1 / 39
第1話 俺たち絶対、来世は幸せになろう。
しおりを挟む
「おいクズ、外で俺を見かけたら視界から失せろっていっただろ」
自宅の廊下、義弟が、タバコを咥えながら俺に吐き捨てるようにいった。
その目は、まるでゴミを見るかのようだ。
「別に……ただ歩いてただけで――」
「ああ!? てめえみたいな四流大学に通ってるやつが義理の兄ってことに虫唾が走るんだよ!」
激昂して拳を握りしめ、大きく振りかぶる仕草をした。
俺は思わず身を屈めてしまい、身体の震えが止まらなくなる。
「ははっ、情けねえ」
義弟《コイツ》の言う通り、俺は情けない……。
五年前、母が再婚した相手の連れ子、それがコイツだ。
初めは大人しかった。
しかし母が病気で亡くなった途端に取り繕うのをやめてこんなことを言うようになった。
そして――。
「おい、帰ったら部屋に戻れと言ってるだろ。餌は使用人に運ばせる」
続いて歩いてきたのはその義父。義弟はバレないようにタバコをサッと隠す。
親と子供は似るというがまさにそっくりで、俺のことを二人は心から見下している。
元々、義父も母だけを愛していたらしい。
そして今や俺はお荷物ということだ。
加えて一流大学に受からなかったことで更に扱いは酷くなり、果ては暴力まで振るわれるようになった。
おかげで右手を向けられただけで身体が震えてしまう。
「……わかりました。それとサークルに誘われたのですが、出来れば入りた――」
「ふざけるな。お前みたいな恥は極力外に出るなと言っただろう」
大学が終わると部屋に引きこもる毎日。
こう見えても勉強は頑張ってる。
四流だと言われているが、そこそこ偏差値は高いのだ。
とはいえ、彼らにとっては満足いかないらしい。
部屋に入るとベットで横になる。
最低限の物は買わせてもらえるが、自由なんてものはほとんどない。
母との約束で大学までは卒業したいのでここにいるが、それが終わればすぐに出ていくつもりだ。
その時、ドアからコンっと聞こえた。
急いで開けると、すぐに”おもち”が中に入って来る。
「にゃーお」
「また抜け出してきたのか」
真っ白くてもふもふの猫、餅から取って名前はおもちだ。
母と一緒に雨の中拾ったのが初めての出会いだった。
ただ、長く雨ざらしされていたせいか耳が聞こえない。
”彼女”が俺の唯一の友達だ。
「にゃお」
「よしよし、おもちがいるからここにいるようなもんだよ……」
おもちが、頭をすりすりしてくる。
ただおもちは高齢だ。医者からもいつ亡くなってもおかしくないと言われている。
流石に”彼ら”もおもちに手は出さないが、かなり疎ましく思われている。
「俺……頑張ってるんだよ。勉強も、友達だって作ろうとしてるんだ。でも……身体が動かないんだよ。人が怖いんだよ」
「にゃお」
おもちは不思議な猫で、たまに俺の言葉を分かってくれている。
声は聞こえないはずなのに俺たちは心で通じ合っている、と思う。
「そうだとっておきがあるんだ」
鞄からゴソゴソと、猫用のおやつを取り出す。
大学の猫好きの警備員さんからもらったものだ。
「にゃおおおおお」
「慌てるなって」
毎月おもちにかかる病院代は出してもらえてるが、元はといえば母が残した貯金からでもある。
「大学を卒業したら就職するから、二人で暮らそうな」
「にゃお!」
「はは、わかるんだな。やっぱりおもちは賢いな。それまで……一緒に頑張ろうな」
◇
翌日、大学を終えて自宅に戻る際、いつもの道に人だかりが出来ていた。
みんなが空を見上げているのだ。
「火事だってさ、結構燃えてるらしいよ」
「まじ? どこ?」
「角にある大きな家って聞いたけど」
角を曲がると家から火が出ていた。
間違いない、俺の家だ。
「嘘だろ……」
既に消防車が到着しているものの、火の勢いは収まっていない。
昔ながらの建物だ。木造建築なので、燃えやすいのだろう。
