らないっぽい。
それと、まさかラライラがこの屋敷に居るとは思ってもいなかった。どうやらシャイアを人質に捕られ、侍従長の言いなりになってるみたいだわ。
シェーダも地下牢とやらで、慰み者にされてるみたいだし……
はあ、ほんとひどい世界
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これもう典型的なDVよね。
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ケティとマティは、ワタシがあんな酷いことしたのに、何故かさらに優しくなった。
うーん、なんの効果?
でも少し光明が見えて来た、リンナが持ち込んだエルフの呪具”寄生チンP”
フッフッフッ
アレを装備しても、何故かクソエルフのヤラシイ呪いが発動しない。
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