目指せ地獄の門 ~改訂版~

黒山羊

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5章・英雄の誕生

洞窟11階 罠・罠・罠

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パーティは、長い階段を下りてくる。
いよいよ11階層だ。
ここまで来ると、迷宮は いままでと違う表情を見せる。
ゴツゴツした岩場も目立ち、足場も悪くなる。岩と岩の隙間には、地の底まで続いているような割れ目もある。
11階層に下りて、エイトがレヴィアに注意を促す。

「レヴィア、ちょっと明かりを増やそうか。」

「たしかに、足場が悪い上に 見通しも悪いね。ミザリ以外にも明かり要員が必要だね。」

レヴィアは、四次元ポシェトから ランタンを取り出し、明かりを灯した。

「レヴィア姉さん、私が2つランプを持つよ。そうすれば、いまより明るくなるでしょ。」

ミザリの意見も分かるが、レヴィアは、首を横に振る。
ミザリの両手が塞がることに危険を感じているのだろうか。
その様子を見て、アルルが意見を出す。

「あの、それぞれがランプを持つのはどうでしょうか。かなり明るくなると思うんですけど。」

アルルの意見にレイザーが反対意見を出してきた。

「いや、敵も強力になってくると思うんだ。全員がランプを持っていると、突発的に襲われた時に対処が難しくなる。戦闘力の高い エイトとレヴィア、アルルは、戦闘要員でもいいと思うんだが。」

「そうだね。そうしよう。だけど、今回は私もランタンを持つよ。」

面倒な事をしたがらないレヴィアが ランタンを持つことに、エイトを除いたメンバーは驚いている。
エイトは、レヴィアに合図を送るように、声をかける。

「今日は、やけに素直だね。」

「エイトが明かりを増やしたい理由は、アレなんだろ。」

「そう、僕の直感だよ。」

「直感?」

アルルは 直感など、あまり信じていないのか、不思議そうな顔を見せる。
そんなアルルに微笑みかけたあと、エイトは パーティの先頭を歩き始める。



「みんな、止まってくれ。」

しばらく進んでいると、エイトが急に立ち止まりレヴィアからランタンを借りる。
エイトのすぐ後ろを歩いていたミザリが、不満そうにエイトに声をかける。

「急に止まって、どうかした?」

「うん。・・・罠がある。」

エイトの目の前の足元に、砂地で 砂をかけて分かりにくくしたワイヤーが張られている。


「この罠を踏めば・・・。」

そう言ってレイザーは、ワイヤーをたどる。
ワイヤーをたどった先の天井には、板に無数の槍が取り付けられた罠が設置されていた。
あの板ごと落ちてきて、下の冒険者を串刺しにするのだろうか。
ミザリは、物騒な罠に身震いをしながらエイトに声をかける。

「うえー。このまま歩いてたら、僕とエイトは 槍に串刺しだったね。」

「そうだね。気づけてよかったね。」

罠を見ていたアルルは、顔色が悪い。
その様子を見て、レヴィアがアルルに声をかけた。

「アルル、マートンの仕掛けた罠で間違いないかな?」

「・・・はい。
 正確には、クロックの罠です。あの黒髪の・・・。」

「はぁ?あいつらが仕掛けたの!?
 レヴィア姉さん、他の冒険者を狙うとか ほんと意地汚いよね。」

ミザリの意見にレイザーも同意する。

「それにしても、人の通り道に槍を吊るすなんて、軽装の冒険者や魔法使いは即死じゃないか。完全に後続のパーティを狙った罠だな。」

文句を言うパーティから庇うようにアルルが反論する。

「クロックは、彼は本当はそんなことしません!
 きっとマートンに脅されて仕方なく・・・。」

「アルル、どうしたんだ いったい?」

「レヴィア姉さん、もしかしてアルルとクロックは・・・。」

アルルは エイトのランプを奪い、パーティを抜け 一人で走りだした。
エイトは レヴィアに合図を送り、ランプをレイザーから借り、アルルの後を追いかける。
3人だけ残されたパーティで、レヴィアがミザリに質問する。

