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7章・再会の喜び
合流3日目 修行の成果
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~アルル、ミザリの部屋・エイトと再会の夜~
ベットに入り、明かりの消えた部屋で、2人は話を始める。
「ねえ、アルル。」
「何ですか?」
「アルルは、やっぱりエイトの事が好きなの?」
「な、何を言ってるんですか!?」
「だって、エイトがカッコよくなってたじゃん。」
「・・・。」
「ねえ、アルルがいらないって言うんなら・・・。」
「ダメです!早く寝ますよ。」
~翌朝・冒険者の集い(酒場)~
パーティメンバーが揃う朝食の場で、エイトが提案をする。
「ねえ、出発前に、改めて自己紹介をしない?」
前回の集合では、自分の成長結果を話せなかったレヴィアが、激しく同意する。
「いい!それいい案だよ!」
アルルたちもエイトの意見に賛同する。
「そうですね。ちゃんと紹介もできてなかったですからね。」
「そうじゃな、では順番はどうする?」
ミザリが手を挙げて発言する。
「背の低い順とかは?」
最後に発表したいレヴィアは、別の案を出した。
「実年齢の若い順は?」
その意見に、エルフのリリアスは嫌な顔をして反対する。
「私は、レヴィアの意見には反対。ミザリの意見でいいわ。」
「リリアスは、いっつも反対意見だね。面白い。」
レヴィアは、リリアスが反対するのを楽しんでいるような感じがする。
そんなレヴィアに、フラウが笑いながら言う。
「うちが思うに、それがリリアスの愛情表現なんだ。」
「フラウ・・・それは、ないかな。」
リリアスは、フラウと対照的で常に冷静だ。
自己紹介は、背の低い順で決まった。
順番は、ミザリ、レヴィア、アルル、フラウ、リリアス、エイト、レイザーの順である。
エイトとレイザーは、あまり変わらなかったが、年長者のレイザーが最後に自己紹介をする方向でまとまった。
「それでは、僕から自己紹介を始めます。
僕は、みんなも知ってる通り、ウィンター会長の元で修業をして、短剣術や短剣の投擲を練習しました。
あと、暗闇でも周囲を見渡せる魔装具(真実の眼鏡)を所有してます。宜しくね!」
ミザリィ=ローレンス=ゼタ=ハロルド
レア装備:真実の眼鏡
・魔装具ランク☆☆
得意武器:短剣
通常技能:中位魔法使用(LV1~6)
:証書作成
:査定眼
特殊技能:特殊開錠
:鑑定眼
:大幸運
:必中投擲
:交渉術
ミザリが自己紹介を終えると、レヴィアが立ち上がり、自信満々に声を張る。
「次は私の番だね!
私は、リリアスと一緒に特訓をして、魔法に対する抵抗力と 滝に打たれることでハンマーでの攻撃の極意を開眼したよ。
たぶん、打撃力で私の右に出る者は、もういないんじゃないかな。」
レヴィア
レア装備:タンタンハンマー
・魔装具ランク☆☆☆☆☆☆
得意武器:ハンマー・素手
通常技能:全状態異常耐性 1000%
特殊技能:錬金術
:命名士
:変質者
:恋する乙女
:破壊神
自信満々のレヴィアに続き、アルルも自信満々で話し始める。
以前のアルルからは、想像ができないほど堂々としている。
「私の番ですね。
私は、メイガス様や近衛兵団の修練で剣術と盾術を学びました。
メイガス様から指導していただいた剣術は、祖父が残してくれた剣術ですが、まだまだ基礎を習得した程度なので これからもっと上達していきます。
宜しくお願いします。」
アルメディシア=ハンニバル
レア装備:氷の片手剣
・魔装具ランク☆☆
:英雄の軍剣
・魔装具ランク☆
:魔法の力場盾
・魔装具ランク☆☆☆
得意武器:片手剣、片手盾
通常技能:女神の美貌(誘惑成功率UP)
特殊技能:不屈の精神
:雷音の剣術
:鉄壁の盾
:
:
フラウも新しいパーティと冒険に行くのが楽しみなのだろう。
