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大魔王
046・キジ
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キジは、城内地下を怪しまれず移動するために 変身を解き、使い魔ケーンの姿へと変わり探索していた。
「近くで魔力を感じるのに、世界樹がないニャン。」
各部屋を順番に開けて回っていたケーンに、見回りをしていた天使兵が声をかけてくる。
「おい、そこの使い魔!」
「は、はい。
どうかしましたか・・・ニャン。」
「いま地下内で暴れている悪魔がいると報告があった。
世界樹を守っている天使兵たちにも緊急事態だと伝えてくれ。」
ケーンは天使兵の命令に黙って頷いた。
ケーンたち魔界の使い魔は語尾に「ニャン。」とついてしまう。
そのことに天使兵が気付けば一発でバレてしまうだろう。
ケーンはドキドキしながら、自分が魔界の使い魔であることがバレないように注意していた。
そんなケーンに天使兵は近寄り声をかける。
「おい、お前。
もしかして・・・。」
「な、なんですか・・・ニャン。」
明らかに挙動不審で怪しい使い魔をじっと見つめていた天使兵がニヤリ!と笑うとケーンの頭に手を置き話し始めた。
「お前、新人だろ。」
「・・・。」
「黙ってるとこみると図星だな。
まあいいさ。俺も新人だったことは宝物庫の入り方が分からず上官に怒鳴られたからな。」
「・・・そう、です・・・ニャン。」
「宝物庫への通路は幻覚の魔法が掛けられてるんだ。
地上への階段から南に3本目と4本目の柱の間を通り抜ければいけるから。」
「あ、ありがとうございますニャン。」
「礼はいいって。
お互い下っ端同士、頑張ろうぜ。
伝言を伝えたら、お前も避難しろよな!」
見回りの天使兵は笑顔で手を振ると、3人が分かれた場所の方向へと駆けていった。
(・・・天使も悪い奴ばかりじゃなさそうだニャン。)
ケーンは、天使兵から聞いた通りに南に3本目と4本目の柱の間を通り抜け、宝物庫へと急いだ。
~宝物庫~
ケーンが宝物庫に辿り着くと、宝物庫の前には3人の天使兵が常駐していた。
「おい!
そこの使い魔、そこで止まれ。」
ケーンに気付いた天使兵の一人が、武器を構えケーンに声をかける。
ケーンは指示に従い、立ち止まり両手を上げる。
「さっき、見回りの天使兵から聞いた伝言を伝えに来ただけです・・・ニャン。」
「伝言?」
「はい、地下内で暴れている悪魔がいると報告があったそうで、それを伝えるように言われましたニャン。」
ケーンが伝言を伝えると、天使兵たちが何やら小声で相談し合っていた。
そして、なにか一つの決断に辿り着いたのだろう、天使兵の一人がケーンに近づいてくる。
「そうか、ご苦労だったな。
俺たちも悪魔退治に行くから、ここの見張りを頼む。
何かあったら警笛を鳴らしてくれ。」
ケーンも天使兵の言葉に安心したのか、ホッと胸をなでおろす。
そんなケーンの横を素通りした天使兵たちが、背後からケーンに声をかけてきた。
「しかし、・・・残念だよな。」
「・・・!?」
「お前、魔界の使い魔だろ。」
そう言いながら、ケーンの背後から不意に一太刀を浴びせると、天使兵たちは 倒れこんだケーンを取り囲み何度も何度も持っている武器で攻撃してくる。
「「「おらおら!死ね!」」」
「使い魔は何度でも蘇るんだよな!
だったら、復活できなくなるまで殺し続けてやるよ!」
天使兵たちは、倒れて身動きが取れないケーンに何度も何度も剣を突き立てる。
その様子は狂気に満ちていて、まるで天界経典に描かれている悪魔の挿絵そのものであった。
「い、痛いニャン。
もう、止めて下さいニャン。
それ以上すると俺は・・・。」
「アハハ、魔界の使い魔が天界に攻めてくるからそうなるんだ!」
「悪魔は悪魔らしく地べたを這いつくばってればいいのに、天界にくるからだ!」
「・・・そろそろ辞めてもらいたいニャン。」
「「「なに言ってやがる、悪魔風情が!」」」
「悪魔は消滅してしまえ!」
「そうか・・・仕方がないニャンね。
俺は戦うの苦手なんだニャン。」
ケーンの体が激しく燃え上がる。
その激しい炎に危険を感じたのか、天使兵が警笛を鳴らし応援を呼ぶ。
宝物庫は階段を降りてすぐの部屋だった為、ぞくぞくと湧いて出たように天使兵たちが集まってくる。
「観念しろ!
