目指せ地獄の門 ~改訂版~

黒山羊

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6章・変革の時

第5話 レヴィア

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~秘密の決起から数日後~

レヴィアは 観光ツアーを使い、滝の見学に来ていた。
旗を持った女性についてくる、団体が複数ある。
ウィンター商会の旅行旗を持った観光ガイドの女性が、滝を指さし説明を始める。

「この滝は、精神の修行で使われている滝です。
 この聖水を含む滝に打たれることで、魔法に対する抵抗力が上がると言われています。」

ツアー集団の後ろの方で、誰かが手を挙げている。
大柄の男性の後ろに隠れ、手だけしか見えないが、観光ガイドは気が付いてくれたようだ。

「どうしました、質問ですか?」

その言葉に大柄の男性が横によける。
どうやら、手を挙げていたのは レヴィアのようだ。

「ああ、すまない。聖水を浴びれば魔法に対する抵抗力が上がるというのは、正しいのかな?」

「ええ、これは実証されているそうですが、聖水は貴重ですからね。」

「聖水というのは、美女の聖水でも効果があるのかな?」

周囲から失笑が起きる。

「さ、さすがに、その聖水では、ちょっと・・・。」

観光客のおやじが、拍手をしながら大笑いし ヤジを飛ばす。

「いいぞ、嬢ちゃん!よく言った。」

「ああ、ありがとう。
 では、私は この滝に用があるからツアーを抜けるとするよ。
 ウィンター会長に、この手紙を渡してくれたまえ。」

レヴィアは、観光ガイドに手紙を渡し、列を抜けた。
観光ガイドも、途中で抜けることは、聞いていたのだろう。すんなり許可してくれた。

レヴィアは、そのまま滝に打たれている集団に近づく。
その中には、リリアスの姿もあった。
美しいエルフの彼女が 滝に打たれている姿は絵になるようで、人だかりが出来ている。
その為、簡単に見つけることができた。

「やあ、リリアス。」

「手紙を読んで、来てくれたのね。」

そういって、リリアスは、滝から上がると、木陰で服を脱ぎ体を拭く。
それを見ていたレヴィアは、リリアスの胸が自分以上に小さいことに気づく。
まるで、男性のような上半身だ。

「それ、・・・滝に打たれた効果なのか?」

「さあ?
 自分では何も変わらないと思ってたけど、効果があったのなら嬉しいわね。
 レヴィアも滝に打たれてみたら?」

レヴィアは、首を猛烈な勢いで横に振る。

「その、・・・胸はどちらかと言うと大きくなりたいからね。」

リリアスは、笑っている。

「レヴィア、私は男性なのよ。」

レヴィアは、開いた口が塞がらなかった。





その後、レヴィアは リリアスに協力してもらい、魔法に対する抵抗力をつける修行を始めた。
もちろん、聖水に打たれる修行もしたが、自前の魔装具(魔法の水差し)を使って、風呂に浸かりながらの楽な修行だ。
リリアスは、レヴィアの錬金術の技術を吸収し、錬金術と魔法を組み合わせた、錬金魔法を築き上げた。
















~3年後~

観光地の聖なる滝での修行が、冒険者以外にも話題になっている。
聖なる滝では、天女と女の子が修行をしていて、彼女たちを見た冒険者には祝福が訪れると。



「ねえ、天女って、私の事かな?」

「・・・え、ええ、そうだといいですね。」


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