ずっとニコニコしている。フラウの番になり、元気よく立ち上がり、更に笑顔が増す。
「うちは、狂戦士のフラウって呼ばれてる。
レイザーの嫁で、夫婦揃って二刀流なんだ。うちの場合は片手斧だけどね。
あと、魔装具(魔法の手投げ斧)を所有してるから、どんな敵でも斧で先制攻撃できるな。
よろしく!」
フラウ=フォックス
レア装備:魔法の手投げ斧
・魔装具ランク☆☆
:魔法殺しの紐鎧
・魔装具ランク☆☆☆☆
得意武器:片手斧
通常技能:
特殊技能:狂戦士
:変質者
:暗殺者の瞳
:追撃者
:自然治癒上昇
フラウが発表を終えると、入れ替わるようにリリアスが静かに立ち上がる。
「私の番ね。
私は、レヴィアと修行をして、彼女の錬金術と私の錬金術を合わせて錬金の極意を習得したの。
それから、魔法石を使った、錬金と魔法を合わせた術。錬金魔法を発明したわ。
錬金魔法での中距離攻撃や、魔法を使った遠距離攻撃や防御もできるわ。」
リリアス=メラティエカ=ルーベンス=メルシウス
レア装備:灯の魔法杖
・魔装具ランク☆
:漆黒の拷問具
・魔装具ランク☆☆☆☆☆
得意武器:杖
通常技能:上級大魔法(魔法LV1~15)
:能力測定
:錬金魔法
特殊技能:ハイエルフの血
:調合士
:錬金術
:魔力自動回復
:錬金魔法開祖
リリアスが静かに座る。
・・・エイトは自分の番を忘れて、みんなの話に集中していたので、ミザリが指摘する。
「ほら、エイトの番だよ。」
「あ、ごめん。
僕は、メイガス様の館で魔法の研究をしていたよ。
古代魔法の精霊憑依魔法を習得したから、魔法使いなんだけど前衛が戦いやすいかな。
もちろん、炎の魔法も得意だから、後方からの支援もできるよ。
みんな、あらためて宜しくね。」
エイト=アテラティッツ=タイタン
レア装備:愛情一本(カタナ)
・魔装具ランク☆
:偉大なる父の愛(棍棒)
・魔装具ランク☆☆☆☆
得意武器:棍棒・槍・カタナ
通常技能:超高位魔法使用(魔法LV1~24)
:超高位魔法解除
:高位変身術
:精霊憑依魔法
特殊技能:呪い耐性 100%
:猛毒察知
:危険察知
:裏調合神
:
最後の発表になるレイザーは、少し緊張した表情で話し始めた。
「わしは 月夜のレイザーと二つ名がついとる。
エイトやレヴィアの協力のおかげで成功した魔法剣も、自分の術として常に発動できるようになった。
いまは フラウとアリスの為に、戦っておる。もちろん、エリーやマリーを忘れたことはないぞ。」
レイザー=フォックス
レア装備:魔導剣 愛しのエリー
・魔装具ランク☆
:魔導剣 愛しのマリー
・魔装具ランク☆
得意武器:細剣(魔法剣2刀流)
通常技能:下位魔法使用(LV1~3)
:捕縛術
:魔法剣使用
特殊技能:傍観者
:交渉術
:恋する乙女
:魔法剣開祖
:暗殺者の瞳
レイザーが発表を終えると、レヴィアが立ち上がり話をまとめる。
「ああ、みんなレベルアップが凄いよね。たぶん、私たちのパーティが、王国一なんじゃないだろうか。」
「レヴィア姉さん、世界一だよ!」
「そうですね!
今回は、地獄の門まで一気に たどり着けそうですね!」
ミザリ、アルルも笑顔で声をあげる。
そんな2人に、優しい笑顔を見せ、レヴィアは話を続ける。
「ありがとう、私が魔装具(全知の書)で調べたところによると、地獄の門は 地下30階にあるらしい。
そこまで敵をなぎ倒し、一直線に突っ走ろう!」
「「「おぉー!」」」
レヴィアは リリアスの方を見て、何かを確認し 口を開く。
「ああ、あとリリアスのことで大事な話なんだが。」
アルルが笑いながら質問する。
「なんですか、毎日お風呂が必要とかですか?」
「それありそうだね。」
ミザリも、リリアスの肩に手を置きながら笑いながら答える。
そんな楽しそうな雰囲気の抜けない2人に、レヴィアが真顔で話す。
「・・・いや、男なんだ。」
「そうそう、私、男だから宜しくね!」