貴様が使い魔に化けた悪魔だってことは分かったが、この状況は打開できないだろ!」
「打開できない・・・たったこれだけの天使兵で?
・
・
・
僕は戦いたくないんだ、今からでも遅くない、引き下がってくれないか。
僕は戦うのが怖いんだ。
それは僕が・・・僕の炎は特別だから。」
キジの言葉を無視するように、天使兵たちが周囲を取り囲み武器を構える。
「攻撃用意!」
「「「攻撃用意終わり!」」」
天使兵たちの準備も整ったのだろう、どんなに素早い悪魔であっても、周囲を取り囲まれた状況では攻撃を捌くことは難しい。
しかも、この場に集まっている天使兵は警笛が鳴り集まってきた上級天使兵でもあるのだから、なおさら捌ききれるとは考えられない。
しかし、キジは全く動じた様子をみせない。
「攻撃始め!!!」
「「「ヤーーー!」」」
天使兵たちが一斉に詰め寄ってきた。
(僕は忠告したからね・・・。)
キジが その翼を大きく広げると、周囲を凄まじい炎と熱風が吹き荒れる。
その炎が掠めた剣は 飴細工のように溶け、熱風を浴びた天使兵の衣服は激しく燃え上がった。
「「「ひ、ひぃぃぃ!」」」
天使兵たちは、一瞬の出来事に慌てふためいている。
「だから言ったのに・・・。
僕の炎は魔界でも特別製だから。」
(欠点は、敵も味方も傷つけてしまう点だけどね。)
「退却!退却!
ここから引いて、出入り口を守り切る!
奴を閉じ込めて本隊の到着を待つ!」
キジの炎に慌てふためいた天使兵たちは、一時退却し出入り口を塞ぐ作戦に出たようだ。
キジは、無人になった宝物庫の扉を溶かし、使い魔の姿で中に入る。
宝物庫に入ると、弱りきった姿で細くなった世界樹を見つけた。
「あったニャン、世界樹ニャン。
ふふふっ、出入り口を塞ぐ作戦は愚策だったニャンね。」
そのままケーンは、指標玉を起動し世界樹を魔界へと持ち帰ってしまった。
→48へ
「近くで魔力を感じるのに、世界樹がないニャン。」
各部屋を順番に開けて回っていたケーンに、見回りをしていた天使兵が声をかけてくる。
「おい、そこの使い魔!」
「は、はい。
どうかしましたか・・・ニャン。」
「いま地下内で暴れている悪魔がいると報告があった。
世界樹を守っている天使兵たちにも緊急事態だと伝えてくれ。」
ケーンは天使兵の命令に黙って頷いた。
ケーンたち魔界の使い魔は語尾に「ニャン。」とついてしまう。
そのことに天使兵が気付けば一発でバレてしまうだろう。
ケーンはドキドキしながら、自分が魔界の使い魔であることがバレないように注意していた。
そんなケーンに天使兵は近寄り声をかける。
「おい、お前。
もしかして・・・。」
「な、なんですか・・・ニャン。」
明らかに挙動不審で怪しい使い魔をじっと見つめていた天使兵がニヤリ!と笑うとケーンの頭に手を置き話し始めた。
「お前、新人だろ。」
「・・・。」
「黙ってるとこみると図星だな。
まあいいさ。俺も新人だったことは宝物庫の入り方が分からず上官に怒鳴られたからな。」
「・・・そう、です・・・ニャン。」
「宝物庫への通路は幻覚の魔法が掛けられてるんだ。
地上への階段から南に3本目と4本目の柱の間を通り抜ければいけるから。」
「あ、ありがとうございますニャン。」
「礼はいいって。
お互い下っ端同士、頑張ろうぜ。
伝言を伝えたら、お前も避難しろよな!」
見回りの天使兵は笑顔で手を振ると、3人が分かれた場所の方向へと駆けていった。
(・・・天使も悪い奴ばかりじゃなさそうだニャン。)
ケーンは、天使兵から聞いた通りに南に3本目と4本目の柱の間を通り抜け、宝物庫へと急いだ。
~宝物庫~
ケーンが宝物庫に辿り着くと、宝物庫の前には3人の天使兵が常駐していた。
「おい!
