目指せ地獄の門 ~改訂版~

黒山羊

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7章・再会の喜び

合流4日目 スキル獲得の方法

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全員が合流して4日目、レヴィア団は、まだ出発ができない状態だった。
その理由は・・・。


「ああ、まさか火傷の完治と引き換えに、掌の魔法陣が消えてるなんて、考えもしなかったよね。」

レヴィアの一言に、気まずそうにしている リリアス。


「・・・。」


気まずそうなリリアスとレヴィアの間に割って入るアルル。

「まあまあレヴィアさん。
 ほら、エイトさんが全力で走破するって言ってるから、信じて待ちましょうよ。」

そんなアルルに水を差すように正論をいうミザリ。

「でもアルル、考えてみてよ。
 3年前は 10階まで5日。20階まで2週間近くかかったんだよ。
 それでも最短記録だったのに、それを数日とか無謀だと思うけどな。
 せめて10階からとかならね。」

メンバーのやり取りを見守っていた フラウは、やっと何かに気づく。

「あっ! あの時の、火傷か・・・。」

さらに気まずそうになるリリアス。

「・・・す、すみません。さすがに今回は言い返せないです。」

プライドの高いリリアスが、気まずそうな顔をするのを久しぶりに見たと、レヴィアは後に語っていた。

「ああ、気にしなくていいよ。エイトが気づいていながら、そのままにしていたのが悪いんだから。
 だけど出発が遅れたから、この間は何をする?」

暇になったメンバーに、フラウが笑顔で提案する。

「そうだな。うちの子供を見に行かないか?」

「そうじゃな。1日あれば往復できる距離じゃぞ。」

レイザーも嬉しそうに話している。
フラウとレイザーの意見に笑顔で同意するアルルたち。

「いいですね。赤ちゃんに癒されましょうか。」

「そうだね。レヴィア姉さんは?」

「・・・ああ、なかなか楽しそうなイベントだね。」

こうしてパーティは、フラウの実家がある、南の村を目指す。
馬で移動すれば、朝から出発して夕方前にはたどり着けるそうだ。

「なんだか遠足みたいで楽しみですね!」





~昼過ぎ~

周囲の気温が上がり、湿気が高くなり、汗をかき始める。
植物も シダ系の植物が多くなり、まるで南国のジャングルのような風景へと変わっている。

「なんだか、少し蒸し暑いね。
 僕もうダメかも・・・。」

暑さに弱いのか、ミザリがぐったりとしながら馬に揺られている。
フラウは、やはり地元だけあって、なんともない様子で暑さの理由を説明する。

「この付近は、周囲を山に囲まれてるせいもあって、湿気が溜まりやすいんだ。
 さらに地熱で沸かされた温泉があるせいで蒸気も加わり、年中湿気に覆われてるぞ。」

アルルは、熱心に説明するフラウに質問する。

「だから、フラウさんの装備は、ビキニアーマーなんですか?」

「言われてみれば、ビキニアーマー、片手斧、小型盾の装備の組み合わせは多いかもしれないな。」


レヴィアもフラウの装備に疑問をぶつける。

「そんな薄い装備で、大丈夫なのか?」

「まあ、うちの村の冒険者は変質者のスキル持ちが多いからな。回避専門ってとこだろうな。」


ミザリが、レヴィアと目が合う。

「あれ?そういえば、レヴィア姉さんも変質者のスキルを持ってなかった?」

「ああ、持ってたかな。」

「レヴィアさん、まさか過去にビキニアーマーを装備してたとかですか?」

「いや。私はちょっと、さすがに恥ずかしくてきれないかな・・・。」



レヴィアは、何かを思い出す。

「どうしたの?」

「いや、思い出してみると装備したことはあったかもしれない。」

「装備してみると、気持ちいいだろ。」

フラウは、同じスキル持ちのレヴィアに同意を求めてくる。



「・・・。」




「でも、おしゃれなレヴィアさんが、変質者のスキルを持ってるのも、不思議ですよね。」

アルルの疑問に合わせて、ミザリが冗談ぽくレヴィアに質問する。

「もしかして、エッチな下着を装備してるんじゃない?」

メンバーは、そんなことないと言った雰囲気で笑いに包まれる。
レヴィアを除いて・・・。
レヴィアは、いつかバレると思ったのか、少し考えて口を開く。

「私の場合、可能性として考えられるのは、全裸にゴミの布切れを装備して、エイトに披露してしまったからだろう。
 偶然の事故だったんだけど、その1回で獲得したスキルだろうと思う。」

メンバーは、開いた口が塞がらない。

「レヴィア姉さん・・・変態だね。」

「レヴィアは 時々、想像の斜め上を行くわよね。
 全裸にゴミの布切れって、思った以上に強者よね。」

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