騎士王マルス ～始まりの歌～

序章 目指せ！夢の楽園

８年目 ようこそ、全知

あれから半年、ルシファーという生物が、神を殺し、その力を引き継いだと、風が教えてくれた。アルルや、エイト、マルス、ナインには、聞こえなかったのだろう。

普段と変わらず、楽園を目指して冒険をしている。





そこに、輝く砂の色をした髪の二足歩行に、羽をもつ生物が現れた。

「エイト、すまない。遅くなったようですね。」

「ルシファー先生、どうしてここに！？」


ルシファーと呼ばれた生物は、エイトに、袋を渡し、２人で話し始める。




しばらくすると、エイトが群れに戻ってきた。



「アルル、マルス、ナイン、よく聞いてくれ。いまから、ルシファー先生が地上まで送り届けてくれるそうだ。」

「やっと地上に帰れるのね。」

「お母さん、地上に行ったら、美味しい物をたくさん、食べようね！」

エイトは、笑顔で３匹を見ている。


「お父さんも、ついて行きたかったけど、お父さんは、ルシファー先生と一緒に、やらなければいけない仕事があるんだ。だから、マルス、お母さんと、弟をしっかり守るんだぞ。」




エイトは、群れのリーダーのアルルと話をつけ、群れを離れることにしたようだ。



ルシファーは、次の 夜明け後に、迎えに来ることを約束し、周囲に強力な結界を張った。

超大型の生物さえも、触れるだけで 消滅してしまうような、禍々しい結界だ。



ルシファーとエイトは、群れを去っていった。


アルルや、マルスは、目から水を生成している。
いつの間に、進化したのだろうか。





しかし、そんな様子を見ながらも、ミッドは考えていた。

（神が、ルシファーに変わったなら、進化の風は、吹かないかもしれない。そうすれば、ナインが弱くても、生き延びれるかもしれないと。）
















しかし、ミッドの気持ちを無視するように、周囲を湿った空気が多い尽くす。




ミッドは、ナインの為に、全知の能力を手に入れることにした。


（これで、ナインを救うことができる。）







しかし、どんなに考えても、ナインを救う方法は考え付かない。

また失敗か。いや、失敗はしていない。そうか、誰もやったことのないことは、調べようがないのか・・・。




ミッドは、理解した。

本当に、この世界を、ナインが生き抜くために必要な能力を！



それは、ミッドが生涯をかけて、ナインを守り抜くことだった。










その後、群れは、ルシファーと共に、地上へ向かうことになった。

ミッドは、体を小さくし、ナインの耳の中に隠れてついて行くことにしたようだ。



ナインが隠蔽術を発動できるようになれば、姿を隠してもらい、耳の中から出て生活しても問題ないだろう。


（・・・それまでの辛抱だ。吾輩は、全く問題ない。）