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4章・冒険者の休息
第1泊 商売がたき
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水晶の力で地上に戻ったパーティは、迷宮近くの魔法陣に飛ばされる。
レヴィアは、森の中の魔法陣を見ながら、感心している。
「ここから、また迷宮に戻れるなんて便利だね。」
何かに気づいた エイトは、手のひらを見つめながら言う。
「しかも、かなり手の込んだ魔法陣みたいだね。ほら、手のひらに刻印されてるよ。」
「ほんとうだ!」
革の手袋を外し、手のひらを確認したアルルも初めての経験に興奮しているようだ。
レイザーも自身の手のひらを見つめながら、何かに気が付いた様子だ。
「なるほど。たまに町中で暴れた冒険者を捕まえる時、手のひらの刺青が気になってたんだ。こういうことだったのか。」
魔法に興味がないレヴィアは、町の方に歩き出す。
パーティメンバーが付いてきていない様子を確認すると、歩くのを辞め、パーティメンバー達に呼びかける。
「早く店にいこうよ。」
「そうだね!
作った香水も売らないといけないからね!
みんなには理解してもらえなかったけど、あの芳醇な香りなら、絶対売れるはずだからね。」
パーティメンバーは、エイトを軽蔑した目で見る。
「エイトは、個人販売で、う○こ香水を売るとして、私たちは ハロルド商会を利用しよう。
ミザリ、お父さんは食料を安く仕入れたりもできるかな?」
「もちろん!
私もパーティメンバーだから、仕入れ価格で卸させるよ!」
「うむ!頼もしいメンバーだね。」
レヴィアとミザリの会話を聞いていたエイトが、心配そうな表情で2人に質問する。
「・・・ミザリは、この先も付いていくの?」
「さすがに、子供には危険なんじゃないか?」
「ええ、ミザリちゃんには ちょっと・・・。」
レイザーやアルルも同じ意見のようだ。
その会話を聞いていたミザリが、笑いながら答える。
「いやだなー。僕が若く見えるからって、エルフの血を引いてるからかな?
これでも23だよ!」
その言葉に、一番驚いていたのがレヴィアだろう。
「ああ、そうだったのか、ミザリ姉さん。」
~町の外れ~
エイトは、町に着くと早速 道端に風呂敷を広げ、う○こ香水を売り始める。
その様子を横目に見ながら、レヴィアがエイト以外のパーティメンバーに声をかける。
「なるべく他人のふりをして先を急ごう。」
パーティメンバーは、エイトの方を見ないようにしながら、それぞれの目的地を目指した。
~ハロルド商会~
レヴィアとミザリは、2人でハロルド商会に来ていた。
レイザーは、寄るところがあるといい、パーティを一時抜けた。
アルルも、報告に行く必要があるといい、やはり一時的にパーティを抜けた。
店に着くと、外観のボロさは相変わらずだが、店内は人であふれている。
「おかえり!ミザリ!」
ミザリの父親であり、ハロルド商会会長のハロルドが、笑顔で出迎えてくれた。
「迷宮から戻った冒険者の口コミで、洋服を仕立ててほしいって依頼が多くて困ってたんだ。」
「ほほう。ミザリくん、成功のようだね。」
「ね、僕の言った通りでしょ。」
「では、レヴィアブランドの服を作るとしようかな。」
レヴィアとミザリは、部屋の奥に入っていく。
二人は、洋服を錬金し、命名して販売していく。作った洋服は飛ぶように売れる!
