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Case02.
8.幻とプリン
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アレクはマリアさんの味がとても気に入ったみたい。
「食堂の味もこんなに美味しいの?」
食後のコーヒーを運んできてくれたマリアさんにも訊ねるアレク。
「そりゃあ、美味しいわよ~。ジェシカだって作ってるんだもんね」
マリアさんは私にウインクをした。
なんでウインク???
「まぁ、私は下っ端だから、鍋かき混ぜるくらいだけど……」
「ジェシカも料理できるんだね!凄い!食べてみたい!」
仔犬のような目で、私を見つめないで~
本当に、下っ端なんだもん~
実は、学園の食堂部は一般市民にも開放されているのだ。
あまり、一般の利用者はいないけれど……
「アレクも食べに来れば?食堂部」
「いいの?僕も食べられる?」
瞳を輝かせるアレク。
「大丈夫だよね?マリアさん」
「大丈夫よ!市民にも開放してるんだから」
「じゃあ!今度行く!」
アレクはとても嬉しそうにコーヒーを飲んだ。
「ジェシカ。ジェシカは好きな人はいないの?」
アレクが突然の質問をした。
「え?いないな~。今は仕事に夢中だからね。アレクはハンカチをあげる人とずっと一緒にいられるといいね」
あんなに真剣に選んでいたんだもん。
「僕は彼女が大好きだけど、彼女はどうなのかな…… 」
「急に自信ないこと言うのね。どうしたの?」
急に元気がなくなったアレク。
どうしたの?ハンカチを送る相手は恋人じゃなかったの?片思い?
「彼女は僕より、もっと大人で頼りがいのある人が、好きなのかなって……」
「そうなの?彼女がそう言ってるの?」
「そうじゃないけど……僕が僕に自信がないだけ」
悲しげな顔のアレクに心が痛む。
「マリアさ~ん!デザートにプリンお願いします!」
悲しい時は甘いもの!絶対!
「マリアさんのプリンは美味しいの。食べてみて!元気になれるよ!前は食堂部でも出してたんだよ」
しょんぼりとしたアレクの前にプリンが置かれる。
「マリアさんのプリンは、このほろ苦いカラメルが絶品なんだから♪食べてみて!」
私が見つめる中、プリンを口にするアレク。
「美味しいっ」
「でしょでしょ~」
私もプリンを食べる。
「アレク。人の心の中を想像して、こうかな、こんなんじゃないかな?っていくら想像したって、それはアレクの考えで、相手の本当の気持ちではないでしょ?」
「うん」
「そしたら、いくらそれで悩んでも仕方ないよ。幻だから」
「幻?」
「そう。本当のことを知りたかったら、相手に聞くのが間違いないよ」
「幻……そうか、そうなんだね」
「そっ。幻をみて、思い悩んでいるより、まずはこの現実のプリンを食べるのだ!」
「食堂の味もこんなに美味しいの?」
食後のコーヒーを運んできてくれたマリアさんにも訊ねるアレク。
「そりゃあ、美味しいわよ~。ジェシカだって作ってるんだもんね」
マリアさんは私にウインクをした。
なんでウインク???
「まぁ、私は下っ端だから、鍋かき混ぜるくらいだけど……」
「ジェシカも料理できるんだね!凄い!食べてみたい!」
仔犬のような目で、私を見つめないで~
本当に、下っ端なんだもん~
実は、学園の食堂部は一般市民にも開放されているのだ。
あまり、一般の利用者はいないけれど……
「アレクも食べに来れば?食堂部」
「いいの?僕も食べられる?」
瞳を輝かせるアレク。
「大丈夫だよね?マリアさん」
「大丈夫よ!市民にも開放してるんだから」
「じゃあ!今度行く!」
アレクはとても嬉しそうにコーヒーを飲んだ。
「ジェシカ。ジェシカは好きな人はいないの?」
アレクが突然の質問をした。
「え?いないな~。今は仕事に夢中だからね。アレクはハンカチをあげる人とずっと一緒にいられるといいね」
あんなに真剣に選んでいたんだもん。
「僕は彼女が大好きだけど、彼女はどうなのかな…… 」
「急に自信ないこと言うのね。どうしたの?」
急に元気がなくなったアレク。
どうしたの?ハンカチを送る相手は恋人じゃなかったの?片思い?
「彼女は僕より、もっと大人で頼りがいのある人が、好きなのかなって……」
「そうなの?彼女がそう言ってるの?」
「そうじゃないけど……僕が僕に自信がないだけ」
悲しげな顔のアレクに心が痛む。
「マリアさ~ん!デザートにプリンお願いします!」
悲しい時は甘いもの!絶対!
「マリアさんのプリンは美味しいの。食べてみて!元気になれるよ!前は食堂部でも出してたんだよ」
しょんぼりとしたアレクの前にプリンが置かれる。
「マリアさんのプリンは、このほろ苦いカラメルが絶品なんだから♪食べてみて!」
私が見つめる中、プリンを口にするアレク。
「美味しいっ」
「でしょでしょ~」
私もプリンを食べる。
「アレク。人の心の中を想像して、こうかな、こんなんじゃないかな?っていくら想像したって、それはアレクの考えで、相手の本当の気持ちではないでしょ?」
「うん」
「そしたら、いくらそれで悩んでも仕方ないよ。幻だから」
「幻?」
「そう。本当のことを知りたかったら、相手に聞くのが間違いないよ」
「幻……そうか、そうなんだね」
「そっ。幻をみて、思い悩んでいるより、まずはこの現実のプリンを食べるのだ!」
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