リリアスが、可愛くウィンクしてみせるが、どこからどう見ても女性だ。
レヴィアたちの悪い冗談にしか聞こえない。
アルルもミザリも半信半疑で聞いている。
「え、それ本当ですか?」
「いやいや、僕より可愛いじゃん!」
「ああ、リリアスは 美人だから信じられないだろうね。
周囲の人々も同じ考えだろう。なぜなら・・・。」
レヴィアは、メンバーを見渡して一呼吸おき、話を続ける。
「そう、私は一緒に修行していたから、【天女の付き人】って2つ名で呼ばれていたからね。」
【魔装具】
タンタンハンマー・魔装具ランク☆☆☆☆☆☆
別名(狂える海龍王の撃槌)
伝説のドラゴン、レヴィアタンの牙から作られた巨大なハンマー
ハンマーの周りには、常に黒い雲が纏ってある。
衝撃を与える瞬間、威力が使用者の気分次第で増減する。
0倍~1000倍の破壊力が見込まれる。
変化型の魔装具で、レヴィアの意思で、人間の歯程度に縮小できる。
ネーミングがひどい。サブネームは痛い。
巨大なハンマーだが、重さは全くないに等しい。
攻撃が当たる瞬間に、重量が増す(元の牙の重量になる。)
愛情一本(カタナ)・魔装具ランク☆
鑑定結果が出ない片刃の剣。魔装具であることに間違いはない。
独特の形状で使いにくそうだが切れ味はいい。
ネーミングがひどい。
※ 所有者の身体能力を2倍に引き上げる。
鞘から引き抜くように攻撃(抜刀術)すると、切れ味が大幅に上昇する。
偉大なる父の愛・魔装具ランク☆☆☆☆
鑑定結果が出ない武骨な棍棒。魔装具であることに間違いはない。
変化型の魔装具で、普段はブレスレットとして腕に巻き付いている。
雷神の加護を受けているようだ。
ネーミングがひどい。
※ 殴打の際に、棍棒に雷撃が走る。
手元から離れても、所有者の意思でブレスレットに戻り、所有者の元に戻る。
隠密の指輪・魔装具ランク☆☆
指輪の所有者と、所有者に触れる仲間も一緒に、完全に気配を断つことができる。
あくまで、気配を断つだけなので、姿が消えるわけではない。
しかし、気配が消えることによって、見えているはずなのに気にされない(気づかれない)状態になり、使用者たちが話している声も聞こえることはない。
鼻の良い魔物や、魔力を感知するタイプの魔物には効果がない。
なかなか便利だが、暗闇で生活する迷宮の魔物に対しての使いどころが難しい。
四次元ポシェット・魔装具ランク☆☆☆☆
別名(天使のゴミ箱・パンドラのハコ)
30cm四方の革製の肩掛け鞄。見た目も、重さも空袋。
中身がどこに消えてるのか不明だが、たくさんの荷物が入る。
かなり便利、液体やベトベトしたものを入れる時は注意!
入手当時から、大量の薬品などが入っている。
魔法の力場盾・魔装具ランク☆☆☆
ルビーの部分から、小型の見えない盾を召喚する。
見えない盾は、攻撃を防ぐだけでなく、LV6までの魔法を反射させることもできる。
また、盾の大きさを任意で変更することも可能。
氷の片手剣・魔装具ランク☆☆
永久に解けない氷でできた淡く光る剣。
切り口を凍らせる力があり、対象に凍傷のダメージも与える。
他にも、お風呂の温度調整や、暑い日の気温調整、夜間トイレに行きたいときの蝋燭の代わりなども得意とする。
英雄の軍剣・魔装具ランク☆
装備者は、魔法を使えなく代わりに、魔力を力に変換することができる。
変換率がわるく、身体強化の魔法が使えるのであれば、そちらが効率がよい。
そのかわり、筋力や敏捷性などの身体能力の成長速度は大きく上がる。
魔法の水差し・魔装具ランク☆
傾けると、聖水が出続ける水差し。
水差しの中身が空になることはない。
魔法の手投げ斧・魔装具ランク☆☆
投げても必ず手元に戻ってくる片手斧。
装備者の意思で手元に戻すことができる。
もちろん、落とした斧を拾うときも便利。
湖の女神さまもタジタジ。
魔法殺しの紐鎧・魔装具ランク☆☆☆☆☆☆
LV9迄の攻撃魔法を無効化する鎧?
