伝説の商人たち ~エルフの商人レイオン~

黒山羊

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五つ目の商店

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「ちょ、ちょっと、それはないって、レイオンくんがローレンス・・・?」


ベローチが自信満々に答える姿が面白かったのか、リリアスも従者も声に出して笑い出してしまった。

「ぷぷぷっ、大隊長、いくら何でも、こんな場面で笑うのは不謹慎ですよ。」

「だって、だって、ダメ、お腹が痛いんだけど・・・。」


後ろに控えていたエルフの魔法兵たちも、クスクスと笑っているのがベローチにも聞こえてきた。
ベローチは気分を害したのか、自分の見解が間違っていることを認め、大臣の後ろへと引きさがっていった。
そんなベローチたちに、リリアスは冷静を取り戻し、正直に答える。

「ごめんなさい。
 でも、あなたの推測は半分は当たっているわ。
 確かに、私はレイオンから手紙を受け取った。
 そこには、この台帳が不正に改ざんされた可能性がある。ということが記載されていたわ。
 人間である貴方たちの提出する証拠と、ハイエルフであるレイオンの手紙、どちらを信じるのかなんて、エルフであれば満場一致でこう答える。
 ・
 ・
 ・
 ハイエルフのレイオンを信じて待つ!ってね。
 ・
 ・
 ・
 だけど、あなた方が準備してくれた証拠に、犯人。
 もしかすると、レイオンの勘違いかもしれない。
 だから、彼女の身柄を受け渡してもらっても構わないかしら。
 レイオンからの回答が出次第、事を進めさせてもらうわ。」

「そ、それは・・・。」


返答に困った大臣の後ろで、マルゲリータ騎士団長が鳥の足に結び付けられていた手紙に目を通していた。
そして、

「元大臣のミラルノを拘束せよ。」


マルゲリータ騎士団長の命令で騎士団がミラルノを拘束する。

「貴様!
 いったい何事だ!」

激しく怒り、抵抗する大臣のミラルノに、マルゲリータ騎士団長が剣を突き付けながら説明する。

「いま、国王より勅命が出ました。
 影の従者が、不正森林伐採を捜査する過程で、御子息による犯行であると突き止めたようです。
 真犯人は、あなたの御子息、共犯者は、大臣のミラルノと、ドワルゴ商店店主ルルジア。」

「いったい、誰がそんなことを!」

「あなたの愛するお孫さんからの・・・ミラルノ商店店主からの密告です。」

「な、何を言ってるんだ、あの子がそんな・・・。」


マルゲリータは、ベローチに歩み寄り、何か耳打ちで伝える。
ベローチは、首を縦に振り、こう答えた。

「はい。
 私は大臣の執務室に行き、そこで大臣より、こう言われました。
 まず、私が台帳の確認をする。
 そこで、問題があれば、君に確認してもらうことにしよう・・・と。」


マルゲリータ騎士団長は、リリアス大隊長の元に歩み寄り、騒動を起こしてしまったことを詫びた。
そして、ドワルゴ商店店主ルルジアの身柄を預けることを了承した。

「リリアス大隊長殿、おそらくこれ以上の詮索は不要かと思われます。
 なにせ、主犯者が密告により捕まったのですから。
 もちろん、彼女の刑は盟約通り、そちらにお任せするのですが、大臣のミラルノやその息子は、国家転覆罪の疑いもあり、王国内での極刑が執り行われるはずです。
 もし、ご要望があれば、遺体の引き渡しは可能ですが、いかがいたしましょうか。」


「罪が裁かれるのであれば、
 ・
 ・
 ・
 私たちエルフは、死者を冒涜するつもりはない。」


「では、気が変わりましたら連絡をください。」




騎士団長は、ドワルゴ商店店主ルルジアの身柄を引き渡し、王都へと引き上げていった。
帰りの道中、マルゲリータ騎士団長と馬を並べていたのは・・・。


「いいか、ベローチ。
 お前が誰の名を名乗ろうと、俺には関係ない。
 しかし、俺の邪魔をすれば、血のつながった息子といえど、俺はお前を殺す。
 その覚悟も、用意もあることを忘れるなよ。」

「・・・はい、父様。」


そんな騎士団の一行の横を、猛スピードで駆け抜ける馬車があった。
すれ違いざまに、何かを見つけたベローチは、そのまま馬の向きを変え馬車を追いかけて行った。


「な、なんだったんだ。
 ムーンフェスト、配下の騎士を率いて先ほどの馬車の行き先を確認して来い!」、


「畏まりました。」


マルゲリータ騎士団長は、配下のムーンフェスト第12騎士団長に命令を出す。
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