オタクな母娘が異世界転生しちゃいました

yanako

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85.算盤を作るのでござる-1

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ジュールからの紹介状を持って、宗長とジャンは隣村のリヴァージュ村にやってきた。

寺子屋で教える算盤ソロバンを建具職人に作ってもらえないか交渉するためだ。

「算盤って、簡単に作れるのかな?」
「構造的には難しくはないので作れると思うのでござるが」

「その算盤を使うと、計算が簡単にできるわけ?」
「左様でござる」
「ん~あまりピンとこないんだけど」
「実物を見れば分かるでござる」
「左様でございますか」
「左様でござる」

珍道中を繰り広げながら、二人は職人の工場を目指した。


「失礼いたす」
「こんにちは。ごめんください」

奥から機嫌の悪そうなオヤジが出てきた。

「フォレール村から来ました。マルタン商会の者です。ジュール・ボーヴォ様からの紹介で来ました」
「……何の用だ?……」
「あの、東の国の算盤というものを作れる人を探していまして」
「……算盤なんか、オレは知らん」
「そ、そうですよね~現物をお見せできれば良かったんですけど…」

オヤジのぶっきらぼうな態度に及び腰になるジャン。
「拙者は、宗長と申す」
宗長がジャンに代わって説明を始めた。

「フォレール村で寺子屋という、小さな学校を始めることと相成った」
「……寺子屋?」
「左様。寺子屋では、字の読み書きと算盤を使って算術を学ぶのでござる」

「はっ!一体誰がこんな山奥の村に学校を作るなんて言い出したんだ」
「決めたのはジュール殿でござる」
「ジュール様が?」
「左様」

「先日、フォレール村の青年団が、隣町の商会に騙されそうになったのでござる。それは、計算ができなかったからでござろうと考え、村人たちに計算を教えることになったのでござる」
「計算か」
「算術ができないと、騙されたりすることが多いでござろう?」
「オレたちみたいな学のない奴らは、言われたままにしかできないからな。金が少ないと思っても、文句も言えねえ」
「そうであろう?東の国の算盤があれば、計算はすぐにできるようになるのでござる」


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