通常の魔法は完全に無効化できるが、ビキニアーマーなので直接攻撃には耐性がない。
魔法防御は神。物理防御は紙。
灯の魔法杖・魔装具ランク☆
無コストで、杖の先端に松明程度の明かりを作り出すことができる。
しかも、明かりは 杖から飛ばすように投げることができ、60秒ほど光り続ける。
漆黒の拷問具・魔装具ランク☆☆☆☆☆
ソフトボールほどの人形型の箱で、魔力を加えると消費した魔力の量に合わせて狙った者の自由を奪う呪いの魔法をかける。
悪魔や 呪いに耐性のある者には効果がない。
真実の眼鏡・魔装具ランク☆☆
光の無い暗闇の中でも、眼鏡を通してみる映像は日中の映像と変わりなく見える。
別に、真偽を見極める能力はない。
魔導剣 愛しのエリー・魔装具ランク☆
魔導剣 愛しのマリー・魔装具ランク☆
装備したまま魔力を刃に伝えることができる。
魔法を唱えると解除するまでの間、もしくは武器を放すまでの間、半永久的に魔法を無コストで維持できる。
【特殊技能】
神々が、人間に与えた技能で修行の成果、突然開花することがある。
特殊技能の上限は、5つ迄で それ以上でもそれ以下でもない。
・呪い耐性 100%
長年の修行で神のごとき精神力を得た者に与えられる神々の能力。
呪い、精神攻撃を受け付けない。
・猛毒察知
猛毒により、何度も死線を潜り抜けた者に与えられる能力。
毒物を瞬時に判断し、直感的に回避できる。
・危険察知
常に危険と隣合わせで生きてきた戦士に与えられる能力。
危険を事前に察知し、直感的に回避できる。
・錬金術
魔術と科学を融合させ、勉学に励むことで与えられる能力。
等価交換の条件さえあえば、論理上、不可能なことはない。
・命名士
想像もつかない名前を命名することで与えられる神々の能力。
物に名前を与えることで者とし、半永久的にその者の力を引き上げる。
・変質者
想像もつかない格好を他人に見せることで与えられる能力。
きわどい格好になればなるほど、身体能力を引き上げる。
・鑑定眼
一定以上の数の素材や物を観察することで与えられる能力。
物の素材や出来を見極める。さすがに 効果までは分からない。
・傍観者
常に傍観し続け、物事を把握することで与えられる能力。
単体、指定、範囲魔法の攻撃対象にならない。
・裏調合神
調合知識が豊富にあり、多くの失敗を生むことで与えられる能力。
まともな成功は少ないが、時として奇跡的な調合を成功させる。
・大幸運
隠し扉や、アイテム等を偶然見つけ続けることで与えられる能力。
幸運のスキルを大きく上回る。大幸運と呼ばれている。
・恋する乙女
他人には悟られず、者や物を大切に思うことで与えられる能力。
その者や物を使う場合、身体能力が大幅に向上する。
・特殊開錠
手先の器用な、ハーフエルフに与えられる能力。
カギを開けたり、罠を外したりできる。
・破壊神
打撃系の武器で強靭な一撃を加えることで与えられる能力。
武器や防具、特定の部位の破壊確率が、急激に上昇する。
・雷音の剣術
音速を超える剣術を収めたものに与えられる能力。
剣術を使用時、攻撃力(切れ味)が、大幅に上がる。
・鉄壁の盾
盾を使い、守りも攻撃も行う者に与えられる能力。
装備中の盾は、防具破壊の対象にならず防御力も向上する。
・魔法剣開祖
魔法剣の開祖に与えられる能力。
魔法剣使用時の消費魔力が、半分に抑えられる。
・暗殺者の瞳
暗闇の中、五感を頼りに敵を打つ者に与えられる能力。
わずかな光でも、満月の夜と変わらない視界になる。
・必中投擲
投擲武器を使い、その力を認められた者に与えられる能力。
集中して投げる時に、時間の流れが遅く感じられる。
・交渉術
数々の交渉を行ってきたものに与えられる能力。
言葉を使い、相手を魅了することもできる。
・狂戦士
狂戦士の血を引く種族に与えられる能力。
血の本能を引き出し、爆発的に筋力を向上させる。
・追撃者
連続攻撃を主に戦闘している者に与えられる能力。
連続攻撃時、殺気が高まり 敵の不意をつけるようになる。
・自然治癒上昇