「ミザリ、さっきの件なんだけど、何か思い当たる節でも?」

「うん。たぶん アルルとクロックは・・・。」

話を遮るように、3人の背後から声が聞こえる。

「御名答!」

「マートンか・・・僕、まだ話してないんだけど。」

挟み打ちのような形で、前の方からも クロックと青髪ショートが出てくる。
レヴィアは、ハンマーを構え警戒する。
レイザーも、細剣を抜き 身構える。

「よりにもよって、アルルと エイトの居ないときに挟み撃ちか・・・。」











~そのころ、エイトは~

パーティの明かりが届かない場所まで走っていた。
そこで アルルに追いつき、アルルの腕を掴む。

「エイトさん、離して下さい!」

「アルルこそ、話してよ。」


「・・・。」


「・・・。」


暗闇で分かりにくいが、アルルは泣いていた。
アルルの涙に気づいたエイトが、胸のポケットから、何かを取り出す。

「ほら、これ使いなよ。」

エイトは、取り出したハンカチで、アルルの涙を拭く。

「・・・ありがとうございます。」

「アルル、もし話すのが辛いなら 無理して聞かないよ。
 だけど、涙を流すほど辛いんなら、僕が半分背負ってあげるから。」


「・・・。」


「僕は小さい時に国が襲われて、母様が僕の命を助ける為に 主父あるじ様と契約してくれて助かったんだ。
 でも、母様が契約した内容は、国中の魂を地獄の門の奥に封印する。って内容だったんだって。僕は生き延びたんだけど、関係ない人も動物も何もかも、島ごと封印されちゃったみたいなんだ。
 だから僕は強くならないといけないと思っていたし、一人で何でも解決できるように、たくさん修行もやってきた。何でも一人で出来るつもりだった。
 でもね、僕は気づいたんだ。レヴィアや、主父あるじ様、師匠、先生。みんな僕が一人にならないように、助けてくれていたんだよ。たぶん一人では何も出来ないままだったに違いない。
 いまだって、アルルがいてくれるから、死と隣り合わせの迷宮に負けることなく挑戦することができているんだ。
・・・アルルも、僕を頼ってくれてもいいんだよ。僕は、アルルを受け入れたい。」

「あの、私・・・。」



アルルは、下級騎士の出身で、低い身分で騎士養成所に入った時に、いじめられていたことや、それを助ける振りをして近づいてきた黒幕のマートンに暴行されていたこと。
そのとき、優しくしてくれた、同じ低い身分出身のクロックの事を好きになり、愛し合っていた事を話してくれた。
・・・でも今は別に好きな人もでき、クロックの事を忘れたいとも言っていた。
話をすることで、少し安心したのか、アルルは ほほえみながら話しかけてくる。

「エイトさん、迷宮なのにハンカチ持ち歩いてるんですね。」

「小さい頃に母様に、困ってる素敵な女性に差し出せるよう、綺麗なハンカチだけは 持ち歩きなさいって言われてたからね。でも、初めて役に立ったよ。」

アルルは、優しい笑顔を見せる。



メンバーのいる方から、レヴィアのタンタンハンマーを振る唸り声のような音が聞こえる!

「アルル、一緒に戻ろう!」

「はい!私たちの大切な仲間ですからね!」

エイトはレヴィアの元に急ぐため、アルルと手をつなぎ、魔装具(隠密の指輪)を発動させる。
エイトたちが戻ると、レヴィアが レイザーとミザリを守るように防戦一方で戦っている。
マートンはともかく、青髪ショートは魔法を使うようで、レヴィアには分が悪いようだ。
ミザリは、必死にクロックを説得しようとしている。

「クロックは、アルルと付き合ってたんでしょ!
 こんなことしてアルルが悲しむのも分からないの!?」

ミザリの説得を聞き、クロックたちは声を出し笑いだした。

「はあ?
 おいマートン、説明してやれよ!」

「はい、クロック様」


「!!!」


「クロック様は、高貴な身分のお方なんだよ!アルルなんか下級身分の騎士と同じにするな!
 全てクロック様の考え通りに進んでた結果なんだよ。あの、すけべ女はバカだから知らなかったんだろうけどな!」

