目指せ地獄の門 ~改訂版~

黒山羊

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6章・変革の時

第4話 エイト=アテラティッツ=タイタン

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~秘密の決起から、3日目~

「ねえ、レヴィア、そういえば最近、みんな来ないけど、どうしたの?」

エイトは、フルポーションの効果もあり、火傷も治り自由に歩き回っている。
相変わらず用事がなければ外を出歩くことはしていない様子だが。
そんなエイトに、レヴィアが説明する。

「ああ、治ったんだね。
 エイトに説明しないといけないけど、今回のエイトの負け具合から、全員の底上げを兼ねて 3年後にパーティを再始動することになった。」

「え、いや、何も聞いてないんだけど。」

「ああ、何も言ってない。」

レヴィアは、普段通りの対応をする。
もちろん、過去に存在したであろう、別のエイトの話は秘密にしたまま。
そんなレヴィアに、エイトが質問する。

「全員の底上げって、レヴィアは、どうするの?」

「私は、エイトと一緒にいたいんだが、正直、今後の事も考えて修行の必要性も感じている。
 そこで、隣の山にある、滝に打たれてみようと思う。」

「滝?」

「ああ、滝に打たれることで、何かがレベルアップするそうなんだ。」

「何が、鍛えられるの?」

「さあ?なんだろうね。
 しかし、観光ツアーには申し込んでしまったから、いまから行ってくる。
 もし、お金に困ったら、ミザリに預けてあるから。そこで借りると言い。」

そう言い残して、レヴィアは、部屋を出ていった。


「・・・。」


「それ絶対、ただの観光でしょ!」







しかし、レヴィアの言っていた全員の底上げの必要性は、エイトも痛いほど感じていた。
もちろん、自分自身のレベルアップの必要性も感じている。

「今後の事か・・・。」

エイトは 思うところがあり、メイガスの屋敷に向かう。


メイガスの屋敷に到着すると、執事に挨拶をし、メイガスに面談の希望を伝える。







~20分後~

執事に通されたのは、メイガスの執務室だ。
メイガスは、年齢は50代半ば、立派な体格の貴族で、王国の騎士団長をも務めている。

「エイト先生、今回は どのような御用件かな。」

「はい。お嬢様の魔法の指導を3年間、私が直接担当し立派な魔法使いに育てます。
 そこで、日が暮れた後で結構ですが、私の特訓の為に 訓練場と魔法道具を使わせていただきたく思い。お願いにあがりました。」


メイガスは、少し考え回答する。

「うむ、好きにしたまえ。君の指導が良かったのか、この数週間で、娘たちも上級魔法を使えるようになったそうだからな。」

メイガスは、ベルを鳴らし執事を呼ぶ。

「いまの指導者を解任し、エイト先生に3年間の間、授業を頼むことにした。
 いまの指導者には、契約完了分の賃金を払っておくように。それと、エイト先生は住み込みになるから、訓練所に近い部屋を準備しなさい。」

執事は、返事をし準備にとりかかる。

「エイト先生、さっそく今日から頼めるかな。」

「はい。もちろん大丈夫です。」






執務室の重厚な扉の外から、三姉妹の声が聞こえる。


「「「やったー!」」」


「娘たちに、人気の先生だな。」





エイトは、午前中はメイガス三姉妹(ドーラ、マリア、ラーナ)の魔法の授業を、午後は魔力を高める修行を一緒に行った。
夕方になると、いままでに教わってきた魔法の強化と、新魔法の開発に力をいれた。

「身体強化では、今後 戦えない。もっと効率よく戦う方法を見つけなければ。」
















~3年後~


王宮魔術師の中で行われる魔法大会にて、メイガス3姉妹が圧倒的魔力で上位3位を独占したそうだ。
攻撃魔法のドーラ(13)
防御魔法のマリア(11)
補助魔法のラーナ (7)
勝者インタビューで、長女のドーラは、こう答えている。

「先生は 書物を読みながら、私たち3人と同時に競っても、勝利してしまうほどです。
 もっともっと先生に学びたかったのですが、地獄の門を目指すと聞きました。
 私たちも、先生に負けないように修行を続けます。エイト先生、ありがとうございました。」




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