なぜなら、王国内に命名士は 3人(レヴィア含む)しか存在せず、命名された品物は 大変貴重な品である。
命名士に頼む以外は、教会に多額の寄付金を払い、神託にて命名してもらう方法も存在するが、寄付金の額も 金貨10000枚と破格なので、一般人が命名された品を持つことはない。
命名されることで、使えば使うほど 性能が向上していくことは、有名な話である。
その為、デザインや機能性にも優れている、レヴィアブランドの服が飛ぶように売れていくのだろう。
~40分後~
ウィンター商会から、会長がやってきた。
ウィンター会長とハロルド会長は、大きな声で話し合っている。
まるで宣伝をしながら、相手より優位に立つ商人のバトルのようなものだろう。
「やあ、ハロルド、かなり儲かってるみたいですな。」
「ええ、おかげさまで。」
「いやー素晴らしい服を着た 美しい女性は、魅力的で素晴らしい!」
「そうでしょう。なかなか仕入れるのに手間取ってしまい待たせてしまいましたからね。
しかも、最高級の命名までされた洋服ですから。」
商人協会ランキング 不動の1位に君臨し続ける ウィンター会長が少し悔しそうな顔をする。
それほど、命名された品は 貴重な者なのだ。
しかし、ウィンター会長も負けてはいない。
「しかし、残念だ。この店に香水があれば、もっと美しさを磨けるのに!」
そう言うと、服を買いに来ていた貴婦人方も頷いている。
「そうね。小物や香水も欲しいかもね。」
「ええ、せっかくの おしゃれですからね。」
勝ち誇った顔で、ミザリが 奥から出てくる。
「そういう御要望にお応えするべく、香水も準備してあります。」
ミザリは、美しい小瓶に 迷宮で作った香水を移し替えて持ってきた。
「香水は貴重な物なので、金貨5枚で販売のところ、洋服を買っていただいたお客様には、金貨3枚でお譲りしております!」
貴婦人方は、サンプル用の香水を手に取り 香りを確かめている。
「あら、お手頃な価格ね。」
「ほんと、香りも素敵よね。」
ハロルド会長とミザリは、勝ち誇った顔をした。
悔しい顔を見せるかと思ったが、ウィンター会長は、気にも留めていない表情だ。
「いやいや。素晴らしい香水だ。おっと、失礼。」
そういって、ウィンター会長は 汚い小瓶を取り出し、わざと地面に落とした。
汚い小瓶の液体からは、何とも言えない。
芳醇で素敵な香りが溢れる。
店内の貴婦人方は、一瞬で その香りの虜になった。
「まあ!なんて素敵な香水なの!」
「こんな香り、いままで嗅いだこともないわ!!!」
その言葉に、勝ち誇った表情のウィンター会長が説明し始める。
「失礼、これは、ウィンター商会で取り扱ってる。香水のサンプルですよ。
ちょっと高級な品で、お値段もはるんですが、個数限定で販売しております。」
「「「いくらなの?」」」
貴婦人方は、一斉に値段を聞いた。
その問いに、笑顔で答えるウィンター会長。
「限定50個で、金貨20枚です。次回の仕入れ分からは、金貨40枚に戻す予定ですが、今回は皆様に知ってもらおうと、特別価格で販売しております。」
「まあ、かなり安く購入できるのね!」
「ただし、今回限りの特別な品ですから・・・。
おっと、そろそろ販売開始の時間だ!」
そういって、ウィンター会長は、自分の店に戻っていった。
その後を追うように、店内の客は、全てウィンター商会に流れて行った。
静かになった店の中には、割れた小瓶と、甘く魅力的な香りが充満している。
「完全にやられたわ。」
「ウィンターの奴め、あんな香水を どこで入手したんだ?」
レヴィアが、小瓶の方を見つめている。
「ミザリ、あの小瓶、見覚えないかな?」
「・・・エイトの小瓶だ!」
3人は 店を閉め、エイトを探す。
エイトは、宿に入ろうとしていたところで、手には 革袋と書類を持っていた。
ミザリたち父娘は、エイトを見つけると全力で駆け寄り、質問攻めをした。
「エイト!あの香水は!?」
「ああ、あれね。」
「そうだよ。あの香水を譲ってもらいたいんだ!」
「あれは、全部売れたよ。なんと、金貨20枚になりました!」
「そ、そんな・・・。」
落胆する父娘。
エイトは、さらに笑顔で話を続ける。
「それだけじゃないよ。作り方を教えて、その作り方を譲渡したら、なんと!金貨10枚も貰えました!!!」
「まさか・・・。」
ハロルド会長は、地面に膝を着き力尽きたように動かなくなった。
少し遅れてきたレヴィアが、エイトに話しかける。
「ねえ、エイト。あの香水が1本いくらで売ってあると思う?」
「さあ?銀貨40枚ってとこかな?」
つぶやくようにハロルド会長がボソボソと喋る。
「・・・金貨40枚だよ。」
~ to be continued
【補足】
・手のひら に刻印
この刻印が魔法陣起動のカギとなり、記憶された水晶の元へ刻印を持つ冒険者を送り届ける。
刻印の無い冒険者は、1階層からのスタートになってしまう。
また、地上で傷の治療をした場合なども、刻印が消えてしまえば、1階層からの再スタートになってしまうので注意が必要である。
・個人販売
冒険者は、町外れで少数の不用品を販売することは認められている。
もっぱら買い取るのは、他の冒険者や、転売目的の商人なのだが。
・エルフの血を引く
エルフと人間の子は珍しく、男子は存在しない。
エルフは、神々を信仰しておらず、魔法の源となる数多の精霊を信仰している。
エルフの血を引いていると、生まれつき魔法が使え、人間のように神の恩恵を得られるといったメリット。
人間の寿命で、エルフの成長速度のため、肉体の発達が遅く、未発育なまま寿命を迎えることも多い。
尚、理由は不明だが、子を宿すことが できないことが多い。
レヴィアは、森の中の魔法陣を見ながら、感心している。
「ここから、また迷宮に戻れるなんて便利だね。」
何かに気づいた エイトは、手のひらを見つめながら言う。
「しかも、かなり手の込んだ魔法陣みたいだね。ほら、手のひらに刻印されてるよ。」
「ほんとうだ!」
革の手袋を外し、手のひらを確認したアルルも初めての経験に興奮しているようだ。
レイザーも自身の手のひらを見つめながら、何かに気が付いた様子だ。
「なるほど。たまに町中で暴れた冒険者を捕まえる時、手のひらの刺青が気になってたんだ。こういうことだったのか。」
魔法に興味がないレヴィアは、町の方に歩き出す。
パーティメンバーが付いてきていない様子を確認すると、歩くのを辞め、パーティメンバー達に呼びかける。
「早く店にいこうよ。」
「そうだね!