そういえば……金がもったいないからと消化施設をケチっていたことを思い出す。
「下がってください! 離れて!」
必死に消防隊員が、野次馬を離れさせようと叫んでいる。
その時、家から確保されて出てきたのは義弟だった。
消防隊員が救急車に乗ってと言われても、なぜか頑なに拒否している。
「おい!」
「……あ、ちょ、ちょうどいいところにきた!」
「は?」
義弟は俺の胸を情けなく掴み、懇願するかのような目で訴えかけてきた。
「何とかしてくれよ、頼む」
「何とかってなんだよ!? それより――」
「……俺のタバコのせいなんだ」
やっぱりだ。こいつ……何度も怒られてたのに。
「なあ、頼むよ。お前のせいにしてくれよ。なあ、俺、このままじゃ大変なことになっちまう! いいだろ? なあ、お前ならなんとでもなるだろ!? 金はやるから!」
しかし俺はそんなことはどうでも良かった。
こいつの無駄話を聞いてる暇はない。
「黙ってろ! おもちはどこだ!?」
「……は? 何言ってんだ? それより俺の――」
「猫だよ! おもちはどうしたって聞いてんだよ! はやく答えろ!」
おもちは身体が弱いので、基本的にゲージの中で眠っている。
火が強くなり、煙が凄まじく立ち上っていた。
義弟は俺の勢いに驚いたのか怯えながら答える。
「し、しらねえよ! ゲージの中だろ。あんな猫どうだっていい。それより俺の――」
その瞬間、俺は駆けていた。
耳が聞こえないおもちは、わけもわからず恐怖で怯えているはずだ。
こんな中で、一人で――!?
「何だ君!? 何処へ行く!?」
「おもちが! おもちがいるんです!」
だが入口で消防員に止められてしまう。
「おもち? ペットか?」
「家族です。離してください!」
「そんなわけにはいかない、ほら下がってくれ! 俺たちが助け出すから。信用してくれ」
信用――そんなの信じられるわけがない。
それにおもちのゲージにはカギがかかっているのだ。
そのカギは、俺が持っている。
一瞬の隙をついて、無理矢理玄関に入る。
「く……」
もの凄い熱波だ。肌に突き刺さるように熱い。
「玄関はダメだ……」
裏庭までぐるりと回って、窓を突き破って中に入る。
ガラスの破片が肌に突き刺さったが、痛みは感じない。
一直線におもちのところまで駆けようとしたが、火が行く手を阻む。
それでも無我夢中で走り続け、なんとか俺はおもちの所に辿り着いた。
「にゃあああああああああああああああああ」
「もう大丈夫だ。すぐに助けるから」
急いで鍵を開けると、おもちは俺に飛びついてきた。
これほど恐ろしかったことはないだろう。
「よし、行こう」
「にゃお」
だが……振り返ると壁が崩れ天井が崩れ、火が迫っていた。
今まであった道はなく、完全に塞がっている。
あまりの熱に目が空けられなくなり、同時に煙を吸い込んでしまってせき込んだ。
「がああっごほごほっ」
崩壊していく音が聞こえる。
その時、おもちが僕の頬を舐めた。
「おもち……ごめん……」
「にゃおにゃお」
おもちの真っ白くてふわふわの体を撫でながら、俺は諦めるしかなかった。
こんなはずじゃなかった……そんな……二人で暮らそうと思っていたのに……。
だが火が目前まで迫ってきた瞬間――おもちの体に異変が起きた。
小さくなっていっている。まるで、幼体のように――。
「な……?」
同時に自分の体にもそれが起きている事に気づく。
手足が短く、背も低くなっていく。
縮んでいる。そんな奇妙な感覚が襲う。声が出なくなる。声帯が消えていく。
やがて視界が真っ白いで何もかも見えなくなっていった。
次の瞬間、俺は、俺の身体はこの世界から完全に消えた。
――――
――
―
目を覚ますと煌びやかな天井が目に入った。
だが左右の視界が遮られているので、それ以外が見えない。
何か箱のようなところに入れられている?
