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98.選ばれなかった理由-1
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「本当にごめんなさいね。うちの娘がね、正論ぶちまけちゃって」
とロナは笑いながら、イザックのコップに米焼酒を注いだ。
「正論ぶちまけちゃってって」
アンドレは思わず笑ってしまい、ジャンも苦笑いをした。
イザックは焼き鳥に手を伸ばしたが、貴族の人間として、齧り付くのには抵抗がある。
どうしたものかと、串を持ったまま思案していると、宗長が串を取り上げ、箸を使って、串から肉を外してイザックへと渡した。
「食べ方はどうであれ、美味いものでござるゆえ、食べてみて下され」
イザックは、串から外された肉を口にした。
「美味い……」
「焼き鳥は、東の国の食べ物でござる。おにぎりとも合いますぞ」
宗長はおにぎりもイザックに渡した。
「先程、アンドレ殿がおっしゃった通りに、ロナ殿もリナ殿も宇宙人とやらであるからな」
宗長はロナを見て笑った。
「その目には、拙者たちとは違ったものが見えているのであろう」
「あら、とうとうバレちゃったのね」
ロナは笑いながら、米焼酒を飲んだ。
「イザックさん、弟さんと子爵家の令嬢さんの婚姻はもう済まされたの?」
「いや……まだ婚約したばかりなので、結婚は来年になるかと……」
「そう。そのご令嬢と結婚することで、ジラール家に恩恵がもたらされる婚姻なのかしらね。商会の繋がりとか、領地経営の関係とか」
「そうです。彼女の家の方が、繁栄しているので」
「だから、彼女に選択権があって、彼女と結婚した方が跡継ぎになることになったのね」
ジラール家は特別なにかがある家では無い。普通の下位貴族である。
裕福では無いが、貧しくも無い。
彼女の家と縁を作り、商会の販路が広がるのを期待するくらいの子爵家。
「そうです」
「私はド平民だから、貴族の婚姻については分からないけれど、私が誰かと結婚するのなら、少なくとも、私の嫌いなものくらいは知っておいて欲しいわね」
「嫌いなものですか?」
ライアンが意外そうに訊いた。
「そう。好きなものは、自分で探したり、見つけたり、作り出したりできるじゃない?だけど、嫌いなものは、いくら自分が避けようとしたって、むこうから寄ってこられたり、押し付けられたりしたら、逃げようがないもの」
「そうですね」
とライアンは納得したように頷いた。
「アンドレは?リナの嫌いなもの知ってる?」
「スナギモ、キノコ、鶏肉の皮」
「正解!よく見てるのね~」
ロナはアンドレに笑いかけると、アンドレも恥ずかしそうに笑った。
「でイザックさんは、彼女の嫌いなものは知ってる?」
「いえ……」
「好きな物も、嫌いな物も知らない。自分に全く興味が無い人と、ずっと一緒に過ごさなければならないなんて、私はごめんだわねぇ」
ロナは砂肝の串に齧りついた。
とロナは笑いながら、イザックのコップに米焼酒を注いだ。
「正論ぶちまけちゃってって」
アンドレは思わず笑ってしまい、ジャンも苦笑いをした。
イザックは焼き鳥に手を伸ばしたが、貴族の人間として、齧り付くのには抵抗がある。
どうしたものかと、串を持ったまま思案していると、宗長が串を取り上げ、箸を使って、串から肉を外してイザックへと渡した。
「食べ方はどうであれ、美味いものでござるゆえ、食べてみて下され」
イザックは、串から外された肉を口にした。
「美味い……」
「焼き鳥は、東の国の食べ物でござる。おにぎりとも合いますぞ」
宗長はおにぎりもイザックに渡した。
「先程、アンドレ殿がおっしゃった通りに、ロナ殿もリナ殿も宇宙人とやらであるからな」
宗長はロナを見て笑った。
「その目には、拙者たちとは違ったものが見えているのであろう」
「あら、とうとうバレちゃったのね」
ロナは笑いながら、米焼酒を飲んだ。
「イザックさん、弟さんと子爵家の令嬢さんの婚姻はもう済まされたの?」
「いや……まだ婚約したばかりなので、結婚は来年になるかと……」
「そう。そのご令嬢と結婚することで、ジラール家に恩恵がもたらされる婚姻なのかしらね。商会の繋がりとか、領地経営の関係とか」
「そうです。彼女の家の方が、繁栄しているので」
「だから、彼女に選択権があって、彼女と結婚した方が跡継ぎになることになったのね」
ジラール家は特別なにかがある家では無い。普通の下位貴族である。
裕福では無いが、貧しくも無い。
彼女の家と縁を作り、商会の販路が広がるのを期待するくらいの子爵家。
「そうです」
「私はド平民だから、貴族の婚姻については分からないけれど、私が誰かと結婚するのなら、少なくとも、私の嫌いなものくらいは知っておいて欲しいわね」
「嫌いなものですか?」
ライアンが意外そうに訊いた。
「そう。好きなものは、自分で探したり、見つけたり、作り出したりできるじゃない?だけど、嫌いなものは、いくら自分が避けようとしたって、むこうから寄ってこられたり、押し付けられたりしたら、逃げようがないもの」
「そうですね」
とライアンは納得したように頷いた。
「アンドレは?リナの嫌いなもの知ってる?」
「スナギモ、キノコ、鶏肉の皮」
「正解!よく見てるのね~」
ロナはアンドレに笑いかけると、アンドレも恥ずかしそうに笑った。
「でイザックさんは、彼女の嫌いなものは知ってる?」
「いえ……」
「好きな物も、嫌いな物も知らない。自分に全く興味が無い人と、ずっと一緒に過ごさなければならないなんて、私はごめんだわねぇ」
ロナは砂肝の串に齧りついた。
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