作った香水も売らないといけないからね!
みんなには理解してもらえなかったけど、あの芳醇な香りなら、絶対売れるはずだからね。」
パーティメンバーは、エイトを軽蔑した目で見る。
「エイトは、個人販売で、う○こ香水を売るとして、私たちは ハロルド商会を利用しよう。
ミザリ、お父さんは食料を安く仕入れたりもできるかな?」
「もちろん!
私もパーティメンバーだから、仕入れ価格で卸させるよ!」
「うむ!頼もしいメンバーだね。」
レヴィアとミザリの会話を聞いていたエイトが、心配そうな表情で2人に質問する。
「・・・ミザリは、この先も付いていくの?」
「さすがに、子供には危険なんじゃないか?」
「ええ、ミザリちゃんには ちょっと・・・。」
レイザーやアルルも同じ意見のようだ。
その会話を聞いていたミザリが、笑いながら答える。
「いやだなー。僕が若く見えるからって、エルフの血を引いてるからかな?
これでも23だよ!」
その言葉に、一番驚いていたのがレヴィアだろう。
「ああ、そうだったのか、ミザリ姉さん。」
~町の外れ~
エイトは、町に着くと早速 道端に風呂敷を広げ、う○こ香水を売り始める。
その様子を横目に見ながら、レヴィアがエイト以外のパーティメンバーに声をかける。
「なるべく他人のふりをして先を急ごう。」
パーティメンバーは、エイトの方を見ないようにしながら、それぞれの目的地を目指した。
~ハロルド商会~
レヴィアとミザリは、2人でハロルド商会に来ていた。
レイザーは、寄るところがあるといい、パーティを一時抜けた。
アルルも、報告に行く必要があるといい、やはり一時的にパーティを抜けた。
店に着くと、外観のボロさは相変わらずだが、店内は人であふれている。
「おかえり!ミザリ!」
ミザリの父親であり、ハロルド商会会長のハロルドが、笑顔で出迎えてくれた。
「迷宮から戻った冒険者の口コミで、洋服を仕立ててほしいって依頼が多くて困ってたんだ。」
「ほほう。ミザリくん、成功のようだね。」
「ね、僕の言った通りでしょ。」
「では、レヴィアブランドの服を作るとしようかな。」
レヴィアとミザリは、部屋の奥に入っていく。
二人は、洋服を錬金し、命名して販売していく。作った洋服は飛ぶように売れる!