マートンが そういい終わると、クロックたちは、さらに大笑いをしている。
エイトは、その場に膝をつき震えるアルルの手を握り、優しく抱きしめる。






青髪ショートが警戒する。
その様子に気づいたクロックが、青髪ショートに声をかける。

「マット、どうした!?」

「い、いえ、いま寒気が・・・。」

この中で一番魔力の高いマットが、隠密の指輪で完全に気配を絶っているはずのエイトの魔力を感じ取ったようだ。
その様子を見て、レヴィアが安堵した表情になる。

「ああ、魔法相手に防戦一方は疲れるね。」

レヴィアのセリフに、マートンが挑発する。

「は?おまえ、もう死にそうじゃねーか!」

レヴィアは、マートンを無視し、独り言のように言う。

「エイト、どっちが殺っちゃう?」


その言葉にエイトは、魔装具の効果を解除する。
迷宮全体が、不穏な空気に包まれる。
その邪悪で禍々しい気配に、全員がエイトの方を見る。

「ア、アルル、君はいつからそこに・・・?」


アルルはエイトの方を向き、クロックを見ようとしない。
エイトはアルルに優しく声をかける。

「アルル、レヴィアに任せてもいいかな。」

アルルは頷く。
エイトは怒りに身を任せてしまいそうで、自分自身を制御できないことを分かっていたようだ。
レヴィアは、エイトたちのやり取りを見て、敵を威嚇する。

「ああ、久しぶりの本気だ。亡骸が残ればいいんだけどね。」

エイトは超高位魔法を発動し、パーティの周りに防御壁を張る。
レヴィアの魔装具が、不気味に青白く光りだす。
レヴィアの近くにいたマートンが、必死に命乞いを始める。

「ま、ま、まってくれ、俺はクロックに命令されてただけなんだ・・・。
こ、こ、こ、攻撃してたのもマットだから、その・・・。」


マットは、エイトの魔力に絶望状態になり、前身の震えが止まらない。
そんなマットの足元は、すでに無意識に漏らしてしまった排泄物で汚れている。

クロックは、マットに魔法で援護するように命令する。

「マット!俺に強化魔法をかけろ!」

「ま、ま、まま、まじ、マジック、ま、まじ・・・。」

マットは、魔法を詠唱しようと口を開こうとするが、魔力が高かったことが仇となり、エイトの禍々しい魔力を一番感じ取ってしまった恐怖で、まともに声を出すことすらできない。

レヴィアが ゆっくり歩きだし、タンタンハンマーを 恐怖で動けないクロックに狙いを定め頭上高く振りあげる!



ダダーーーーーン!




迷宮の外では、木々が激しく揺れ、陳列してある商品は崩れ落ちた。







レヴィアの攻撃は外れて地面を直撃する。
いや、レヴィアが アルルを避けるように地面に直撃させていた。
・・・アルルは、クロックを庇った。

「アルル、俺を信じてくれ。」



パチン!



「もう私たちに構わないで下さい。私は、レヴィア団のアルルです!」

エイトが、アルルに近寄る。
アルルは、エイトの手を握る。

「エイトさん、レヴィアさん。今回は、見逃してあげて下さい。」

エイトは頷き、レヴィアを見る。
レヴィアは、クロックにくぎを刺すように、条件をだした。

「ああ、今後、アルルに干渉せず、近づかないと、主父あるじ様に誓うのであれば。」


クロックは、何度も大きく頷き答える。

「は、はい。わ、わかりました。
 今後、アルル様には干渉せず、近づかないと約束・・・主父あるじ様に誓います。」


マートンは、レヴィアのハンマーが振り下ろされる前に、逃げ出したようだ。
マットは、自分の汚物の上に気絶して倒れている。


レヴィアは 気を取り直し、パーティに声をかける。

「みんな。先に進もう。」

パーティは、洞窟の奥へと進み始める。
しばらく進むと、まだ興奮している様子のミザリが レヴィアに話しかけた。

「レヴィア姉さんの事だから、青髪ヤローを狙うと思ったんだけどね!」

「ああ、私たちのせいで、防戦一方だったからな。」


興奮が冷めないミザリと レイザーの方を見て、レヴィアが気まずそうに話す。

「ああ、本当は、青いやつを狙ってたんだけど・・・。」


アルルが、複雑そうな表情でレヴィアに声をかける。

「レヴィアさん、まさか私の為に・・・。」


さらに気まずそうな顔になるレヴィア。

「いや、ほら、マットがう○こまみれ、だったからね。」


「・・・。」




 ~ to be continued





【補足】


・僕の直感

エイトのスキルに関係する。
危険察知能力に長けたエイトの直感は、ほぼ当たる。



・下級騎士の出身

王国騎士にも位がある。
特級騎士、上級騎士、中級騎士、下級騎士である。
下級騎士は、戦犯者(命令違反や敵前逃亡など)の家系や、警備隊や兵士から特別に昇格し騎士になった家系などである。下級騎士の位を回復させるには、大きな功績を作ることが大事である。
アルルが地獄の門の先を、真剣に目指す理由は、コレだったりもする。



・クロック様は、高貴な身分

上級騎士のマートンが言う、高貴な身分は、特級騎士しかない。



・すけべ女

アルルの事、無理やり強要していたのに、ひどい言い方。



・魔法相手に防戦一方

レヴィアは、レイザーとミザリを庇うために、遠距離からの攻撃に反撃ができなかった。
もし、反撃に出れば、レイザーはともかく、ミザリを殺してしまう結果が予想されたから、不利だと分かりつつも、エイトの帰りを待ち、防戦に徹していた。



・迷宮全体が、不穏な空気に包まれる

エイトが怒りで魔力の放出を抑えることができていない為に、起こった現象。
水に例えると、一般的な魔法使いが、500mlのペットボトル程の魔力を保有しているとすれば、
エイトの魔力は中級悪魔と同程度の魔力があり、おおよそ5コースの25mプール1杯分である。
魔力の察知ができる者であれば、絶望を感じる程の違いである。



・レヴィア団のアルル

いつの間にか、レヴィア団になっている。
エイトも、その後何も言っていないようなので、暗黙の了解だったのだろう。



主父あるじ様に誓う

もし、神に誓った約束を破れば、神託を受けた際に、厳罰が言い渡される。
例え、国王や大神官であっても、神託は絶対で、例外はない。
特級騎士程度の人脈では、極刑は免れないだろうし、主父あるじ様に誓ったことを破ったことを分かっていて庇えば、庇った人間も厳罰を受ける厳しい誓いである。


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