しかしふわふわなのはわかる。
いや、それよりも――。
「おもえあああ」
おもちと叫んだつもりが、言葉が上手く発せない。
「おもえあああお」
何度やっても、活舌が上手くできない。舌を動かしてみると、歯がない事に気づく。
いや……違う。生えそろっていないのだ。
身体も持ち上がらず、頭も重い。
自分の体が、自分ではない感覚――。
その瞬間、最後の記憶がよみがえった。
幼くなっていくおもちと、手足が縮んでいく自分。
もしかして、赤ちゃんになってる!?
「ぐるう」
「おもあああ」
そのとき、手の平にもふっとした感触を感じた。
柔らかくて、暖かくて……おもちだ、と直感わかった。
ああ……おもちもいたんだ……。
良かった……助かったんだ……。
「ぐるう」
そして俺を覗き込むおもち。
だがその姿は老猫のおもちではなかった。
両翼を携え、白くてもふもふ、けれどもその口には、しっかりとした牙が付いている。
――創作物のドラゴン、それが頭に浮かんだ。
「おもあああ」
だが俺は嬉しかった。現状の摩訶不思議な出来事よりも、おもちとまたこうやって一緒にいることが。
俺たちはやり直せる機会をもらったんだ。
その時、女性の声がした。
なんだか聞き覚えがあるような気がする。
そして彼女は近づいてくると、驚いて声をあげた。
「……クライン!? あなたもう、”魔獣”を召喚したというの……!?」
天使のような顔で俺を覗き込んだ女性は、なぜか懐かしく、甘い匂いがする。
心がぽかぽかする。俺はこの感情を知らない。
今考えていることは二つ。
誰にも屈しない心を持つこと。
そしておもちと一緒に、幸せな人生を送ることだ。
自宅の廊下、義弟が、タバコを咥えながら俺に吐き捨てるようにいった。
その目は、まるでゴミを見るかのようだ。
「別に……ただ歩いてただけで――」
「ああ!? てめえみたいな四流大学に通ってるやつが義理の兄ってことに虫唾が走るんだよ!」
激昂して拳を握りしめ、大きく振りかぶる仕草をした。
俺は思わず身を屈めてしまい、身体の震えが止まらなくなる。
「ははっ、情けねえ」
義弟《コイツ》の言う通り、俺は情けない……。
五年前、母が再婚した相手の連れ子、それがコイツだ。
初めは大人しかった。
しかし母が病気で亡くなった途端に取り繕うのをやめてこんなことを言うようになった。
そして――。
「おい、帰ったら部屋に戻れと言ってるだろ。餌は使用人に運ばせる」
続いて歩いてきたのはその義父。義弟はバレないようにタバコをサッと隠す。
親と子供は似るというがまさにそっくりで、俺のことを二人は心から見下している。
元々、義父も母だけを愛していたらしい。
そして今や俺はお荷物ということだ。
加えて一流大学に受からなかったことで更に扱いは酷くなり、果ては暴力まで振るわれるようになった。
おかげで右手を向けられただけで身体が震えてしまう。
「……わかりました。それとサークルに誘われたのですが、出来れば入りた――」
「ふざけるな。お前みたいな恥は極力外に出るなと言っただろう」
大学が終わると部屋に引きこもる毎日。
こう見えても勉強は頑張ってる。
四流だと言われているが、そこそこ偏差値は高いのだ。
とはいえ、彼らにとっては満足いかないらしい。
部屋に入るとベットで横になる。
最低限の物は買わせてもらえるが、自由なんてものはほとんどない。
母との約束で大学までは卒業したいのでここにいるが、それが終わればすぐに出ていくつもりだ。
