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第13話 フェアの教育
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「『もう大丈夫だミリシア。ぼくが、すべてを、やっつける』」
「いい感じですが、もっとはっきりと!」
「は、はい!」
「厳しいかもしれませんが、これもすべてクライン様の為です。試験では大勢の子供たちがいます。油断すると、ミリシア様がとられてしまうかもしれませんよ」
フェアが謎の大爆発をしてから、よくわからない特訓が追加されていた。
それは、如何にかっこよくミリシアを守るかだ。
颯爽と仮想ミリシアの前に立ち、二本指を立てる。
その時の目線、速度、声の抑揚、そのどれもが重要らしい。
この訓練が必要かどうかは置いておくとして、確かにミリシアがほかの男の子と仲良くしていたりするとモヤっとするかもしれない。
それにフェアは、いつも俺のことを考えてくれている。
なら、その気持ちに答えたい。
「わかった。がんばる」
「その心意気です! では、次やりましょう!」
「はい!」
でもこの訓練、意味あるのかな?
「――いい感じです。今のは完璧です!」
「ほんと? 良かった!」
「今のはミリシア様も大喜びです」
「えへへ」
想像すると、頬が緩む。
なるほど、こういうのがいいのか。
「後、六回、やりましょう!」
「え、ろっかい!?」
そして三回目の途中で、扉が開く。
「精が出るなクライン」
「パパ!」
俺は急いで駆け寄る。
会いたかった。久しぶりだ。
フェアは切り替わってメイドモードになっていた。
なぜか俺の前だと少し砕けているが、それが素なのだろう。
それはそれで嬉しいので良し。
「……仕事、大丈夫?」
「ああ問題ない。おもちもデカくなったな」
「ぐるぅ」
リルドは、おもちを撫でた。
会うのは数カ月ぶりだ。
その理由は、北の魔物の結界を張り替えるのに遠出していたからだ。
この数年で知ったが、父はかなりの凄腕らしい。
だからこそ忙しい。
その理由は、魔物の活性化と術者の激減によるもの。
それでも家の近くだけで楽することもできるが、父は力を持つもの宿命を信じているらしく、無駄にしたくないと。
俺はまだ未熟だ。早く手伝いたいが、まだまだ足りない。
とはいえ、いいこともある。
◇
「あなた、どうぞ」
「ありがとうメアリー」
「ほら、俺もお返しだ」
「うふふ、ありがとうリルド」
夕食時、久しぶりに会えた二人は、とにかくイチャイチャしていた。
何というか、幸せなのだが、少し恥ずかしさもある。
少しだけ精神が大人になったからだろうか。何とも言えない感じだ。
とはいえ、それよりも幸せが優っているが。
身体の弱かったメアリーだが、最近は凄く良いのだ。
その理由は、リルドが遠征のたびに持ってきてくれる薬のおかげだろう。
結界を張る為に違う国へいくのは、おそらくこっちが本命かもしれない。
新しい薬を持ってきてくれるのだ。
この世界には情報共有の手段が乏しい。
何かを調べるのには一苦労で、何かあってもすぐ耳には入ってこない。
例えば不治の病といわれても、この世界の裏側ではただの風邪かもしれない。
リルドは頭が良い。それをちゃんとわかっている。
だからこそメアリーの身体のことを把握して、各国の薬を調べてきている。
本当に優しい二人だ。
フェアも常に家族のことを考えてくれている。
おもちも、ずっと傍にいる。
本当に幸せだ。
だけど、それだけじゃ足りない。
俺も、強くならなきゃ。
そろそろ『魔変』の勉強もしようと思っている。
以前一度したが、形の変化どころか、魔結界がすぐに崩れてしまったのだ。
だがもう試験も近い。
せっかく授かったのだ。
使えるようになっておかないと。
「メアリーあーん」
「リルド、あーん」
そんなことを考えていると、二人のイチャイチャ度はマックスになっていた。
俺、いるか――と思っていたら、リルドが声をかけてきた。
「クライン、おもち――そしてフェア。俺がいないときにメアリーを守ってくれてありがとう。――これからもよろしくな」
「うん!」
「はい任せてください!」
試験までもう少し、頑張らないとな。
「いい感じですが、もっとはっきりと!」
「は、はい!」
「厳しいかもしれませんが、これもすべてクライン様の為です。試験では大勢の子供たちがいます。油断すると、ミリシア様がとられてしまうかもしれませんよ」
フェアが謎の大爆発をしてから、よくわからない特訓が追加されていた。
それは、如何にかっこよくミリシアを守るかだ。
颯爽と仮想ミリシアの前に立ち、二本指を立てる。
その時の目線、速度、声の抑揚、そのどれもが重要らしい。
この訓練が必要かどうかは置いておくとして、確かにミリシアがほかの男の子と仲良くしていたりするとモヤっとするかもしれない。
それにフェアは、いつも俺のことを考えてくれている。
なら、その気持ちに答えたい。
「わかった。がんばる」
「その心意気です! では、次やりましょう!」
「はい!」
でもこの訓練、意味あるのかな?