なぜなら、王国内に命名士は 3人(レヴィア含む)しか存在せず、命名された品物は 大変貴重な品である。
命名士に頼む以外は、教会に多額の寄付金を払い、神託にて命名してもらう方法も存在するが、寄付金の額も 金貨10000枚と破格なので、一般人が命名された品を持つことはない。
命名されることで、使えば使うほど 性能が向上していくことは、有名な話である。
その為、デザインや機能性にも優れている、レヴィアブランドの服が飛ぶように売れていくのだろう。
~40分後~
ウィンター商会から、会長がやってきた。
ウィンター会長とハロルド会長は、大きな声で話し合っている。
まるで宣伝をしながら、相手より優位に立つ商人のバトルのようなものだろう。
「やあ、ハロルド、かなり儲かってるみたいですな。」
「ええ、おかげさまで。」
「いやー素晴らしい服を着た 美しい女性は、魅力的で素晴らしい!」
「そうでしょう。なかなか仕入れるのに手間取ってしまい待たせてしまいましたからね。
しかも、最高級の命名までされた洋服ですから。」
商人協会ランキング 不動の1位に君臨し続ける ウィンター会長が少し悔しそうな顔をする。
それほど、命名された品は 貴重な者なのだ。
しかし、ウィンター会長も負けてはいない。
「しかし、残念だ。この店に香水があれば、もっと美しさを磨けるのに!」
そう言うと、服を買いに来ていた貴婦人方も頷いている。
「そうね。小物や香水も欲しいかもね。」
「ええ、せっかくの おしゃれですからね。」
勝ち誇った顔で、ミザリが 奥から出てくる。
「そういう御要望にお応えするべく、香水も準備してあります。」
ミザリは、美しい小瓶に 迷宮で作った香水を移し替えて持ってきた。
「香水は貴重な物なので、金貨5枚で販売のところ、洋服を買っていただいたお客様には、金貨3枚でお譲りしております!」
貴婦人方は、サンプル用の香水を手に取り 香りを確かめている。
「あら、お手頃な価格ね。」
「ほんと、香りも素敵よね。」
ハロルド会長とミザリは、勝ち誇った顔をした。
悔しい顔を見せるかと思ったが、ウィンター会長は、気にも留めていない表情だ。
「いやいや。素晴らしい香水だ。おっと、失礼。」
そういって、ウィンター会長は 汚い小瓶を取り出し、わざと地面に落とした。
汚い小瓶の液体からは、何とも言えない。
芳醇で素敵な香りが溢れる。
店内の貴婦人方は、一瞬で その香りの虜になった。
「まあ!なんて素敵な香水なの!」
「こんな香り、いままで嗅いだこともないわ!!!」
その言葉に、勝ち誇った表情のウィンター会長が説明し始める。
「失礼、これは、ウィンター商会で取り扱ってる。香水のサンプルですよ。
ちょっと高級な品で、お値段もはるんですが、個数限定で販売しております。」
「「「いくらなの?」」」
貴婦人方は、一斉に値段を聞いた。
その問いに、笑顔で答えるウィンター会長。
「限定50個で、金貨20枚です。次回の仕入れ分からは、金貨40枚に戻す予定ですが、今回は皆様に知ってもらおうと、特別価格で販売しております。」
「まあ、かなり安く購入できるのね!」
「ただし、今回限りの特別な品ですから・・・。
おっと、そろそろ販売開始の時間だ!」
そういって、ウィンター会長は、自分の店に戻っていった。
その後を追うように、店内の客は、全てウィンター商会に流れて行った。
静かになった店の中には、割れた小瓶と、甘く魅力的な香りが充満している。
「完全にやられたわ。」
「ウィンターの奴め、あんな香水を どこで入手したんだ?」
レヴィアが、小瓶の方を見つめている。
「ミザリ、あの小瓶、見覚えないかな?」
「・・・エイトの小瓶だ!」
3人は 店を閉め、エイトを探す。
エイトは、宿に入ろうとしていたところで、手には 革袋と書類を持っていた。
ミザリたち父娘は、エイトを見つけると全力で駆け寄り、質問攻めをした。
「エイト!あの香水は!?」
「ああ、あれね。」
「そうだよ。あの香水を譲ってもらいたいんだ!」
「あれは、全部売れたよ。なんと、金貨20枚になりました!」
「そ、そんな・・・。」
落胆する父娘。
エイトは、さらに笑顔で話を続ける。
「それだけじゃないよ。作り方を教えて、その作り方を譲渡したら、なんと!金貨10枚も貰えました!!!」
「まさか・・・。」
ハロルド会長は、地面に膝を着き力尽きたように動かなくなった。
少し遅れてきたレヴィアが、エイトに話しかける。
「ねえ、エイト。あの香水が1本いくらで売ってあると思う?」
「さあ?銀貨40枚ってとこかな?」
つぶやくようにハロルド会長がボソボソと喋る。
「・・・金貨40枚だよ。」
~ to be continued
【補足】
・手のひら に刻印
この刻印が魔法陣起動のカギとなり、記憶された水晶の元へ刻印を持つ冒険者を送り届ける。
刻印の無い冒険者は、1階層からのスタートになってしまう。
また、地上で傷の治療をした場合なども、刻印が消えてしまえば、1階層からの再スタートになってしまうので注意が必要である。
・個人販売
冒険者は、町外れで少数の不用品を販売することは認められている。
もっぱら買い取るのは、他の冒険者や、転売目的の商人なのだが。
・エルフの血を引く
エルフと人間の子は珍しく、男子は存在しない。
エルフは、神々を信仰しておらず、魔法の源となる数多の精霊を信仰している。
エルフの血を引いていると、生まれつき魔法が使え、人間のように神の恩恵を得られるといったメリット。
人間の寿命で、エルフの成長速度のため、肉体の発達が遅く、未発育なまま寿命を迎えることも多い。
尚、理由は不明だが、子を宿すことが できないことが多い。
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