その時、ドアからコンっと聞こえた。
急いで開けると、すぐに”おもち”が中に入って来る。
「にゃーお」
「また抜け出してきたのか」
真っ白くてもふもふの猫、餅から取って名前はおもちだ。
母と一緒に雨の中拾ったのが初めての出会いだった。
ただ、長く雨ざらしされていたせいか耳が聞こえない。
”彼女”が俺の唯一の友達だ。
「にゃお」
「よしよし、おもちがいるからここにいるようなもんだよ……」
おもちが、頭をすりすりしてくる。
ただおもちは高齢だ。医者からもいつ亡くなってもおかしくないと言われている。
流石に”彼ら”もおもちに手は出さないが、かなり疎ましく思われている。
「俺……頑張ってるんだよ。勉強も、友達だって作ろうとしてるんだ。でも……身体が動かないんだよ。人が怖いんだよ」
「にゃお」
おもちは不思議な猫で、たまに俺の言葉を分かってくれている。
声は聞こえないはずなのに俺たちは心で通じ合っている、と思う。
「そうだとっておきがあるんだ」
鞄からゴソゴソと、猫用のおやつを取り出す。
大学の猫好きの警備員さんからもらったものだ。
「にゃおおおおお」
「慌てるなって」
毎月おもちにかかる病院代は出してもらえてるが、元はといえば母が残した貯金からでもある。
「大学を卒業したら就職するから、二人で暮らそうな」
「にゃお!」
「はは、わかるんだな。やっぱりおもちは賢いな。それまで……一緒に頑張ろうな」
◇
翌日、大学を終えて自宅に戻る際、いつもの道に人だかりが出来ていた。
みんなが空を見上げているのだ。
「火事だってさ、結構燃えてるらしいよ」
「まじ? どこ?」
「角にある大きな家って聞いたけど」
角を曲がると家から火が出ていた。
間違いない、俺の家だ。
「嘘だろ……」
既に消防車が到着しているものの、火の勢いは収まっていない。
昔ながらの建物だ。木造建築なので、燃えやすいのだろう。
そういえば……金がもったいないからと消化施設をケチっていたことを思い出す。
「下がってください! 離れて!」
必死に消防隊員が、野次馬を離れさせようと叫んでいる。
その時、家から確保されて出てきたのは義弟だった。
消防隊員が救急車に乗ってと言われても、なぜか頑なに拒否している。
「おい!」
「……あ、ちょ、ちょうどいいところにきた!」
「は?」
義弟は俺の胸を情けなく掴み、懇願するかのような目で訴えかけてきた。
「何とかしてくれよ、頼む」
「何とかってなんだよ!? それより――」
「……俺のタバコのせいなんだ」
やっぱりだ。こいつ……何度も怒られてたのに。
「なあ、頼むよ。お前のせいにしてくれよ。なあ、俺、このままじゃ大変なことになっちまう! いいだろ? なあ、お前ならなんとでもなるだろ!? 金はやるから!」
しかし俺はそんなことはどうでも良かった。
こいつの無駄話を聞いてる暇はない。
「黙ってろ! おもちはどこだ!?」
「……は? 何言ってんだ? それより俺の――」
「猫だよ! おもちはどうしたって聞いてんだよ! はやく答えろ!」
おもちは身体が弱いので、基本的にゲージの中で眠っている。
火が強くなり、煙が凄まじく立ち上っていた。
義弟は俺の勢いに驚いたのか怯えながら答える。
「し、しらねえよ! ゲージの中だろ。あんな猫どうだっていい。それより俺の――」
その瞬間、俺は駆けていた。
耳が聞こえないおもちは、わけもわからず恐怖で怯えているはずだ。
こんな中で、一人で――!?