傷や毒などを、自然治癒で回復してきた者に与えられる能力。
種族の持つ自然の回復力が大幅に上昇する。
・ハイエルフの血
エルフの血を強く受け継ぐ者に与えられる能力。
魔法の威力が向上したり、魔力の消費が減少したりする。
このスキルの所持者は、(ハイエルフ)と呼ばれている。
・調合士
調合知識が豊富にあり、多くの成功を生むことで与えられる能力。
調合の成功率がさらに上昇し、安定して生産できるようになる。
・魔力自動回復
魔力の多い、エルフに与えられる能力。
呼吸をすることで、魔力を体内に貯めることができる。
・錬金魔法開祖
錬金魔法の開祖に与えられる能力。
錬金魔法使用時の消費魔力が、半分に抑えられる。
ベットに入り、明かりの消えた部屋で、2人は話を始める。
「ねえ、アルル。」
「何ですか?」
「アルルは、やっぱりエイトの事が好きなの?」
「な、何を言ってるんですか!?」
「だって、エイトがカッコよくなってたじゃん。」
「・・・。」
「ねえ、アルルがいらないって言うんなら・・・。」
「ダメです!早く寝ますよ。」
~翌朝・冒険者の集い(酒場)~
パーティメンバーが揃う朝食の場で、エイトが提案をする。
「ねえ、出発前に、改めて自己紹介をしない?」
前回の集合では、自分の成長結果を話せなかったレヴィアが、激しく同意する。
「いい!それいい案だよ!」
アルルたちもエイトの意見に賛同する。
「そうですね。ちゃんと紹介もできてなかったですからね。」
「そうじゃな、では順番はどうする?」
ミザリが手を挙げて発言する。
「背の低い順とかは?」
最後に発表したいレヴィアは、別の案を出した。
「実年齢の若い順は?」
その意見に、エルフのリリアスは嫌な顔をして反対する。
「私は、レヴィアの意見には反対。ミザリの意見でいいわ。」
「リリアスは、いっつも反対意見だね。面白い。」
レヴィアは、リリアスが反対するのを楽しんでいるような感じがする。
そんなレヴィアに、フラウが笑いながら言う。
「うちが思うに、それがリリアスの愛情表現なんだ。」
「フラウ・・・それは、ないかな。」
リリアスは、フラウと対照的で常に冷静だ。
自己紹介は、背の低い順で決まった。
順番は、ミザリ、レヴィア、アルル、フラウ、リリアス、エイト、レイザーの順である。
エイトとレイザーは、あまり変わらなかったが、年長者のレイザーが最後に自己紹介をする方向でまとまった。
「それでは、僕から自己紹介を始めます。
僕は、みんなも知ってる通り、ウィンター会長の元で修業をして、短剣術や短剣の投擲を練習しました。
あと、暗闇でも周囲を見渡せる魔装具(真実の眼鏡)を所有してます。宜しくね!」
ミザリィ=ローレンス=ゼタ=ハロルド
レア装備:真実の眼鏡
・魔装具ランク☆☆
得意武器:短剣
通常技能:中位魔法使用(LV1~6)
:証書作成
:査定眼
特殊技能:特殊開錠
:鑑定眼
:大幸運
:必中投擲
:交渉術
ミザリが自己紹介を終えると、レヴィアが立ち上がり、自信満々に声を張る。
「次は私の番だね!
私は、リリアスと一緒に特訓をして、魔法に対する抵抗力と 滝に打たれることでハンマーでの攻撃の極意を開眼したよ。
たぶん、打撃力で私の右に出る者は、もういないんじゃないかな。」
レヴィア
レア装備:タンタンハンマー
・魔装具ランク☆☆☆☆☆☆
得意武器:ハンマー・素手
通常技能:全状態異常耐性 1000%
特殊技能:錬金術
:命名士
:変質者
:恋する乙女
:破壊神
自信満々のレヴィアに続き、アルルも自信満々で話し始める。
以前のアルルからは、想像ができないほど堂々としている。
「私の番ですね。
私は、メイガス様や近衛兵団の修練で剣術と盾術を学びました。
メイガス様から指導していただいた剣術は、祖父が残してくれた剣術ですが、まだまだ基礎を習得した程度なので これからもっと上達していきます。
宜しくお願いします。」
アルメディシア=ハンニバル
レア装備:氷の片手剣
・魔装具ランク☆☆
:英雄の軍剣
・魔装具ランク☆
:魔法の力場盾