「――いい感じです。今のは完璧です!」
「ほんと? 良かった!」
「今のはミリシア様も大喜びです」
「えへへ」
想像すると、頬が緩む。
なるほど、こういうのがいいのか。
「後、六回、やりましょう!」
「え、ろっかい!?」
そして三回目の途中で、扉が開く。
「精が出るなクライン」
「パパ!」
俺は急いで駆け寄る。
会いたかった。久しぶりだ。
フェアは切り替わってメイドモードになっていた。
なぜか俺の前だと少し砕けているが、それが素なのだろう。
それはそれで嬉しいので良し。
「……仕事、大丈夫?」
「ああ問題ない。おもちもデカくなったな」
「ぐるぅ」
リルドは、おもちを撫でた。
会うのは数カ月ぶりだ。
その理由は、北の魔物の結界を張り替えるのに遠出していたからだ。
この数年で知ったが、父はかなりの凄腕らしい。
だからこそ忙しい。
その理由は、魔物の活性化と術者の激減によるもの。
それでも家の近くだけで楽することもできるが、父は力を持つもの宿命を信じているらしく、無駄にしたくないと。
俺はまだ未熟だ。早く手伝いたいが、まだまだ足りない。
とはいえ、いいこともある。
◇
「あなた、どうぞ」
「ありがとうメアリー」
「ほら、俺もお返しだ」
「うふふ、ありがとうリルド」
夕食時、久しぶりに会えた二人は、とにかくイチャイチャしていた。
何というか、幸せなのだが、少し恥ずかしさもある。
少しだけ精神が大人になったからだろうか。何とも言えない感じだ。
とはいえ、それよりも幸せが優っているが。
身体の弱かったメアリーだが、最近は凄く良いのだ。
その理由は、リルドが遠征のたびに持ってきてくれる薬のおかげだろう。
結界を張る為に違う国へいくのは、おそらくこっちが本命かもしれない。
新しい薬を持ってきてくれるのだ。
この世界には情報共有の手段が乏しい。
何かを調べるのには一苦労で、何かあってもすぐ耳には入ってこない。
例えば不治の病といわれても、この世界の裏側ではただの風邪かもしれない。
リルドは頭が良い。それをちゃんとわかっている。
だからこそメアリーの身体のことを把握して、各国の薬を調べてきている。
本当に優しい二人だ。
フェアも常に家族のことを考えてくれている。
おもちも、ずっと傍にいる。
本当に幸せだ。
だけど、それだけじゃ足りない。
俺も、強くならなきゃ。
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以前一度したが、形の変化どころか、魔結界がすぐに崩れてしまったのだ。
だがもう試験も近い。
せっかく授かったのだ。
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「リルド、あーん」
そんなことを考えていると、二人のイチャイチャ度はマックスになっていた。
俺、いるか――と思っていたら、リルドが声をかけてきた。
「クライン、おもち――そしてフェア。俺がいないときにメアリーを守ってくれてありがとう。――これからもよろしくな」
「うん!」
「はい任せてください!」
試験までもう少し、頑張らないとな。
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