「何だ君!? 何処へ行く!?」
「おもちが! おもちがいるんです!」
だが入口で消防員に止められてしまう。
「おもち? ペットか?」
「家族です。離してください!」
「そんなわけにはいかない、ほら下がってくれ! 俺たちが助け出すから。信用してくれ」
信用――そんなの信じられるわけがない。
それにおもちのゲージにはカギがかかっているのだ。
そのカギは、俺が持っている。
一瞬の隙をついて、無理矢理玄関に入る。
「く……」
もの凄い熱波だ。肌に突き刺さるように熱い。
「玄関はダメだ……」
裏庭までぐるりと回って、窓を突き破って中に入る。
ガラスの破片が肌に突き刺さったが、痛みは感じない。
一直線におもちのところまで駆けようとしたが、火が行く手を阻む。
それでも無我夢中で走り続け、なんとか俺はおもちの所に辿り着いた。
「にゃあああああああああああああああああ」
「もう大丈夫だ。すぐに助けるから」
急いで鍵を開けると、おもちは俺に飛びついてきた。
これほど恐ろしかったことはないだろう。
「よし、行こう」
「にゃお」
だが……振り返ると壁が崩れ天井が崩れ、火が迫っていた。
今まであった道はなく、完全に塞がっている。
あまりの熱に目が空けられなくなり、同時に煙を吸い込んでしまってせき込んだ。
「がああっごほごほっ」
崩壊していく音が聞こえる。
その時、おもちが僕の頬を舐めた。
「おもち……ごめん……」
「にゃおにゃお」
おもちの真っ白くてふわふわの体を撫でながら、俺は諦めるしかなかった。
こんなはずじゃなかった……そんな……二人で暮らそうと思っていたのに……。
だが火が目前まで迫ってきた瞬間――おもちの体に異変が起きた。
小さくなっていっている。まるで、幼体のように――。
「な……?」
同時に自分の体にもそれが起きている事に気づく。
手足が短く、背も低くなっていく。
縮んでいる。そんな奇妙な感覚が襲う。声が出なくなる。声帯が消えていく。
やがて視界が真っ白いで何もかも見えなくなっていった。
次の瞬間、俺は、俺の身体はこの世界から完全に消えた。
――――
――
―
目を覚ますと煌びやかな天井が目に入った。
だが左右の視界が遮られているので、それ以外が見えない。
何か箱のようなところに入れられている?
しかしふわふわなのはわかる。
いや、それよりも――。
「おもえあああ」
おもちと叫んだつもりが、言葉が上手く発せない。
「おもえあああお」
何度やっても、活舌が上手くできない。舌を動かしてみると、歯がない事に気づく。
いや……違う。生えそろっていないのだ。
身体も持ち上がらず、頭も重い。
自分の体が、自分ではない感覚――。
その瞬間、最後の記憶がよみがえった。
幼くなっていくおもちと、手足が縮んでいく自分。
もしかして、赤ちゃんになってる!?
