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156.ベルトラン領の孤児院
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食事を終えて、ジュールとの待ち合わせの時間まで、街を歩くことにした。
「ここは辺境の地だから、騎士団も持ってるし、武器も売ってるけど、見るか?」
ジャンはイザックに聞いた。
「いや、俺は武器は大丈夫。文系だから」
イザックは控えめに断った。
「ねぇ、ジャン兄さん。さっきのディエゴって人、また会うかな」
リナが不安そうに言った。
「まぁ、会うかもしれないけど、大丈夫だろ?」
「でもやだ。怖い」
ジャンはイザック、アリシアと顔を見合わせた。
「じゃあ、少し早いけど、ジュールさんのところに行くか?」
ジャンはリナの頭を撫でながら言った。
「うん。そうしたい」
リナはディエゴに遭遇することに怯えているし、イザックもアリシアも、今日は特に必要な買い物も無いということで、ジュールがいる孤児院を目指すことにした。
街の中心部から離れるにつれ、リナも落ち着いて来た。
「あーちゃん。孤児院のバタークッキー美味しいんだよ」
リナはアリシアにバタークッキーを食べさせたいと思った。
本当は、アリシアもイザックも、久しぶりに街歩きをしたかったのかもしれない。
自分がディエゴを怖がったせいで、2人は我慢してくれたのかもしれない。
「そうなの?私、クッキー好きよ。売ってるといいわね」
アリシアが笑ってくれたので、リナは少し安心した。
「やっぱり孤児院があるんだな。ボーヴォにはないだろ?」
イザックが訊いた。
「ボーヴォで孤児が出ると、基本的には養父母を探すようにしている。領民も、そんなに多いわけじゃないしな。でも、養父母が見つからなかったときは、ここの孤児院に預けることになってる。だから、ジュールさんは、マメに孤児院に顔を出してるんだと思う」
ジャンがいうと、
「ジュールさんは、本当に情に厚い人だな」
とイザックは感心したように言った。
「ウチの村の人で、ジュールさんを悪くいう人、いないからね」
ジャンが言うと、イザックは大きく頷いた。
イザックにとっても、ジュールはもはや憧れの人なのだ。
あんな風になりたいと、いつも思っている。
話をしているウチに、街の端の孤児院についた。
「ちょっと早いかな?」
リナは自分のワガママのせいで落ち着かない気分だった。
「まぁ、早いって言われたら、何か手伝いますって言えば大丈夫」
とジャンが言ってくれたので、リナはホッとした。
孤児院のベルを鳴らす。
玄関を開け出てきたのは、赤茶の髪、ヘーゼルの瞳をした、少年だった。
「何か?」
「マルタン商会のジャンと申します。ボーヴォさんはいますか?」
少年は頷くと、奥に入って行った。
「ここは辺境の地だから、騎士団も持ってるし、武器も売ってるけど、見るか?」
ジャンはイザックに聞いた。
「いや、俺は武器は大丈夫。文系だから」
イザックは控えめに断った。
「ねぇ、ジャン兄さん。さっきのディエゴって人、また会うかな」
リナが不安そうに言った。
「まぁ、会うかもしれないけど、大丈夫だろ?」
「でもやだ。怖い」
ジャンはイザック、アリシアと顔を見合わせた。
「じゃあ、少し早いけど、ジュールさんのところに行くか?」
ジャンはリナの頭を撫でながら言った。
「うん。そうしたい」
リナはディエゴに遭遇することに怯えているし、イザックもアリシアも、今日は特に必要な買い物も無いということで、ジュールがいる孤児院を目指すことにした。
街の中心部から離れるにつれ、リナも落ち着いて来た。
「あーちゃん。孤児院のバタークッキー美味しいんだよ」
リナはアリシアにバタークッキーを食べさせたいと思った。
本当は、アリシアもイザックも、久しぶりに街歩きをしたかったのかもしれない。
自分がディエゴを怖がったせいで、2人は我慢してくれたのかもしれない。
「そうなの?私、クッキー好きよ。売ってるといいわね」
アリシアが笑ってくれたので、リナは少し安心した。
「やっぱり孤児院があるんだな。ボーヴォにはないだろ?」
イザックが訊いた。
「ボーヴォで孤児が出ると、基本的には養父母を探すようにしている。領民も、そんなに多いわけじゃないしな。でも、養父母が見つからなかったときは、ここの孤児院に預けることになってる。だから、ジュールさんは、マメに孤児院に顔を出してるんだと思う」
ジャンがいうと、
「ジュールさんは、本当に情に厚い人だな」
とイザックは感心したように言った。
「ウチの村の人で、ジュールさんを悪くいう人、いないからね」
ジャンが言うと、イザックは大きく頷いた。
イザックにとっても、ジュールはもはや憧れの人なのだ。
あんな風になりたいと、いつも思っている。
話をしているウチに、街の端の孤児院についた。
「ちょっと早いかな?」
リナは自分のワガママのせいで落ち着かない気分だった。
「まぁ、早いって言われたら、何か手伝いますって言えば大丈夫」
とジャンが言ってくれたので、リナはホッとした。
孤児院のベルを鳴らす。
玄関を開け出てきたのは、赤茶の髪、ヘーゼルの瞳をした、少年だった。
「何か?」
「マルタン商会のジャンと申します。ボーヴォさんはいますか?」
少年は頷くと、奥に入って行った。
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