・魔装具ランク☆☆☆
得意武器:片手剣、片手盾
通常技能:女神の美貌(誘惑成功率UP)
特殊技能:不屈の精神
:雷音の剣術
:鉄壁の盾
:
:
フラウも新しいパーティと冒険に行くのが楽しみなのだろう。
ずっとニコニコしている。フラウの番になり、元気よく立ち上がり、更に笑顔が増す。
「うちは、狂戦士のフラウって呼ばれてる。
レイザーの嫁で、夫婦揃って二刀流なんだ。うちの場合は片手斧だけどね。
あと、魔装具(魔法の手投げ斧)を所有してるから、どんな敵でも斧で先制攻撃できるな。
よろしく!」
フラウ=フォックス
レア装備:魔法の手投げ斧
・魔装具ランク☆☆
:魔法殺しの紐鎧
・魔装具ランク☆☆☆☆
得意武器:片手斧
通常技能:
特殊技能:狂戦士
:変質者
:暗殺者の瞳
:追撃者
:自然治癒上昇
フラウが発表を終えると、入れ替わるようにリリアスが静かに立ち上がる。
「私の番ね。
私は、レヴィアと修行をして、彼女の錬金術と私の錬金術を合わせて錬金の極意を習得したの。
それから、魔法石を使った、錬金と魔法を合わせた術。錬金魔法を発明したわ。
錬金魔法での中距離攻撃や、魔法を使った遠距離攻撃や防御もできるわ。」
リリアス=メラティエカ=ルーベンス=メルシウス
レア装備:灯の魔法杖
・魔装具ランク☆
:漆黒の拷問具
・魔装具ランク☆☆☆☆☆
得意武器:杖
通常技能:上級大魔法(魔法LV1~15)
:能力測定
:錬金魔法
特殊技能:ハイエルフの血
:調合士
:錬金術
:魔力自動回復
:錬金魔法開祖
リリアスが静かに座る。
・・・エイトは自分の番を忘れて、みんなの話に集中していたので、ミザリが指摘する。
「ほら、エイトの番だよ。」
「あ、ごめん。
僕は、メイガス様の館で魔法の研究をしていたよ。
古代魔法の精霊憑依魔法を習得したから、魔法使いなんだけど前衛が戦いやすいかな。
もちろん、炎の魔法も得意だから、後方からの支援もできるよ。
みんな、あらためて宜しくね。」
エイト=アテラティッツ=タイタン
レア装備:愛情一本(カタナ)
・魔装具ランク☆
:偉大なる父の愛(棍棒)
・魔装具ランク☆☆☆☆
得意武器:棍棒・槍・カタナ
通常技能:超高位魔法使用(魔法LV1~24)
:超高位魔法解除
:高位変身術
:精霊憑依魔法
特殊技能:呪い耐性 100%
:猛毒察知
:危険察知
:裏調合神
:
最後の発表になるレイザーは、少し緊張した表情で話し始めた。
「わしは 月夜のレイザーと二つ名がついとる。
エイトやレヴィアの協力のおかげで成功した魔法剣も、自分の術として常に発動できるようになった。
いまは フラウとアリスの為に、戦っておる。もちろん、エリーやマリーを忘れたことはないぞ。」
レイザー=フォックス
レア装備:魔導剣 愛しのエリー
・魔装具ランク☆
:魔導剣 愛しのマリー
・魔装具ランク☆
得意武器:細剣(魔法剣2刀流)
通常技能:下位魔法使用(LV1~3)
:捕縛術
:魔法剣使用
特殊技能:傍観者
:交渉術
:恋する乙女
:魔法剣開祖
:暗殺者の瞳
レイザーが発表を終えると、レヴィアが立ち上がり話をまとめる。
「ああ、みんなレベルアップが凄いよね。たぶん、私たちのパーティが、王国一なんじゃないだろうか。」
「レヴィア姉さん、世界一だよ!」
「そうですね!
今回は、地獄の門まで一気に たどり着けそうですね!」
ミザリ、アルルも笑顔で声をあげる。
そんな2人に、優しい笑顔を見せ、レヴィアは話を続ける。
「ありがとう、私が魔装具(全知の書)で調べたところによると、地獄の門は 地下30階にあるらしい。
そこまで敵をなぎ倒し、一直線に突っ走ろう!」
「「「おぉー!」」」
レヴィアは リリアスの方を見て、何かを確認し 口を開く。
「ああ、あとリリアスのことで大事な話なんだが。」
アルルが笑いながら質問する。
「なんですか、毎日お風呂が必要とかですか?」
「それありそうだね。」
ミザリも、リリアスの肩に手を置きながら笑いながら答える。
そんな楽しそうな雰囲気の抜けない2人に、レヴィアが真顔で話す。
「・・・いや、男なんだ。」
「そうそう、私、男だから宜しくね!」
リリアスが、可愛くウィンクしてみせるが、どこからどう見ても女性だ。
レヴィアたちの悪い冗談にしか聞こえない。
アルルもミザリも半信半疑で聞いている。
「え、それ本当ですか?」
「いやいや、僕より可愛いじゃん!」
「ああ、リリアスは 美人だから信じられないだろうね。
周囲の人々も同じ考えだろう。なぜなら・・・。」
レヴィアは、メンバーを見渡して一呼吸おき、話を続ける。
「そう、私は一緒に修行していたから、【天女の付き人】って2つ名で呼ばれていたからね。」
【魔装具】
タンタンハンマー・魔装具ランク☆☆☆☆☆☆
別名(狂える海龍王の撃槌)
伝説のドラゴン、レヴィアタンの牙から作られた巨大なハンマー
ハンマーの周りには、常に黒い雲が纏ってある。
衝撃を与える瞬間、威力が使用者の気分次第で増減する。
0倍~1000倍の破壊力が見込まれる。
変化型の魔装具で、レヴィアの意思で、人間の歯程度に縮小できる。
ネーミングがひどい。サブネームは痛い。
巨大なハンマーだが、重さは全くないに等しい。
攻撃が当たる瞬間に、重量が増す(元の牙の重量になる。)
愛情一本(カタナ)・魔装具ランク☆
鑑定結果が出ない片刃の剣。魔装具であることに間違いはない。
独特の形状で使いにくそうだが切れ味はいい。
ネーミングがひどい。
※ 所有者の身体能力を2倍に引き上げる。
鞘から引き抜くように攻撃(抜刀術)すると、切れ味が大幅に上昇する。
偉大なる父の愛・魔装具ランク☆☆☆☆
鑑定結果が出ない武骨な棍棒。魔装具であることに間違いはない。
変化型の魔装具で、普段はブレスレットとして腕に巻き付いている。
雷神の加護を受けているようだ。
ネーミングがひどい。
※ 殴打の際に、棍棒に雷撃が走る。
手元から離れても、所有者の意思でブレスレットに戻り、所有者の元に戻る。
隠密の指輪・魔装具ランク☆☆
指輪の所有者と、所有者に触れる仲間も一緒に、完全に気配を断つことができる。
あくまで、気配を断つだけなので、姿が消えるわけではない。
しかし、気配が消えることによって、見えているはずなのに気にされない(気づかれない)状態になり、使用者たちが話している声も聞こえることはない。
鼻の良い魔物や、魔力を感知するタイプの魔物には効果がない。
なかなか便利だが、暗闇で生活する迷宮の魔物に対しての使いどころが難しい。
四次元ポシェット・魔装具ランク☆☆☆☆
別名(天使のゴミ箱・パンドラのハコ)
30cm四方の革製の肩掛け鞄。見た目も、重さも空袋。
中身がどこに消えてるのか不明だが、たくさんの荷物が入る。
かなり便利、液体やベトベトしたものを入れる時は注意!
入手当時から、大量の薬品などが入っている。
魔法の力場盾・魔装具ランク☆☆☆
ルビーの部分から、小型の見えない盾を召喚する。
見えない盾は、攻撃を防ぐだけでなく、LV6までの魔法を反射させることもできる。
また、盾の大きさを任意で変更することも可能。
氷の片手剣・魔装具ランク☆☆
永久に解けない氷でできた淡く光る剣。
切り口を凍らせる力があり、対象に凍傷のダメージも与える。
他にも、お風呂の温度調整や、暑い日の気温調整、夜間トイレに行きたいときの蝋燭の代わりなども得意とする。
英雄の軍剣・魔装具ランク☆
装備者は、魔法を使えなく代わりに、魔力を力に変換することができる。
変換率がわるく、身体強化の魔法が使えるのであれば、そちらが効率がよい。
そのかわり、筋力や敏捷性などの身体能力の成長速度は大きく上がる。
魔法の水差し・魔装具ランク☆
傾けると、聖水が出続ける水差し。
水差しの中身が空になることはない。
魔法の手投げ斧・魔装具ランク☆☆
投げても必ず手元に戻ってくる片手斧。
装備者の意思で手元に戻すことができる。
もちろん、落とした斧を拾うときも便利。
湖の女神さまもタジタジ。
魔法殺しの紐鎧・魔装具ランク☆☆☆☆☆☆
LV9迄の攻撃魔法を無効化する鎧?