「ぐるう」
「おもあああ」
そのとき、手の平にもふっとした感触を感じた。
柔らかくて、暖かくて……おもちだ、と直感わかった。
ああ……おもちもいたんだ……。
良かった……助かったんだ……。
「ぐるう」
そして俺を覗き込むおもち。
だがその姿は老猫のおもちではなかった。
両翼を携え、白くてもふもふ、けれどもその口には、しっかりとした牙が付いている。
――創作物のドラゴン、それが頭に浮かんだ。
「おもあああ」
だが俺は嬉しかった。現状の摩訶不思議な出来事よりも、おもちとまたこうやって一緒にいることが。
俺たちはやり直せる機会をもらったんだ。
その時、女性の声がした。
なんだか聞き覚えがあるような気がする。
そして彼女は近づいてくると、驚いて声をあげた。
「……クライン!? あなたもう、”魔獣”を召喚したというの……!?」
天使のような顔で俺を覗き込んだ女性は、なぜか懐かしく、甘い匂いがする。
心がぽかぽかする。俺はこの感情を知らない。
今考えていることは二つ。
誰にも屈しない心を持つこと。
そしておもちと一緒に、幸せな人生を送ることだ。
23
あなたにおすすめの小説
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
『捨てられシスターと傷ついた獣の修繕日誌』~「修理が遅い」と追放されたけど、DIY知識チートで壊れた家も心も直して、幸せな家庭を築きます
エリモコピコット
ファンタジー
【12/6 日間ランキング17位!】
「魔法で直せば一瞬だ。お前の手作業は時間の無駄なんだよ」
そう言われて勇者パーティを追放されたシスター、エリス。
彼女の魔法は弱く、派手な活躍はできない。 けれど彼女には、物の声を聞く『構造把握』の力と、前世から受け継いだ『DIY(日曜大工)』の知識があった。
傷心のまま辺境の村「ココン」に流れ着いた彼女は、一軒のボロ家と出会う。 隙間風だらけの壁、腐りかけた床。けれど、エリスは目を輝かせた。
「直せる。ここを、世界で一番温かい『帰る場所』にしよう!」
釘を使わない頑丈な家具、水汲み不要の自動ポンプ、冬でもポカポカの床暖房。
魔法文明が見落としていた「手間暇かけた技術」は、不便な辺境生活を快適な楽園へと変えていく。
やがてその温かい家には、 傷ついた銀髪の狼少女や、 素直になれないツンデレ黒猫、 人見知りな犬耳の鍛冶師が集まってきて――。
「エリス姉、あったか~い……」「……悔しいけど、この家から出られないわね」
これは、不器用なシスターが、壊れた家と、傷ついた心を修繕していく物語。 優しくて温かい、手作りのスローライフ・ファンタジー!
(※一方その頃、メンテナンス係を失った勇者パーティの装備はボロボロになり、冷たい野営で後悔の日々を送るのですが……それはまた別のお話)
追放された悪役令嬢、農業チートと“もふもふ”で国を救い、いつの間にか騎士団長と宰相に溺愛されていました
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢のエリナは、婚約者である第一王子から「とんでもない悪役令嬢だ!」と罵られ、婚約破棄されてしまう。しかも、見知らぬ辺境の地に追放されることに。
絶望の淵に立たされたエリナだったが、彼女には誰にも知られていない秘密のスキルがあった。それは、植物を育て、その成長を何倍にも加速させる規格外の「農業チート」!
畑を耕し、作物を育て始めたエリナの周りには、なぜか不思議な生き物たちが集まってきて……。もふもふな魔物たちに囲まれ、マイペースに農業に勤しむエリナ。
はじめは彼女を蔑んでいた辺境の人々も、彼女が作る美味しくて不思議な作物に魅了されていく。そして、彼女を追放したはずの元婚約者や、彼女の力を狙う者たちも現れて……。
これは、追放された悪役令嬢が、農業の力と少しのもふもふに助けられ、世界の常識をひっくり返していく、痛快でハートフルな成り上がりストーリー!
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
辺境薬術師のポーションは至高 騎士団を追放されても、魔法薬がすべてを解決する
鶴井こう
ファンタジー
【書籍化しました】
余分にポーションを作らせ、横流しして金を稼いでいた王国騎士団第15番隊は、俺を追放した。
いきなり仕事を首にされ、隊を後にする俺。ひょんなことから、辺境伯の娘の怪我を助けたことから、辺境の村に招待されることに。
一方、モンスターたちのスタンピードを抑え込もうとしていた第15番隊。
しかしポーションの数が圧倒的に足りず、品質が低いポーションで回復もままならず、第15番隊の守備していた拠点から陥落し、王都は徐々にモンスターに侵略されていく。
俺はもふもふを拾ったり農地改革したり辺境の村でのんびりと過ごしていたが、徐々にその腕を買われて頼りにされることに。功績もステータスに表示されてしまい隠せないので、褒賞は甘んじて受けることにしようと思う。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しに満ちた気ままな旅の物語!
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる