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五つ目の商店
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『みなさん、彼の雰囲気に呑まれてしまったようですね。
よく考えてみてください、帳尻を合わせるために書き直しを加えた台帳って部分ですけど、提出する必要がないものの帳尻を合わせる必要なんてないですよね。
おそらく、彼は雰囲気で圧倒できると判断したんでしょう。
何か指摘があれば修正できるように、あいまいな説明で誤魔化したんでしょうね。
その場を誤魔化すことができれば、エルフたちに台帳の見方など分からないと判断したんですよ。
エルフの国に商人がいないことは、王国の商人の共通認識ですからね。』
『・
・
・
たしかに、よく考えてみれば変な話だよな。
それに、証拠の品として預かった台帳も、長老衆は誰も見ないだろう。』
『ですよね。
しかも、エルフの国で裁判となれば、犯人の反省を促す意味でも、50年から60年はかかるでしょうから、人間たちは次の世代へと入れ替わり、事件の解明が不可能になってしまいますよ。』
ハロルドの説明にエルフの魔法兵は、納得した表情を見せた。
そして、他の魔法兵に何か指示を出した後、ハロルドに話しかける。
『森の中で拘束している女の身柄はレイオンに引き渡すとしよう。
しかし、人間は信用できない種族だな・・・。』
『そうですよね。
騙し合い、奪い合い、些細なことで嫉妬する・・・。』
ハロルドの言葉に、エルフが悲しい顔をして、エルフの国に戻ってくるように促すのだが・・・。
『そうですね。
だけど、そうでない人も たくさんいますよ。
それに、少なくとも私たち家族の周りには、そうでない人が多いですよ。』
ハロルドの言葉に、エルフたちは笑顔で声をかけてくる。
その言葉に、ハロルドは笑顔でお礼を言っている。
残っていたエルフの魔法兵たちが引き上げていったあと、ムーンフェスト騎士団長がハロルドに声をかけてきた。
「いったいエルフたちと何の話をしていたんだ?」
「はい、私の知りえる事実を伝えていました。」
「お前が知る事実?」
「はい、そうです。
その結果、ドワルゴ商店店主の身柄は、私に預けてもらえることとなりました。」
ハロルドが返事をすると、森の中から拘束を解かれたルルジアがエルフに連れられてきた。
ルルジアを見たムーンフェスト騎士団長は、驚きの表情を隠せないようだ。
「お前が・・・いえ、あなたが知りえる事実とは?」
「ええ、それはエルフの国との守秘義務で守れらている内容なのですが、王命として質問されているのでしょうか。
それであれば、喜んでお答えしますが・・・。」
「い、いえ、いまの質問は忘れてください。」
ハロルドの機転を利かせた返答に、ムーンフェスト騎士団長は口を閉じ、騎士団を纏めて王都へ引き返していった。
第12騎士団が引き上げていったあと、身柄を預かるハロルドと次兄ビーノにルルジアが礼を述べたあと、ビーノから状況を聞き、その場に泣き崩れる。
その涙は、エルフの捕虜から解放されたことからの安心からだろうか、それとも兄の・・・。
そんな中、ベローチは ルルジアの引き渡しを確認すると、すぐに第12騎士団の後を追うように引き上げていった。
(ハロルド、君はいったい・・・。)
よく考えてみてください、帳尻を合わせるために書き直しを加えた台帳って部分ですけど、提出する必要がないものの帳尻を合わせる必要なんてないですよね。
おそらく、彼は雰囲気で圧倒できると判断したんでしょう。
何か指摘があれば修正できるように、あいまいな説明で誤魔化したんでしょうね。
その場を誤魔化すことができれば、エルフたちに台帳の見方など分からないと判断したんですよ。
エルフの国に商人がいないことは、王国の商人の共通認識ですからね。』
『・
・
・
たしかに、よく考えてみれば変な話だよな。
それに、証拠の品として預かった台帳も、長老衆は誰も見ないだろう。』
『ですよね。
しかも、エルフの国で裁判となれば、犯人の反省を促す意味でも、50年から60年はかかるでしょうから、人間たちは次の世代へと入れ替わり、事件の解明が不可能になってしまいますよ。』
ハロルドの説明にエルフの魔法兵は、納得した表情を見せた。
そして、他の魔法兵に何か指示を出した後、ハロルドに話しかける。
『森の中で拘束している女の身柄はレイオンに引き渡すとしよう。
しかし、人間は信用できない種族だな・・・。』
『そうですよね。
騙し合い、奪い合い、些細なことで嫉妬する・・・。』
ハロルドの言葉に、エルフが悲しい顔をして、エルフの国に戻ってくるように促すのだが・・・。
『そうですね。
だけど、そうでない人も たくさんいますよ。
それに、少なくとも私たち家族の周りには、そうでない人が多いですよ。』
ハロルドの言葉に、エルフたちは笑顔で声をかけてくる。
その言葉に、ハロルドは笑顔でお礼を言っている。
残っていたエルフの魔法兵たちが引き上げていったあと、ムーンフェスト騎士団長がハロルドに声をかけてきた。
「いったいエルフたちと何の話をしていたんだ?」
「はい、私の知りえる事実を伝えていました。」
「お前が知る事実?」
「はい、そうです。
その結果、ドワルゴ商店店主の身柄は、私に預けてもらえることとなりました。」
ハロルドが返事をすると、森の中から拘束を解かれたルルジアがエルフに連れられてきた。
ルルジアを見たムーンフェスト騎士団長は、驚きの表情を隠せないようだ。
「お前が・・・いえ、あなたが知りえる事実とは?」
「ええ、それはエルフの国との守秘義務で守れらている内容なのですが、王命として質問されているのでしょうか。
それであれば、喜んでお答えしますが・・・。」
「い、いえ、いまの質問は忘れてください。」
ハロルドの機転を利かせた返答に、ムーンフェスト騎士団長は口を閉じ、騎士団を纏めて王都へ引き返していった。
第12騎士団が引き上げていったあと、身柄を預かるハロルドと次兄ビーノにルルジアが礼を述べたあと、ビーノから状況を聞き、その場に泣き崩れる。
その涙は、エルフの捕虜から解放されたことからの安心からだろうか、それとも兄の・・・。
そんな中、ベローチは ルルジアの引き渡しを確認すると、すぐに第12騎士団の後を追うように引き上げていった。
(ハロルド、君はいったい・・・。)
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