通常の魔法は完全に無効化できるが、ビキニアーマーなので直接攻撃には耐性がない。
魔法防御は神。物理防御は紙。
灯の魔法杖・魔装具ランク☆
無コストで、杖の先端に松明程度の明かりを作り出すことができる。
しかも、明かりは 杖から飛ばすように投げることができ、60秒ほど光り続ける。
漆黒の拷問具・魔装具ランク☆☆☆☆☆
ソフトボールほどの人形型の箱で、魔力を加えると消費した魔力の量に合わせて狙った者の自由を奪う呪いの魔法をかける。
悪魔や 呪いに耐性のある者には効果がない。
真実の眼鏡・魔装具ランク☆☆
光の無い暗闇の中でも、眼鏡を通してみる映像は日中の映像と変わりなく見える。
別に、真偽を見極める能力はない。
魔導剣 愛しのエリー・魔装具ランク☆
魔導剣 愛しのマリー・魔装具ランク☆
装備したまま魔力を刃に伝えることができる。
魔法を唱えると解除するまでの間、もしくは武器を放すまでの間、半永久的に魔法を無コストで維持できる。
【特殊技能】
神々が、人間に与えた技能で修行の成果、突然開花することがある。
特殊技能の上限は、5つ迄で それ以上でもそれ以下でもない。
・呪い耐性 100%
長年の修行で神のごとき精神力を得た者に与えられる神々の能力。
呪い、精神攻撃を受け付けない。
・猛毒察知
猛毒により、何度も死線を潜り抜けた者に与えられる能力。
毒物を瞬時に判断し、直感的に回避できる。
・危険察知
常に危険と隣合わせで生きてきた戦士に与えられる能力。
危険を事前に察知し、直感的に回避できる。
・錬金術
魔術と科学を融合させ、勉学に励むことで与えられる能力。
等価交換の条件さえあえば、論理上、不可能なことはない。
・命名士
想像もつかない名前を命名することで与えられる神々の能力。
物に名前を与えることで者とし、半永久的にその者の力を引き上げる。
・変質者
想像もつかない格好を他人に見せることで与えられる能力。
きわどい格好になればなるほど、身体能力を引き上げる。
・鑑定眼
一定以上の数の素材や物を観察することで与えられる能力。
物の素材や出来を見極める。さすがに 効果までは分からない。
・傍観者
常に傍観し続け、物事を把握することで与えられる能力。
単体、指定、範囲魔法の攻撃対象にならない。
・裏調合神
調合知識が豊富にあり、多くの失敗を生むことで与えられる能力。
まともな成功は少ないが、時として奇跡的な調合を成功させる。
・大幸運
隠し扉や、アイテム等を偶然見つけ続けることで与えられる能力。
幸運のスキルを大きく上回る。大幸運と呼ばれている。
・恋する乙女
他人には悟られず、者や物を大切に思うことで与えられる能力。
その者や物を使う場合、身体能力が大幅に向上する。
・特殊開錠
手先の器用な、ハーフエルフに与えられる能力。
カギを開けたり、罠を外したりできる。
・破壊神
打撃系の武器で強靭な一撃を加えることで与えられる能力。
武器や防具、特定の部位の破壊確率が、急激に上昇する。
・雷音の剣術
音速を超える剣術を収めたものに与えられる能力。
剣術を使用時、攻撃力(切れ味)が、大幅に上がる。
・鉄壁の盾
盾を使い、守りも攻撃も行う者に与えられる能力。
装備中の盾は、防具破壊の対象にならず防御力も向上する。
・魔法剣開祖
魔法剣の開祖に与えられる能力。
魔法剣使用時の消費魔力が、半分に抑えられる。
・暗殺者の瞳
暗闇の中、五感を頼りに敵を打つ者に与えられる能力。
わずかな光でも、満月の夜と変わらない視界になる。
・必中投擲
投擲武器を使い、その力を認められた者に与えられる能力。
集中して投げる時に、時間の流れが遅く感じられる。
・交渉術
数々の交渉を行ってきたものに与えられる能力。
言葉を使い、相手を魅了することもできる。
・狂戦士
狂戦士の血を引く種族に与えられる能力。
血の本能を引き出し、爆発的に筋力を向上させる。
・追撃者
連続攻撃を主に戦闘している者に与えられる能力。
連続攻撃時、殺気が高まり 敵の不意をつけるようになる。
・自然治癒上昇
傷や毒などを、自然治癒で回復してきた者に与えられる能力。
種族の持つ自然の回復力が大幅に上昇する。
・ハイエルフの血
エルフの血を強く受け継ぐ者に与えられる能力。
魔法の威力が向上したり、魔力の消費が減少したりする。
このスキルの所持者は、(ハイエルフ)と呼ばれている。
・調合士
調合知識が豊富にあり、多くの成功を生むことで与えられる能力。
調合の成功率がさらに上昇し、安定して生産できるようになる。
・魔力自動回復
魔力の多い、エルフに与えられる能力。
呼吸をすることで、魔力を体内に貯めることができる。
・錬金魔法開祖
錬金魔法の開祖に与えられる能力。
錬金魔法使用時の消費魔力が、半分に抑えられる。
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