ドラゴン・ゾルダード~二つの魂~

ばくだんいわ

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プロローグ 2

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 目覚まし時計が、けたたましく鳴るのに気が付き、九郎の意識は夢から覚めていく。目を開け、見慣れた自分の部屋の天井を、ボーッと見つめる。
 一体、あの夢は何なのだろう…?いやにリアルな夢だと思う?街並みや、相手の表情、血の匂いまでもが…あまりにリアルすぎて相手を斬った感触までもが、この手に残っているような気がする。

(うん、やっぱり疲れてるんだな。次の土日はゆっくり休もう!)

 と、自分の中で結論づけて、ふと自分の部屋にある時計に目をやると……
 時計の針は7時27分を指していた…本来なら、もう顔を洗い、歯磨きをして、登校の準備と着替えを済ませている頃だ。

「やっべ!」

 九郎は慌てて、下の階にある洗面所まで向かっていった。
九郎は、いつもより3倍早く、歯みがきと洗顔を済ませ、制服に着替えながら、登校の準備を済ませた。登校の準備も終わり、朝食の香ばしい匂いに釣られ、台所に向かっていった。


「あっ!お兄ちゃんおはよう!」

 台所に顔を出すと、もう朝食を済ませた、妹の愛子が登校の準備を済ませ、出掛けようとしていた。

「あぁ、愛子おはよう。今日は早いな?」

「早くに目が覚めちゃったからね。『一番多忙な人間が一番多くの時間をもつ』ってね!」

「お前さ、そういう言葉どこで覚えてくんの?」

「いろんなとこ~」

 と、そのまま愛子は学校へと出かけていった。妹の愛子は、只今中学二年生。元気でかわいいとは思うのだが時たま、九郎でもわからない難しい言葉を使って反応に困るときがある。

「九郎!」

 愛子の去った、玄関をボーっと眺めていると、母に声をかけられた。

「んあ?」

「なにそんなとこでボーっと突っ立てんの?片付かないから早くご飯食べちゃいなさい?」

「はーい……」

 母は昼間はコンビニのパートに出ている。


「母さんは今日も帰りは五時くらい?」

 九郎は母の作った、朝食に舌鼓を打ちながら、母に聞いた。

「うん、そのくらいかな?まぁ、学校から帰ってきてお腹が空いたら適当になんか食べといて。あ、でも食べ過ぎちゃダメよ?」

「うん。あれ?父さんは?」

「あぁ、なんか早朝会議があるとかなんかで早くに出て行ったわよ?」

 九郎の父は中小企業の営業課長だ

「ふ~ん……父さんも大変だねぇ~」

「そうよ~感謝しなさい?父さんが頑張っているからこそあんたたちは食べていけるんだからね!」

「わかってるって」

「ところであんた、そんなゆっくりしていていいの?」

 時計はもう七時四十五分を指していた。

「やっべ!」

 本日二度目の、「やっべ!」を叫びつつ、九郎は朝食を猛烈な勢いで片づけ始めた。朝食を食べ終え、大急ぎで家を出発、走ったかいもあって、なんとか朝の電車に間に合った。
 ちょうどホームに電車が滑り込んできたところだった

ドアの端に寄りかかり、九郎は今朝の夢のことを考えていた。ボーっと窓の外の空を眺める。

(こっちの世界とは何かが違う)

  どうしてもあの夢と現実を比べてしまう自分がいる。

(……っていやいや、あれは夢なんだって。現実と比べちゃいけないって!でも……妙にリアリティのある夢だよな)

 設定だけ考えれば、どこがリアリティなんだよと、自分で自分をツッコミたくなるなる内容だ。小柄な剣士が変わった剣術で、大男を斬り伏せる話なんて、マンガにしたって陳腐にも程がある

(買うかな?やっぱりイラスト次第だけど……って、そうじゃなくて)

 リアルなのは、手触りだ。あるいは香りであり、そして自分がここにいるという認識だ。あの夢を見ている間、感じるすべてのことが、真にせまっている。だから、あれもまた現実なのではないかと、思えてくるのだ。


 こことは違う、もう一つの現実。


(やっぱり疲れてるのかな?)

 自分を突き放して、客観的に見ようとしても、思考はあの夢から離れない。もう目が覚めて、意識もはっきりしているのに、まだまだ記憶から消えてくれない。
 それも、この〈夢〉が他の夢と違うところだった。普通なら、夢の記憶は急速に薄れてゆくものだ。
 けれど、この〈夢〉は違っていた。見はじめた三週間前からの夢も、ゆうべのも、いくら時間が経とうとも一向に印象が薄れない。
 それどころか、もっと濃くなってくるのだ。
慣れ親しんだ電車の揺れに、身を任せていると眠気が襲ってきた。

(あ~…寝ちゃダメだって…乗り過ごしちゃう…)

 人間、眠ってはいけないと思えば思うほど、睡魔には勝てないものだ。
 そのまま、九郎は眠りに落ちていった――――。
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