そこの使い魔、そこで止まれ。」
ケーンに気付いた天使兵の一人が、武器を構えケーンに声をかける。
ケーンは指示に従い、立ち止まり両手を上げる。
「さっき、見回りの天使兵から聞いた伝言を伝えに来ただけです・・・ニャン。」
「伝言?」
「はい、地下内で暴れている悪魔がいると報告があったそうで、それを伝えるように言われましたニャン。」
ケーンが伝言を伝えると、天使兵たちが何やら小声で相談し合っていた。
そして、なにか一つの決断に辿り着いたのだろう、天使兵の一人がケーンに近づいてくる。
「そうか、ご苦労だったな。
俺たちも悪魔退治に行くから、ここの見張りを頼む。
何かあったら警笛を鳴らしてくれ。」
ケーンも天使兵の言葉に安心したのか、ホッと胸をなでおろす。
そんなケーンの横を素通りした天使兵たちが、背後からケーンに声をかけてきた。
「しかし、・・・残念だよな。」
「・・・!?」
「お前、魔界の使い魔だろ。」
そう言いながら、ケーンの背後から不意に一太刀を浴びせると、天使兵たちは 倒れこんだケーンを取り囲み何度も何度も持っている武器で攻撃してくる。
「「「おらおら!死ね!」」」
「使い魔は何度でも蘇るんだよな!
だったら、復活できなくなるまで殺し続けてやるよ!」
天使兵たちは、倒れて身動きが取れないケーンに何度も何度も剣を突き立てる。
その様子は狂気に満ちていて、まるで天界経典に描かれている悪魔の挿絵そのものであった。
「い、痛いニャン。
もう、止めて下さいニャン。
それ以上すると俺は・・・。」
「アハハ、魔界の使い魔が天界に攻めてくるからそうなるんだ!」
「悪魔は悪魔らしく地べたを這いつくばってればいいのに、天界にくるからだ!」
「・・・そろそろ辞めてもらいたいニャン。」
「「「なに言ってやがる、悪魔風情が!」」」
「悪魔は消滅してしまえ!」
「そうか・・・仕方がないニャンね。
俺は戦うの苦手なんだニャン。」
ケーンの体が激しく燃え上がる。
その激しい炎に危険を感じたのか、天使兵が警笛を鳴らし応援を呼ぶ。
宝物庫は階段を降りてすぐの部屋だった為、ぞくぞくと湧いて出たように天使兵たちが集まってくる。
「観念しろ!
貴様が使い魔に化けた悪魔だってことは分かったが、この状況は打開できないだろ!」
「打開できない・・・たったこれだけの天使兵で?
・
・
・
僕は戦いたくないんだ、今からでも遅くない、引き下がってくれないか。
僕は戦うのが怖いんだ。
それは僕が・・・僕の炎は特別だから。」
キジの言葉を無視するように、天使兵たちが周囲を取り囲み武器を構える。
「攻撃用意!」
「「「攻撃用意終わり!」」」
天使兵たちの準備も整ったのだろう、どんなに素早い悪魔であっても、周囲を取り囲まれた状況では攻撃を捌くことは難しい。
しかも、この場に集まっている天使兵は警笛が鳴り集まってきた上級天使兵でもあるのだから、なおさら捌ききれるとは考えられない。
しかし、キジは全く動じた様子をみせない。
「攻撃始め!!!」
「「「ヤーーー!」」」
天使兵たちが一斉に詰め寄ってきた。
(僕は忠告したからね・・・。)
キジが その翼を大きく広げると、周囲を凄まじい炎と熱風が吹き荒れる。
その炎が掠めた剣は 飴細工のように溶け、熱風を浴びた天使兵の衣服は激しく燃え上がった。
「「「ひ、ひぃぃぃ!」」」
天使兵たちは、一瞬の出来事に慌てふためいている。
「だから言ったのに・・・。
僕の炎は魔界でも特別製だから。」
(欠点は、敵も味方も傷つけてしまう点だけどね。)
「退却!退却!
ここから引いて、出入り口を守り切る!
奴を閉じ込めて本隊の到着を待つ!」
キジの炎に慌てふためいた天使兵たちは、一時退却し出入り口を塞ぐ作戦に出たようだ。
キジは、無人になった宝物庫の扉を溶かし、使い魔の姿で中に入る。
宝物庫に入ると、弱りきった姿で細くなった世界樹を見つけた。
「あったニャン、世界樹ニャン。
ふふふっ、出入り口を塞ぐ作戦は愚策だったニャンね。」
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