騎士王マルス ～始まりの歌～

序章 目指せ！夢の楽園

７年目 ようこそ、共有（前編）

結局、あの後の進化で、大きくなる能力を進化させて、取得した。
たぶん他の兄弟からは大幅に遅れを取っただろう。



しかし、ミッドは そこまで気にしていなかった。

無事に元のサイズより、小さめになり、群れに合流することに成功した。
群れには、新しいアイドルのナインがいたが、小さいミッドは、鞄の中に隠れていたので、初のお披露目となった。




ナインは、ミッドを受け入れてくれる。
小さかった頃のマルスのように、ミッドに噛みついたりしてくる。
まだ進化前なのか、ナインは、歯がなく、噛みつかれても気持ちいいくらいだ。





そんなあるとき、マルスがミッドに話しかける。

「もし、ミッドが話しが分かることを最初から知っていたら、お父さんも お母さんも、もっと違った反応だったろうね。」




ミッドは考えた

（なるほど、群れのリーダーのアルルも、２回も同じ進化を試している。
もしかすれば、物事には、タイミングというものがあり、それさえ合えば、よい結果をもたらすのかも知れない。
もう一度、意思共有を試してみようかな。今度は、ナインとだけ・・・。）





そんなある日、周囲を湿った空気が多い尽くす。



ミッドは、ナインとの意思共有の能力を手に入れることにした。


（これで、ナインにゆっくり説明していけば、きっと理解してもらえる。）



ミッドは、ナインが目を覚ますのを待った。



暗闇の中、ナインが目を覚ます。



「ふぁ、ふぁ、あぶあぶ、あーあー。」


（・・・ナインの考えていることが分からない。失敗かな？）





ミッドは、理解した。

本当に、この世界を生き抜くために、さらに必要な能力を！



（ナインは、考えていることも、断片的で理解が難しい。もしかすると、個人間の意思共有は、できないのかも。次回は、魂の共有をしてみよう。）



無駄な進化の時間を使ったようだが、次回の希望が見えた。

ミッドは、ナインと魂を共有する能力を取得することに決めた。